67 / 67
番外〜前世編〜「東へと続く道」
8、東へと続く道
「リディアでの結婚式の日、私は愛するデニスが手の届かないところへ行って悲しかった。
そうして、報われないから愛から逃げて、あなたはレダへの想いを否定し、私はユーリに救いを求めた。でも、苦しかった――心は血を流し続けていた――あなたもそうなのでしょう?」
私を見返すネヴィルの銀色の瞳が激しく揺れ動き、人形のように整いきった美貌に初めて人間らしい動揺の表情が浮かぶ。
「では、錯覚ではなかったのだな。お前と視線が合った一瞬、互いの心が繋がったような気がした――そんな感覚は、他人に心を許したことのない俺には生まれて初めての経験だった――」
「それは私達が共感し合ったからよ」
「――もしかしたらその事が、俺にせっかく作り上げた薬をレダに渡す事を思い止まらせ、ユーリを逃がす選択をさせたのかもしれない――お前はつくづく不思議な女だ」
ネヴィルは私の顔をじっと見つめてから、自分の両手を見下ろす。
「……そうか、ようやくわかった。俺があの薬を飲ませてみたかったのは、レダだったのだな……」
私はぎゅっと拳を握った。
「お願い、ネヴィル。あと数日で覚める夢なら、最後に私をデニスと二人きりにしてくれる?」
ネヴィルは何も答えなかったけど、無言ですれ違うと、そのまま洞窟から去って行った――
翌朝――
「リオお腹が空いたよ」
目覚めたデニスは驚くほどケロリとして、起き上がったそばから空腹を訴えてきた。
幸い剣の威力が増したので、通りかかった鹿を離れた位置からでも仕留めることができた。
「よく食べるわね」
感心しながらも、人の顔ほどもある大きな肉を短剣に刺し、たきぎの火であぶってからデニスに渡してあげる。
身体が大きなぶんお腹が空くらしく、デニスはとにかく良く食べる。
食事が済むと出立の準備をした。
「ねぇ、リオ、これからどこへ行くの?」
「そうね……」
頷いてから考える。
王であるユーリを失った私には最早行く宛なんてない。
「今や各国から追われる身となったし、東の大陸へでも渡ろうかしら。デニス、あなたも一緒に来る?」
単なる軽口のつもりだった。
「勿論、リオの行くところならどこでもついていく」
「本当に、どこでも?」
「うん、ずっと、ずっと一緒にいる。リオを愛してる」
東の大陸へ二人で渡る。
それは実現しようのない夢物語だった。
記憶が戻ったデニスは再び王の勤めを果たすためにリディアへ戻るだろうから。
そうわかっていても、ずっとデニスの隣にいたいと望み続けてきた私は、もう少しだけこの夢の続きを見ていたかった。
たとえ罪の上塗りになろうとも。
「また、今日もいっぱい殺すの?」
「そうよ、いっぱい、いっぱい殺すの。ほら、この鹿と同じ、生きるということは、何かを殺し続けることなのよ――ただし、デニス、ここからはあなたは殺さないでいいわ。ただ後ろにいて私が殺すのを見ているのよ」
そう、ここからは、罪も血も全て私がかぶる。
「見ているだけ?」
「ええ、約束できないなら連れて行けないわ」
「わかった、約束する」
そうして私達の旅は、東へ進路をとってもう少しだけ続く。
戦女神の剣の強大な力を引き出せるようになった私は、力づくで血路を開いて包囲網を突破し、ついに森の東側から荒野へと出た。
森を出たあとはさらに絶え間なく追っ手が襲ってくる、過酷な血まみれの旅路になった。
それでも私はデニスと一緒にいられることが幸せだった。
昼は手に手を取り合って進み、夜はお互いを温め合って眠る。
――しかし、ネヴィルと別れてから三日後――その瞬間は唐突に訪れた。
悲鳴をあげて兵士が敗走していく中、死体の中央に立つ私の背後で、デニスの低いうなり声が起こる。
振り返って見ると、デニスは地面に片膝をつき、頭を抱えながら苦しそうに喘いでいた。
「デニス?」
思わず駆け寄り肩に手を置く私を、目覚めたようにカッと瞳を開いてデニスが見上げてくる。
