14 / 227
第1章 下流階級で低収入の俺が本気出したら無双してしまった
第11話 セブンとの出会い Hoodlums
しおりを挟む
その男はまた大声で言う。
「武器を捨てろ! 聞こえないのか!」
何もないはずの空間から数人のワンダラーが現れ、俺たちを取り囲む。その手にはアサルトライフルが握られている。こいつぁやべぇぜ。
ところで、前にも話したが、ワンダラーはすべてがサイボーグだ。ゆえに、改造によって様々な特殊スキルを持つことができる。
ステルス能力はそれの代表選手だ。もっとも、プラネットのステルスは、戦闘機なんかのステルスとはぜんぜん意味が違う。
この能力は熱光学迷彩、要するに透明化だ。発動中は敵に視認されなくなる。
あとはだいたい分かるだろ? この男たちは、俺らが戦ってる間にステルス状態でやってきて包囲し、襲いかかるチャンスが来るのを待ってやがったんだ。
今にして思えば、こういうリスクを排除するため、ステルス対策のアイテム(ジャマー)を使っとくべきだった。けれども後悔先に立たず。もう遅い。
まぁ細かいことは後回しだ。俺は若い男を見る。アジア人男性のアバター、でも髪は欧米人みたいな金髪で、肩まで伸びてる。金髪野郎と命名しよう。
とりあえず質問する。
「誰だ、お前?」
「それを知りたきゃまず武器を捨てるんだな」
「お断りだ。どこの連中か知らねーけど、こっちはパワー1億5000万が揃ってんだ。殺しにくるなら返り討ちだぜ」
「1億5000万!」
金髪野郎はいきなり笑い出し、続ける。
「そいつぁーすげぇな。いやいやすごいよ。ところで、俺のパワーはいくつだと思う? 2億だ」
アンズさんが言い返す。
「くだらないハッタリでしょ? マジだっていうなら、じゃぁあんたのステータスを確認していい?」
「やってみな」
彼女は金髪野郎のステータス画面を呼び出して流し読みする。顔色が青ざめていく。
「うそ……!」
「ちなみに言っとこう。仲間はみんな1億7000万だ。いいか、俺を含めて5人で囲んでるんだ。この状況のどこにお前らの勝ち目がある?」
マサキングが「くそっ……!」と吐き捨て、武器を地面に落とす。俺は文句を言う。
「おい、何してんだよ!」
「お前こそ何やってんだ! さっさと捨てろ!」
「勝負はやらなきゃわかんねーだろ!?」
「こんだけパワーの差があったら勝てねぇよ、逆立ちしても!」
アンズさんが「おとなしく降参しよう」と言って武器を捨てる。ちくしょう、こういう流れじゃ俺もそうするしかない。MP5を地面に落とす。
金髪野郎は満足した顔で言う。
「聞き分けがいいと助かるよ。それじゃあリクエストにお答えして、俺の名前を教えよう。セブンだ」
セブン。数字の7。俗に「ラッキー・ナンバー」なんて言われるあれだ。
そんなご大層なもんをアバターの名前にするとは、こいつ、自分は幸運の女神に愛されてるとでも考えてんのか? いかれポンチめ。俺は奴をにらみつける。
「ふん……ずいぶん立派なお名前だな?」
「お褒めいただきありがとう。さて、それじゃあ消えてくれ。もちろんそこのドロップは置いてけよ」
「こんなん強盗だろ! 犯罪だ!」
「ハッ! くだらねぇ! このゲームではこういう遊び方をしてもいい、運営が公式サイトでそう説明してるだろ」
「ふざけんな!」
「悔しかったら俺より強くなれよ。まっ、無理だろうけど。1億5000万で喜ぶ程度の微課金は黙ってろ!」
ちくしょう……! もう少し金があれば、課金して強くなってぶっ飛ばせるのに。こんなクズ、ぶっ殺して返り討ちなのに。もう少し金があれば!
思わず俺は叫ぶ。
「いつか必ず復讐してやる! 絶対に叩きのめす!」
「はいはい。その手のセリフは聞き飽きたよ。いいからさっさといなくなれ、マジで殺されてーのか!」
セブンと彼の仲間たちが、ジャキッと音を鳴らしてライフルを構える。
殺されて経験値を失うくらいなら、おとなしく言うことを聞いて退散したほうがいい。俺はアイテム・ボックスの画面を開き、テレポート・ストーンを取り出す。
悔しいけど帰還しよう。くそ、くそ、くそ!
