聖女の代役の私がなぜか追放宣言されました。今まで全部私に仕事を任せていたけど大丈夫なんですか?

水垣するめ

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3話

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「何よこれ……!」

 私は憤慨していた。
 私は今、聖女としての仕事の一つである、聖水を作る仕事をしている。
 しかしこの内容がとても酷かったのだ。

 ただ金属の器に入れられた水に手をつけて魔力を注ぎ続けるだけ。
 しかも両手をつけるので、そんなことをしていたら他に何も出来ない。
 加えて座ることも出来ないので、三時間以上経過した今、私は魔力にも足にも限界が来ていた。

「あーもう! やってらんない!」

 私は投げ出した。
 こんな地味な仕事をやれる筈がない。
 そもそも、こんなのそこらの聖女がやればいい話じゃないか。
 そこらを通りかかった修道女に命令する。

「ねぇそこのあんた。聖水作っておきなさい!」
「え?」
「面倒くさいからこんなことやってられないわ! 雑用はあんたの仕事なんだから、やっておきなさいよ!」
「いえ……それは出来ません」
「は? 私に逆らうの?」
「違います。聖水を作るのは聖女にしか許されていないんです。ですから修道女の私では……」
「チッ! 使えないわね!」

 私は舌打ちをして聖水作りをやめた。
 修道女が慌てて私を引き止める。

「お待ちください! どこへ行かれるんですか」
「飽きたからやめるわ」
「そんな! 聖水は医療の現場でも使われています! それが供給出来ないと──」
「うるさい!」

 私は修道女の頬を思いっきりひっぱたいた。

「公爵令嬢の私に口答えするんしゃないわよ! 私が命令すればあんたはすぐに処刑出来るんだからね!」
「す、すみません!」

 修道女は必死に頭を下げて謝る。
 私はその姿を見て優越感に浸った。
 結局教会の者といえど権力には跪くのだ。

「あー、いい気分だわ。帰ろっと」

 頭を下げさせていい気分になったので、私は家に帰ることにした。
 今日は頑張って疲れたし、また明日頑張ろう。
 馬車に乗って私は家に帰る。
 そして家につくと、お父様に部屋まで来るように呼ばれた。

(お父様が呼んでる? なんで……?)

 疑問に思いながらも私はお父様の部屋へと向かう。
 扉を開けると、そこには厳しい表情のお父様が椅子に座っていた。

「お父様、何でしょうか」
「お前、代理の聖女をクビにしたとは本当か?」

 クビにしたか? 何故そんなことを聞くのだ。
 私は不思議だったが答えた。

「はい、クビにしました。口答えして面倒だったよで」

 その言葉を聞いた瞬間、お父様が激怒した。

「このバカ者が! なんてことをしてくれたんだ!」
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