「これは、何事だ? なぜ、周りにリディア兵の死体が転がっている? 俺は一体どうしたんだ? リオ?」
とっくに覚悟ができていた私はゆっくりと答える。
「あなたは私が葡萄酒に混ぜて飲ませた魔法薬のせいで、この数日間幼児返りし、自国の兵士を殺しまくっていたのよ」
「なぜ、そんなことを?」
「聞くまでもないでしょう?」
「つまりユーリに心変わりしたというわけか――?」
どうやらこれまでの出来事を何も覚えていないらしい。
私の胸に鋭い喪失の痛みが走る。
しがらみのない世界に二人で行けたらどんなに良かったか。
だけど、所詮夢は夢。
正気に戻ったデニスは決してそんな道を選ばず、一人になった私はどこへも辿り着けない。
「そうよ、私はユーリを選んだわ!」
はっきり言い切ると、デニスは私に剣先を向け、怒りに燃えた瞳で詰問してくる。
「ユーリはどこだ? 答えろ、リオ!」
「答えられないと言ったら?」
「お前を殺す!」
「あなたに私を殺せるの?」
問いながら戦女神の剣を構え、全速で駆け出しデニスへと迫る。
そして私は迷いなく剣を突き出した。
「リオ!!」
反射的にデニスも剣を繰り出し――果たして、次の瞬間――胸を貫かれたのは私だった――
片肺をうがたれた私は、ゴブッと口から血を吐き出す。
「なぜ、わざと剣を外した?」
「それこそ、聞くまでもないでしょう?」
なぜならこの戦女神の剣は心に背いて相手を斬れないのだから。
愛するあなたを殺せるわけがない。
――そう、これがあなたへの私の、そしてあなたから私への答え――
だけど、デニス、なぜあなたを責められよう。
純粋さとほど遠いのは私も同じ。
見返りなしではあなたへの愛を貫けず、一度はユーリの元へと逃げた。
その行いがユーリの破滅を呼んだのだ。
そんな愚かな私があなたに捧げられるのは最早この命だけ――
「……さあ、私の首を持って、レダのところへ戻るといいわ……」
「……!?」
「……デニス……幼いから頃から……ずっと、ずっと……あなただけを見つめてきた……あなただけを……愛してきた……」
だからたとえ夢が叶わなくても、最愛のあなたの手にかかり、その腕の中で死ねるなら本望だ。
「リオ……死ぬな……死なないでくれ……俺も、お前の事を……愛している!!」
ええ、デニス。あなたの心は痛いほど知っていたわ。
だけどそれでもあなたはレダを娶り、私もユーリの手を取った。
――初めて泣き顔を見せた愛しいデニスの顔が急速にかすんでいく――
私は視界が完全に闇に飲まれるまで、ただ一心にその顔を見つめ続ける。
瞳に焼きつけ、死後も忘れないように。
また生まれ変わってもデニスを愛する為に……。
もしも、前世からこんな運命を繰り返してきたなら、来世では断ち切りたい。
そのために決して剣など握らない。
あなたと馬も並べない。
そうね。間違っても女神の剣などに選ばれないように、あなたと目指した東へ向かって、遠い、遠い国で生まれ変わるわ。
そして娘らしい綺麗な衣装を着て、あなたを笑顔で出迎えるの……。
だから先に行って待っている。
たとえあなたが来なくても。
約束自体が幻でも。
『うん、ずっと、ずっと一緒にいる。リオを愛している』
『リオの行くところなら、どこへでもついていく』
ずっと、ずっと――
FIN
そうして、報われないから愛から逃げて、あなたはレダへの想いを否定し、私はユーリに救いを求めた。でも、苦しかった――心は血を流し続けていた――あなたもそうなのでしょう?」
私を見返すネヴィルの銀色の瞳が激しく揺れ動き、人形のように整いきった美貌に初めて人間らしい動揺の表情が浮かぶ。
「では、錯覚ではなかったのだな。お前と視線が合った一瞬、互いの心が繋がったような気がした――そんな感覚は、他人に心を許したことのない俺には生まれて初めての経験だった――」
「それは私達が共感し合ったからよ」