「武器を捨てろ! 聞こえないのか!」
何もないはずの空間から数人のワンダラーが現れ、俺たちを取り囲む。その手にはアサルトライフルが握られている。こいつぁやべぇぜ。
ところで、前にも話したが、ワンダラーはすべてがサイボーグだ。ゆえに、改造によって様々な特殊スキルを持つことができる。
ステルス能力はそれの代表選手だ。もっとも、プラネットのステルスは、戦闘機なんかのステルスとはぜんぜん意味が違う。
この能力は熱光学迷彩、要するに透明化だ。発動中は敵に視認されなくなる。
あとはだいたい分かるだろ? この男たちは、俺らが戦ってる間にステルス状態でやってきて包囲し、襲いかかるチャンスが来るのを待ってやがったんだ。
今にして思えば、こういうリスクを排除するため、ステルス対策のアイテム(ジャマー)を使っとくべきだった。けれども後悔先に立たず。もう遅い。
まぁ細かいことは後回しだ。俺は若い男を見る。アジア人男性のアバター、でも髪は欧米人みたいな金髪で、肩まで伸びてる。金髪野郎と命名しよう。
とりあえず質問する。
「誰だ、お前?」
「それを知りたきゃまず武器を捨てるんだな」
「お断りだ。どこの連中か知らねーけど、こっちはパワー1億5000万が揃ってんだ。殺しにくるなら返り討ちだぜ」
「1億5000万!」
金髪野郎はいきなり笑い出し、続ける。
「そいつぁーすげぇな。いやいやすごいよ。ところで、俺のパワーはいくつだと思う? 2億だ」
アンズさんが言い返す。
「くだらないハッタリでしょ? マジだっていうなら、じゃぁあんたのステータスを確認していい?」
「やってみな」
彼女は金髪野郎のステータス画面を呼び出して流し読みする。顔色が青ざめていく。
「うそ……!」
「ちなみに言っとこう。仲間はみんな1億7000万だ。いいか、俺を含めて5人で囲んでるんだ。この状況のどこにお前らの勝ち目がある?」
マサキングが「くそっ……!」と吐き捨て、武器を地面に落とす。俺は文句を言う。
「おい、何してんだよ!」
「お前こそ何やってんだ! さっさと捨てろ!」
「勝負はやらなきゃわかんねーだろ!?」
「こんだけパワーの差があったら勝てねぇよ、逆立ちしても!」
アンズさんが「おとなしく降参しよう」と言って武器を捨てる。ちくしょう、こういう流れじゃ俺もそうするしかない。MP5を地面に落とす。
金髪野郎は満足した顔で言う。
「聞き分けがいいと助かるよ。それじゃあリクエストにお答えして、俺の名前を教えよう。セブンだ」
セブン。数字の7。俗に「ラッキー・ナンバー」なんて言われるあれだ。
そんなご大層なもんをアバターの名前にするとは、こいつ、自分は幸運の女神に愛されてるとでも考えてんのか? いかれポンチめ。俺は奴をにらみつける。
「ふん……ずいぶん立派なお名前だな?」
「お褒めいただきありがとう。さて、それじゃあ消えてくれ。もちろんそこのドロップは置いてけよ」
「こんなん強盗だろ! 犯罪だ!」
「ハッ! くだらねぇ! このゲームではこういう遊び方をしてもいい、運営が公式サイトでそう説明してるだろ」
「ふざけんな!」
「悔しかったら俺より強くなれよ。まっ、無理だろうけど。1億5000万で喜ぶ程度の微課金は黙ってろ!」
ちくしょう……! もう少し金があれば、課金して強くなってぶっ飛ばせるのに。こんなクズ、ぶっ殺して返り討ちなのに。もう少し金があれば!
思わず俺は叫ぶ。
「いつか必ず復讐してやる! 絶対に叩きのめす!」
「はいはい。その手のセリフは聞き飽きたよ。いいからさっさといなくなれ、マジで殺されてーのか!」
セブンと彼の仲間たちが、ジャキッと音を鳴らしてライフルを構える。
殺されて経験値を失うくらいなら、おとなしく言うことを聞いて退散したほうがいい。俺はアイテム・ボックスの画面を開き、テレポート・ストーンを取り出す。
悔しいけど帰還しよう。くそ、くそ、くそ!
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
アガルタ・クライシス ―接点―
来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。
九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。
同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。
不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。
古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
EX級アーティファクト化した介護用ガイノイドと行く未来異星世界遺跡探索~君と添い遂げるために~
青空顎門
SF
病で余命宣告を受けた主人公。彼は介護用に購入した最愛のガイノイド(女性型アンドロイド)の腕の中で息絶えた……はずだったが、気づくと彼女と共に見知らぬ場所にいた。そこは遥か未来――時空間転移技術が暴走して崩壊した後の時代、宇宙の遥か彼方の辺境惑星だった。男はファンタジーの如く高度な技術の名残が散見される世界で、今度こそ彼女と添い遂げるために未来の超文明の遺跡を巡っていく。
※小説家になろう様、カクヨム様、ノベルアップ+様、ノベルバ様にも掲載しております。
毒素擬人化小説『ウミヘビのスープ』 〜十の賢者と百の猛毒が、寄生菌バイオハザード鎮圧を目指すSFファンタジー〜
天海二色
SF
西暦2320年、世界は寄生菌『珊瑚』がもたらす不治の病、『珊瑚症』に蝕まれていた。
珊瑚症に罹患した者はステージの進行と共に異形となり凶暴化し、生物災害【バイオハザード】を各地で引き起こす。
その珊瑚症の感染者が引き起こす生物災害を鎮める切り札は、毒素を宿す有毒人種《ウミヘビ》。
彼らは一人につき一つの毒素を持つ。
医師モーズは、その《ウミヘビ》を管理する研究所に奇縁によって入所する事となった。
彼はそこで《ウミヘビ》の手を借り、生物災害鎮圧及び珊瑚症の治療薬を探究することになる。
これはモーズが、治療薬『テリアカ』を作るまでの物語である。
……そして個性豊か過ぎるウミヘビと、同僚となる癖の強いクスシに振り回される物語でもある。
※《ウミヘビ》は毒劇や危険物、元素を擬人化した男子になります
※研究所に所属している職員《クスシヘビ》は全員モデルとなる化学者がいます
※この小説は国家資格である『毒物劇物取扱責任者』を覚える為に考えた話なので、日本の法律や規約を世界観に採用していたりします。
参考文献
松井奈美子 一発合格! 毒物劇物取扱者試験テキスト&問題集
船山信次 史上最強カラー図解 毒の科学 毒と人間のかかわり
齋藤勝裕 毒の科学 身近にある毒から人間がつくりだした化学物質まで
鈴木勉 毒と薬 (大人のための図鑑)
特別展「毒」 公式図録
くられ、姫川たけお 毒物ずかん: キュートであぶない毒キャラの世界へ
ジェームス・M・ラッセル著 森 寛敏監修 118元素全百科
その他広辞苑、Wikipediaなど
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる