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第1章 下流階級で低収入の俺が本気出したら無双してしまった

第25話 ☆を探せ Search, seek, slay

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 第二部隊を率い、俺はベース内部に入る。
 さっぱり色気のない場所だ。鉄の床、灰色の壁、天井には謎のパイプが何本も走り、まるで工場にいるような気がしてくる。

 ワラビーさんから通信が届く。

(バーバリアンさん、どう?)
(収穫ゼロです)
(じゃあアンズさんは?)
(こっちもさっぱり)
(そっか……。まずいなぁ~)

 イベントの残り時間は約半分。これからの面倒な戦いを考えると、間に合わないかもしれない。
 こういう時はあいつに相談してみるのが吉だ。

(おい、マサキング。お前、今回はワラビーさんの参謀だろ。なんかアイデアないのかよ)
(アイデアもクソも、こんなん総当たりするしかないだろ。ちょっとマップ出してみろ)

 俺はいったん立ち止まり、ベース内部のマップを立体映像で出す。あちこちに☆のマークがたくさん光っている。
 これらはあくまで”☆が存在する可能性”を示しているだけだ。つまり、実際にあるかは確かめないとわからない。

 そして、ベースのフロアは地下1階から地上5階までの計6つ。星は1つのフロアに1つだけが存在するから、当たりのフロアは計3つ。
 だから俺たちは3つの捜索部隊を作り、各フロアを個別に探し始めたわけだが、個人的には不満だな。このやり方。

(なぁ、やっぱこれじゃラチが明かねーよ。もっと部隊を増やそうぜ)

 マサキングが言い返す。

(うちは根本的に人手不足だ。これ以上の部隊を作るなんて無理!)
(けど、状況に応じて作戦を変えることも必要だろ)
(しかしな……)

 遠慮がちな声でオリヴィエが発言する。

(あの。あくまで個人的な意見なんですけど。バーバリアンさんの強さは圧倒的じゃないですか。
 だからバーバリアンさんが単独行動して、キナ臭いところを重点的に探していくってのはどうでしょう?)

 ふむ……。まぁ悪い考えじゃないけど、いくらか問題があるな。

(オリヴィエ、俺を褒めてくれるのは嬉しいけど、さすがに買いかぶり過ぎだ。
 敵は大人数で待ち伏せしてるんだぜ? さっきみたいに奇襲するならともかく、正面から俺1人で攻めるのは無茶だ)
(たとえ相手が100人いたって、バーバリアンさんなら勝てますよ。あのセブンをボコボコにするくらい強いんですから!)
(いやだからさ……)

 マサキングが会話に割りこむ。

(じゃあ、俺とお前でペアになって行動するのはどうだ? 俺だってパワー2億だ、サポートくらいできる)
(本気か?)
(鬼に金棒、虎に翼。強い者が強力な援護を受ければ、どんなピンチも乗り切れるさ)

 ここまで言われてビビるようじゃ、バーバリアンの名がすたるってもんだ。よし!

(わかった、じゃあそれでいこう! やってやるさ! どうせこのままじゃジリ貧だしな、賭けに出ようぜ)

 そうと決まればマサキングと合流だ。中央エレベーターに行こう。
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