「――もしかしたらその事が、俺にせっかく作り上げた薬をレダに渡す事を思い止まらせ、ユーリを逃がす選択をさせたのかもしれない――お前はつくづく不思議な女だ」
ネヴィルは私の顔をじっと見つめてから、自分の両手を見下ろす。
「……そうか、ようやくわかった。俺があの薬を飲ませてみたかったのは、レダだったのだな……」
私はぎゅっと拳を握った。
「お願い、ネヴィル。あと数日で覚める夢なら、最後に私をデニスと二人きりにしてくれる?」
ネヴィルは何も答えなかったけど、無言ですれ違うと、そのまま洞窟から去って行った――
翌朝――
「リオお腹が空いたよ」
目覚めたデニスは驚くほどケロリとして、起き上がったそばから空腹を訴えてきた。
幸い剣の威力が増したので、通りかかった鹿を離れた位置からでも仕留めることができた。
「よく食べるわね」
感心しながらも、人の顔ほどもある大きな肉を短剣に刺し、たきぎの火であぶってからデニスに渡してあげる。
身体が大きなぶんお腹が空くらしく、デニスはとにかく良く食べる。
食事が済むと出立の準備をした。
「ねぇ、リオ、これからどこへ行くの?」
「そうね……」
頷いてから考える。
王であるユーリを失った私には最早行く宛なんてない。
「今や各国から追われる身となったし、東の大陸へでも渡ろうかしら。デニス、あなたも一緒に来る?」
単なる軽口のつもりだった。
「勿論、リオの行くところならどこでもついていく」
「本当に、どこでも?」
「うん、ずっと、ずっと一緒にいる。リオを愛してる」
東の大陸へ二人で渡る。
それは実現しようのない夢物語だった。
記憶が戻ったデニスは再び王の勤めを果たすためにリディアへ戻るだろうから。
そうわかっていても、ずっとデニスの隣にいたいと望み続けてきた私は、もう少しだけこの夢の続きを見ていたかった。
たとえ罪の上塗りになろうとも。
「また、今日もいっぱい殺すの?」
「そうよ、いっぱい、いっぱい殺すの。ほら、この鹿と同じ、生きるということは、何かを殺し続けることなのよ――ただし、デニス、ここからはあなたは殺さないでいいわ。ただ後ろにいて私が殺すのを見ているのよ」
そう、ここからは、罪も血も全て私がかぶる。
「見ているだけ?」
「ええ、約束できないなら連れて行けないわ」
「わかった、約束する」
そうして私達の旅は、東へ進路をとってもう少しだけ続く。
戦女神の剣の強大な力を引き出せるようになった私は、力づくで血路を開いて包囲網を突破し、ついに森の東側から荒野へと出た。
森を出たあとはさらに絶え間なく追っ手が襲ってくる、過酷な血まみれの旅路になった。
それでも私はデニスと一緒にいられることが幸せだった。
昼は手に手を取り合って進み、夜はお互いを温め合って眠る。
――しかし、ネヴィルと別れてから三日後――その瞬間は唐突に訪れた。
悲鳴をあげて兵士が敗走していく中、死体の中央に立つ私の背後で、デニスの低いうなり声が起こる。
振り返って見ると、デニスは地面に片膝をつき、頭を抱えながら苦しそうに喘いでいた。
「デニス?」
思わず駆け寄り肩に手を置く私を、目覚めたようにカッと瞳を開いてデニスが見上げてくる。
「これは、何事だ? なぜ、周りにリディア兵の死体が転がっている? 俺は一体どうしたんだ? リオ?」
とっくに覚悟ができていた私はゆっくりと答える。
「あなたは私が葡萄酒に混ぜて飲ませた魔法薬のせいで、この数日間幼児返りし、自国の兵士を殺しまくっていたのよ」
「なぜ、そんなことを?」
「聞くまでもないでしょう?」
「つまりユーリに心変わりしたというわけか――?」
どうやらこれまでの出来事を何も覚えていないらしい。
私の胸に鋭い喪失の痛みが走る。
しがらみのない世界に二人で行けたらどんなに良かったか。
だけど、所詮夢は夢。
正気に戻ったデニスは決してそんな道を選ばず、一人になった私はどこへも辿り着けない。
「そうよ、私はユーリを選んだわ!」
はっきり言い切ると、デニスは私に剣先を向け、怒りに燃えた瞳で詰問してくる。
