探偵気取りのコリドラス

まるみ

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第二話 早速、事件ですか?

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皆様、いかがお過ごしでしょうか、私、コリドラス探偵のダダちゃんです。
今現在、私はソイルの上を這っております。
土の中に餌を探しております。
ナマズのようなお魚ちゃんですから。
この水槽に来てから、餌が上から降ってくるんですが、毎回誰かに食べられた跡があるのです。
皆様、お判りでしょうか…水槽内で事件発生です。
なんと、コリドラスはこの水槽に一匹しかいないというのに、誰かが私の餌を食べてるのです。
これは事件として扱うほかありませんね。
では早速、調査開始です!

み、みな、皆様、私は今、水槽、内を、上下に、お、泳ぎ、まわって…ふぅ、降りますか。
コリドラスがソイルの上を這うだけでなく、泳ぐのをご存じですか?
結構、上下に泳いだりしますよ。
今は、調査もですが、泳ぎたい気分でしたので、泳いでいました。
なんせ私の餌が降ってくるのは、一回だけですからね、餌が降って来なければ、私も調査出来ないので、泳いでおりました。
ふぅー、良い運動になりますね。
さて、もうひと泳ぎといきますか。
「きゃっ!」
おっと、婦人の声が!
「やだもー、ぶつからないでよ」
「すいません」
今、私はミナミヌマエビの婦人とぶつかってしまいました。
この水槽には、私の他にミナミヌマエビという小さなエビさんもいらっしゃるのですが、その数は私にも分かりません。
結構な頻度で増えたり減ったりしているもので、流石に探偵である私でも、把握しきれないのです。
今も、あちこちにミナミヌマエビさん達が、泳いだり…ミナミヌマエビさん達も泳いでおられましたか。
それでぶつかってしまったのですね。
なるほど、謎が解決しました。
さて、そろそろ餌の時間ですね、ソイルの上を這って餌を探しますか。
とっ、私が餌を探し始めたら、丁度、餌が降ってきました。
落ちたらそこまで行きましょう。

餌が、私の餌が、ミナミヌマエビさんに囲まれています。
退いてくれませんか?それは、私の餌でして…。
「よう、コリドラスさん」
「あなたは?」
「ミナミヌマエビの仲間からは“ヌマさん”と呼ばれているが、俺には名前なんてもんはねぇよ、だから、俺の仲間同様、ヌマさんとでも呼んでくれ」
「ヌマさんですか、初めまして、私、コリドラス探偵のダダちゃんというものです」
「コリドラスたんてい?あんさん、コリドラス・ジュリー、またはトリリネアータスじゃあ、ねーのか?そんな名前だったか?」
「えぇ、トリリネアータスです、探偵って、ほら、事件解決する職業ですよ」
「なんだよあんさんっ、事件って、この水槽でかぁ?ここは平和そのものじゃねーか」
「いえ、頻繁に事件を目撃しています、今も餌が何者かに食べられた形跡があるので、調査中でした」
「それは、あんさんもまぁ、随分なコリドラスさんで、まぁ、頑張れ」
「はい、それでですね、早速この事件に関して調査しているので、ヌマさんにご協力をお願いしたいのですが、私のこの餌、コリドラス専用かと思うのですが、なぜかこう、誰かに食べられていてですね…」
「わかった、わかった、事件じゃねーよ、俺たちミナミヌマエビの仕業だ、見て分かるだろ?俺たちはあんさんの餌に群がってたんだよ、あんさんの餌を食べてたのは、ミナミヌマエビさ」
「…ご協力ありがとうございました、おかげで事件解決しました」
「…良かったな、あっ、そうだ、ごちそうさん」
「ヌマさんも、私の餌を食べたんですか?」
「毎日、いただいてるよ」
「…遠慮なく、どうぞ」
「そうだ、あんさん、これから俺に会いたければ、【スナック 土管】に来てくれ、あんさんは、体がでけーから入れねぇと思うけど、あそこのオブジェクトで、土管があるだろ?俺らは水草の影やそういう所で身を守る習性があるんだ、あそこは、魚達は入って来れねえからな、丁度隠れ場所に適してるし、何よりあの中にある、スナックのママがイイ女でよ、ミナミヌマエビの仲間同士では、ミナミさんとか、スナックのママって呼んでるんだ、俺はその【スナック 土管】の常連客なんだ、たいていはそこに居るからよ、もしも事件ってのが発生して、助手やら必要なら呼んでくれ、俺はこの、水槽の中にいるミナミヌマエビの仲間内じゃあ、結構な古株で、顔見知りも多いからよ、あんさんのその“探偵”っていう仕事も手伝ってやるから、俺は、ミナミヌマエビ界の探偵だからよ」
「それは、ありがたいです、けど、ヌマさんって、もしかして、私のライバルじゃ…、それにあのオブジェクト?土管って言うんですね、しかも中にスナックまで…」
「ここは狭い水槽内、こまけーことは気にすんな!コリドラスの探偵さんよ」
「はい」
「あんたは探偵、俺は助手、それでいいだろ、探偵らしくなってきたじゃねーか」
「…それもそうですね!探偵にはそうか、助手が必要だったんですね!ヌマさん、これからよろしくお願いします!」
「おう、任せとけ!」
ヌマさんはそう言って、土管の方へ泳いでいってしまいました。
皆様、私にはどうやら、ミナミヌマエビのヌマさんという助手が出来たそうです!
探偵には助手が必要不可欠だったのですね!気付きませんでした。
しかし!私の探偵業は、これからが本番です!皆様!どんどん事件を解決しますよ!
あっ、餌の時間だった…。

              第二話 終わり
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