HAPPY BIRTHDAY

ゆうぜん

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last birthday 2

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色んな記憶が頭の中を駆け巡る。
机の上のお菓子を見つけて犯人を探そうとしたこと。
勝斗と直哉に手伝ってもらったこと。
三原さんと田辺さんも手伝ってくれた。クラスメイトも強力してくれた。
そのおかげで色んなことが分かったし、とても楽しかった。そんな時間がずっと続いて欲しかった。今日で終わるのは嫌だった。だからなのか?
俺はその記憶の中に一晴を入れなかったからになっているのか?
俺は目を逸らしていた現実に目を向ける。
「あ、やっと起きた。おはよう、伊鶴」
薄暗く、窓はカーテンが閉められ、目の前にいる一晴さえうまく見えない。
そして手足には手錠が掛けられ、俺はその場で倒れていた。
「ここは……?なんで俺はこんなことに……」
理解が追いつけず、疑問を口にする。
「伊鶴はあの時私に言ったよね?“好きだ”って。私はから“今は難しい”って言った。でも、ようやく準備ができたよ。だから迎えに来たの」
全く意味が分からなかった。準備?一体なんの準備だ?俺を気絶させたのは何故だ?
……一体こいつは何をしようとしているる?
「そうだ。私がいなかったこの1年間、なにか変わったことはなかった?」
「1年間?……誰かの誕生日の時にかならずお菓子が置いてあったな。……それが今なんで…」
「それやったの私なの」
「え、なんで…」
「これも準備だよ。のね」
「俺が……クラスメイトと仲良く……?」
「そう。伊鶴が新しいクラスになって最初の日直だっていうのは知ってた。だから伊鶴が一番最初にに気づくと思った。を疑問に思いクラスメイトと共にそれを置いた犯人を見つけようとする。その内クラスメイトとも仲良くなり、この1年間何不自由なく楽しい日々が続いた。
合ってる?」
「う、うん…」
「でも、これは私の中にあった
伊鶴がクラスメイトと仲良くなれば私の計画も上手くいく。まぁ、こんなに綺麗に上手くいくとは思ってもなかったけどね」
「け、計画ってなんだよ…どうしてそんなこと…」
「ん?簡単だよ。全ては伊鶴がしてくれた告白に私が納得のいく返事をするためだよ」
「意味が分かんねぇよ!お前は……一体何がしたいんだ?」
とうとう分からなくなった。目の前にいるこいつは本当に片瀬一晴なのか?俺が見ていた一晴は…どこにいったんだ…?
「だからね」
一晴が俺を見下ろすようにしゃがんだ。
「私は伊鶴のしてくれた告白に“最も良い返事”をするためにこの1年間ずっと考えてた。伊鶴をクラスメイトと仲良くさせて、伊鶴をクラスで浮かないようにした。1年間積み上げられたクラスメイトの仲はそれはそれは固い絆で結ばれている。そんな絆で結ばれたクラスが今日で終わる。みーんな良いクラスだったって伊鶴を待ってる。そんな日に君がいなくなったら、さぞ悲しむだろうねぇ」
「…!」
反射的に起き上がろうとする。
だが手首を掴まれ、それ以上起き上がることは出来なくなった。
「ダメだよ、ここにいなきゃ」
光を映さないその瞳に吸い込まれ、自然と力が抜ける。
頭がジンジンと痛む。俺はこれからどうすれば…
「その顔、私すごく好き。
伊鶴が告白してくれた時、私すごく嬉しかった。だから私、一番良い時にあなたを受け入れようって思ったの。今がそう……私を時。伊鶴が私しか見れない時。
今、すごくドキドキしてる。意味が分からなくて戸惑ってる伊鶴を見るだけで胸が高鳴るの。
ずっと…………愛してあげるね」
そう言い、扉を開く。
「待て!!俺を閉じ込めてどうするんだ!!おい!!」
「大丈夫、どこにも行かないから」
そう言い残し、扉が閉まる。
「待て!!待てよ!!!」
閉ざされた重い扉の向こう側に必死に訴える。だが、声は届かない。
「くそ……くそぉ……!!」
あいつに告白なんてしなければこんなことには……










そうして、今も彼女に囚われたままでいる。

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