「ユーリはどこだ? 答えろ、リオ!」
「答えられないと言ったら?」
「お前を殺す!」
「あなたに私を殺せるの?」
問いながら戦女神の剣を構え、全速で駆け出しデニスへと迫る。
そして私は迷いなく剣を突き出した。
「リオ!!」
反射的にデニスも剣を繰り出し――果たして、次の瞬間――胸を貫かれたのは私だった――
片肺をうがたれた私は、ゴブッと口から血を吐き出す。
「なぜ、わざと剣を外した?」
「それこそ、聞くまでもないでしょう?」
なぜならこの戦女神の剣は心に背いて相手を斬れないのだから。
愛するあなたを殺せるわけがない。
――そう、これがあなたへの私の、そしてあなたから私への答え――
だけど、デニス、なぜあなたを責められよう。
純粋さとほど遠いのは私も同じ。
見返りなしではあなたへの愛を貫けず、一度はユーリの元へと逃げた。
その行いがユーリの破滅を呼んだのだ。
そんな愚かな私があなたに捧げられるのは最早この命だけ――
「……さあ、私の首を持って、レダのところへ戻るといいわ……」
「……!?」
「……デニス……幼いから頃から……ずっと、ずっと……あなただけを見つめてきた……あなただけを……愛してきた……」
だからたとえ夢が叶わなくても、最愛のあなたの手にかかり、その腕の中で死ねるなら本望だ。
「リオ……死ぬな……死なないでくれ……俺も、お前の事を……愛している!!」
ええ、デニス。あなたの心は痛いほど知っていたわ。
だけどそれでもあなたはレダを娶り、私もユーリの手を取った。
――初めて泣き顔を見せた愛しいデニスの顔が急速にかすんでいく――
私は視界が完全に闇に飲まれるまで、ただ一心にその顔を見つめ続ける。
瞳に焼きつけ、死後も忘れないように。
また生まれ変わってもデニスを愛する為に……。
もしも、前世からこんな運命を繰り返してきたなら、来世では断ち切りたい。
そのために決して剣など握らない。
あなたと馬も並べない。
そうね。間違っても女神の剣などに選ばれないように、あなたと目指した東へ向かって、遠い、遠い国で生まれ変わるわ。
そして娘らしい綺麗な衣装を着て、あなたを笑顔で出迎えるの……。
だから先に行って待っている。
たとえあなたが来なくても。
約束自体が幻でも。
『うん、ずっと、ずっと一緒にいる。リオを愛している』
『リオの行くところなら、どこへでもついていく』
ずっと、ずっと――
FIN
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(43件)
あなたにおすすめの小説
【完結】愛とは呼ばせない
野村にれ
恋愛
リール王太子殿下とサリー・ペルガメント侯爵令嬢は六歳の時からの婚約者である。
二人はお互いを励まし、未来に向かっていた。
しかし、王太子殿下は最近ある子爵令嬢に御執心で、サリーを蔑ろにしていた。
サリーは幾度となく、王太子殿下に問うも、答えは得られなかった。
二人は身分差はあるものの、子爵令嬢は男装をしても似合いそうな顔立ちで、長身で美しく、
まるで対の様だと言われるようになっていた。二人を見つめるファンもいるほどである。
サリーは婚約解消なのだろうと受け止め、承知するつもりであった。
しかし、そうはならなかった。
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
【完結】時戻り令嬢は復讐する
やまぐちこはる
恋愛
ソイスト侯爵令嬢ユートリーと想いあう婚約者ナイジェルス王子との結婚を楽しみにしていた。
しかしナイジェルスが長期の視察に出た数日後、ナイジェルス一行が襲撃された事を知って倒れたユートリーにも魔の手が。
自分の身に何が起きたかユートリーが理解した直後、ユートリーの命もその灯火を消した・・・と思ったが、まるで悪夢を見ていたように目が覚める。
夢だったのか、それともまさか時を遡ったのか?
