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第一章 くたばれ重課金
第8話 ほどほどに生きよう
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俺たちはオリヒソとの戦闘に勝ち、奴のアイテムをすべて奪うことに成功した。
あのオロボス・ソードは今や俺のものだ。百万円のアイテムをバトル一回で頂くなんて、実にぼろい話だぜ。
戦いから数日後、俺たちのアジトに例の女、スロースがやってきた。
今、彼女はドアのところに立っている。俺はそこにいって話しかける。
「おーす、こんちはっす」
「こんにちは……」
「それで用件は?」
「お礼を言いに来ました」
「そりゃどうも。よかったら部屋の中どうぞ」
「失礼します……」
俺たちはテーブルの周りに集まり、椅子に座って喋り始める。
「改めてお礼を言います。今回は本当にありがとうございました」
「いやいや、こちらこそありがとうだ。まさかこんだけ大儲けできるたぁ思ってなかったもんで……」
「オリヒソは引退しましたよ」
「えっ、マジで?」
「はい」
スロースの不愛想な表情は、嘘をついている人間のものとは違う気がする。つまりマジネタなんだ。
「引退ねぇ……。やっぱオロボス持ってかれたのが痛かったんですかね」
「そうかもしれません。彼本人が言うには、重課金が微課金にここまで負けるなんて、そんなクソゲーやめてやる! だそうです」
「あっはは!」
ひとしきり笑った後、俺は話を続ける。
「オリヒソに泣かされてきた奴は多いですからね。いつか誰かがこれくらいお仕置きする必要がありましたよ」
「かも知れません」
「スロースさん、どうして奴をつぶそうと思ったんです」
「私は、通常レベルのPKであれば何も言いません。しかし彼はやり過ぎた、私の友だちを襲った」
「でもそんなんよくあることでしょう」
「彼は友だちを追い回し、徹底的に狙い続け、引退するまで攻撃し続けました」
「うへぇ……」
「私が直接あいつを殺したかったのですが、どうしてもそれができない事情がありまして。それで、迷惑を承知でお願いしたのです」
「なるほど……」
それができない事情、ねぇ……。どういうもんなんだか。ぽんと百万ゴールド出せるような奴だったら、オリヒソなんて瞬殺と思うけど。
まぁいいや、これ以上なんか深入りしてゴタゴタに巻き込まれたくないし。そろそろお別れを言う時だろう。
「とにかく、スロースさんには世話になりました。また機会あったらよろしくっす」
「はい。こちらもお世話になりました」
「そいじゃ、俺これから用事あるんで落ちます」
「了解です。お疲れ様でした」
俺はログ・アウトする。
課金ゲーか。アホみたいに課金してレア武器で微課金を狩るのもいいだろうが、過ぎたるは及ばざるがなんたら、ほどほどにしねぇとな。
でないと明日は我が身だぜ。
あのオロボス・ソードは今や俺のものだ。百万円のアイテムをバトル一回で頂くなんて、実にぼろい話だぜ。
戦いから数日後、俺たちのアジトに例の女、スロースがやってきた。
今、彼女はドアのところに立っている。俺はそこにいって話しかける。
「おーす、こんちはっす」
「こんにちは……」
「それで用件は?」
「お礼を言いに来ました」
「そりゃどうも。よかったら部屋の中どうぞ」
「失礼します……」
俺たちはテーブルの周りに集まり、椅子に座って喋り始める。
「改めてお礼を言います。今回は本当にありがとうございました」
「いやいや、こちらこそありがとうだ。まさかこんだけ大儲けできるたぁ思ってなかったもんで……」
「オリヒソは引退しましたよ」
「えっ、マジで?」
「はい」
スロースの不愛想な表情は、嘘をついている人間のものとは違う気がする。つまりマジネタなんだ。
「引退ねぇ……。やっぱオロボス持ってかれたのが痛かったんですかね」
「そうかもしれません。彼本人が言うには、重課金が微課金にここまで負けるなんて、そんなクソゲーやめてやる! だそうです」
「あっはは!」
ひとしきり笑った後、俺は話を続ける。
「オリヒソに泣かされてきた奴は多いですからね。いつか誰かがこれくらいお仕置きする必要がありましたよ」
「かも知れません」
「スロースさん、どうして奴をつぶそうと思ったんです」
「私は、通常レベルのPKであれば何も言いません。しかし彼はやり過ぎた、私の友だちを襲った」
「でもそんなんよくあることでしょう」
「彼は友だちを追い回し、徹底的に狙い続け、引退するまで攻撃し続けました」
「うへぇ……」
「私が直接あいつを殺したかったのですが、どうしてもそれができない事情がありまして。それで、迷惑を承知でお願いしたのです」
「なるほど……」
それができない事情、ねぇ……。どういうもんなんだか。ぽんと百万ゴールド出せるような奴だったら、オリヒソなんて瞬殺と思うけど。
まぁいいや、これ以上なんか深入りしてゴタゴタに巻き込まれたくないし。そろそろお別れを言う時だろう。
「とにかく、スロースさんには世話になりました。また機会あったらよろしくっす」
「はい。こちらもお世話になりました」
「そいじゃ、俺これから用事あるんで落ちます」
「了解です。お疲れ様でした」
俺はログ・アウトする。
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