迷いながらもユートリーは動き出す。
サスペンス要素ありの作品です。
設定は緩いです。
6時と18時の一日2回更新予定で、全80話です、よろしくお願い致します。
【完結】試される愛の果て
野村にれ
恋愛
一つの爵位の差も大きいとされるデュラート王国。
スノー・レリリス伯爵令嬢は、恵まれた家庭環境とは言えず、
8歳の頃から家族と離れて、祖父母と暮らしていた。
8年後、学園に入学しなくてはならず、生家に戻ることになった。
その後、思いがけない相手から婚約を申し込まれることになるが、
それは喜ぶべき縁談ではなかった。
断ることなったはずが、相手と関わることによって、
知りたくもない思惑が明らかになっていく。
幼い頃に魔境に捨てたくせに、今更戻れと言われて戻るはずがないでしょ!
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
ニルラル公爵の令嬢カチュアは、僅か3才の時に大魔境に捨てられた。ニルラル公爵を誑かした悪女、ビエンナの仕業だった。普通なら獣に喰われて死にはずなのだが、カチュアは大陸一の強国ミルバル皇国の次期聖女で、聖獣に護られ生きていた。一方の皇国では、次期聖女を見つけることができず、当代の聖女も役目の負担で病み衰え、次期聖女発見に皇国の存亡がかかっていた。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
楽しく拝読させていただきました。今、復讐物ばかりを読んでいる最中なので面白かったです。
番外編の前世が本編で話されていた前世ではなかったので、何故この前世の話が出てくるのか分からず当惑しています。内容も本編と同じく救いのない話だったので。
番外編で前世を描くのであれば、本編で話されていた前世の方が読みたかったかなと。
愛する者よりも強さを、自分を選択したデリアンは王として生活し、子をなして望みを果たした。
熾火のように未練は残っても心を占める割合は生活の中で少なくなっていくはず。
たまに火が大きくなったとしても、後悔はないだろう。
強くなる為には、王になる為には本当の愛を捨てることが必要だったと知っているから。
愛する人の心に残ろうとも、死んでしまったら新しい喜びも悲しみも何もない。
記憶に残る死しか許されないとしたら、余りに侘しい。
愛は記憶。魂は同じでも人格は違う。前世のアレイシアを思うと不憫でならない。
そして、魂が同じであればどんな人格でもよしとするカイエンも不憫。
最初の想い人はもう決して手に入らない。
いくら同じ魂でも本当の意味で愛した人ではないのだから。
甘く苦い記憶持ちのデリアンが一番幸せなのかもしれない。
捨てたとしても愛し愛された記憶は残っているのだから。
今生のアレイシアにはカイエンを疑うことなく
幸せになってもらいたいなと思う。
魂が癒されることを願う。
身を滅ぼしても願う愛。
その強さに憧れる。
決して他動的でなく、あくまで自分本位。
そんな愛を見たら、自分に向いてほしいと願うのもわかる。
皆が皆、幸せでない。報われない。
読んでいて、遣る瀬無かった。
エティに脅され、シアの安全と引き換えにデリアンは婚約させられたのかも、なんて思いながら読んでいたので、シアとデリアンが結ばれたらカエインはどうなるの!?くらいに思っていたのですが、まさかのデリアンのオレ様の野望が一番大事発言…
100年の恋もキレイさっぱりなくなるようなトドメの一言でしたね。
デリアンの頭の中では王になった後はシアを愛妾にとでも思っていたのかな?
カエインも何故エティみたいな悪女がいいのか思っていたのですが、過去の話を読むと納得しますね。
最初いきなり主人公が自害しようとうとするハード展開でしたが、最後まで読むと「なるほど~」って思う事がたくさんでした。
もしも番外編を書かれるのでしたら、カエインに甘やかされて美しく成長した幸せなシアと、年齢を重ねて愛する人以外の全てを手に入れたデリアンへのざまぁが見たいです♪(シアの幸せとデリアンへのざまぁ不足を感じていたので)