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第5章 上流階級の優雅で華麗な日々
第93話 自由と引き換えの安全 Safety at any price
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週明け、パパは俺に言った。
「ボディーガードを手配したから、今後はどこに行くときも連れていきなさい」
俺は「嫌だ!」と厳重に抗議したが、パパの意思はまったく変わらず、結局そうすることになった。
平日昼間、食事を終えて大学構内を歩いている俺は、右横を歩くガード(でかい黒人男性だ)をチラ見してため息をつく。
(はぁ……)
確かにこいつは強い。でも、こんな野暮チンを連れてたら、女の子なんて寄ってこない。
彼が黒人だからとか、そういう人種の問題じゃない。もし白人だったとしても同じことさ、どこの女の子がガード同伴のデートなんて承諾する?
俺の視線に気づき、ガードが話しかけてくる。
「エンタ様、どうされました?」
「いや、別に……」
「ところで、そろそろ次の講義の時間と思いますが……」
「あぁ、あぁ! わかってる!」
ちくしょう、これだよ。あんなくだらない講義はサボりたい、でも、こいつがいる限りそんなん絶理だ。おとなしく全ての講義に出席するしかない。
パパとしちゃ満足だろうさ。”息子の身を守る”という大義名分のもと、こうして監視役をつけ、俺の行動を縛ることに成功したんだから。
どうにかこいつを振り払えないかな? そうすれば、自由になって思う存分に遊びまわれるのに。
忌々しい奴め……。
「あの? エンタ様?」
「ねぇ、お金をあげるから、しばらくどこかで休憩してきなよ」
「お言葉は嬉しく思いますが、私はまだ勤務中で……」
「わかってる、わかってるって。言ってみただけ、今のは忘れて」
「はい」
あー、もう! 全然つまんない!
思うに、安全と自由はトレード・オフの関係なんだ。どちらかを重視するともう片方が軽視される。両取りは出来ない。
だとしたら、俺は自由を選ぶね。多少のリスクを背負ってこそ、生きる楽しみを見いだせるんだ。
監視なんてクソくらえ!
ガードはうざいが安全確保の役に立つ。少なくともその週は、何のトラブルも起きなかった。
困るのはやはり私生活で、いつもガードがついてくる以上、おちおち飲み会にも参加できない。
独りで自由に過ごせるのは自分の部屋だけ。必然、プラネットで暇をつぶすことが多くなる。
今日も今日とてログインだ。グレート・ベースのロビーに我が分身たるゴーエンくんが出現し、挨拶の言葉を述べる。
「おーす、こんちはー」
みんな口々に「おはよう」「こんちは!」などと返してくれる。そういった中、サンドマンがやけに景気よく言う。
「おはよう! ゴーエン!」
素早く奴の様子を見る。なにか企んでいそうな悪い笑顔だ。うむ……。
「なんだよ、お前。笑いキノコでも食ったのか?」
「んなわけあるかよ」
「じゃあなんだ?」
「実はさ。こないだのスエナの件だけど。お前が来るまでみんなと相談してんだよ。
あれだけナメた口を叩いたんだから、その分のお仕置きを追加する必要があるんじゃねぇか、ってね」
「でも、あいつの居場所が分からんことには……」
「安心しろ、もう調べてある。縛鎖湿原だ」
「縛鎖湿原?」
俺の頭に疑問が浮かぶ。
「確か、あそこはPK禁止のダンジョンだろ。なのにどうやってスエナを殺すんだ?」
「ソリッド・シルバーをつぶしたのと同じ方法を使えばいい」
「あれか……」
あれは面倒なんだよな。でも、通常のPK方法じゃ感じられないスリルを味わえるって利点もある。
よし!
「だったら俺も混ぜてくれるよな?」
「もちろん! 早速いこう!」
へへ……面白くなってきやがった。
「ボディーガードを手配したから、今後はどこに行くときも連れていきなさい」
俺は「嫌だ!」と厳重に抗議したが、パパの意思はまったく変わらず、結局そうすることになった。
平日昼間、食事を終えて大学構内を歩いている俺は、右横を歩くガード(でかい黒人男性だ)をチラ見してため息をつく。
(はぁ……)
確かにこいつは強い。でも、こんな野暮チンを連れてたら、女の子なんて寄ってこない。
彼が黒人だからとか、そういう人種の問題じゃない。もし白人だったとしても同じことさ、どこの女の子がガード同伴のデートなんて承諾する?
俺の視線に気づき、ガードが話しかけてくる。
「エンタ様、どうされました?」
「いや、別に……」
「ところで、そろそろ次の講義の時間と思いますが……」
「あぁ、あぁ! わかってる!」
ちくしょう、これだよ。あんなくだらない講義はサボりたい、でも、こいつがいる限りそんなん絶理だ。おとなしく全ての講義に出席するしかない。
パパとしちゃ満足だろうさ。”息子の身を守る”という大義名分のもと、こうして監視役をつけ、俺の行動を縛ることに成功したんだから。
どうにかこいつを振り払えないかな? そうすれば、自由になって思う存分に遊びまわれるのに。
忌々しい奴め……。
「あの? エンタ様?」
「ねぇ、お金をあげるから、しばらくどこかで休憩してきなよ」
「お言葉は嬉しく思いますが、私はまだ勤務中で……」
「わかってる、わかってるって。言ってみただけ、今のは忘れて」
「はい」
あー、もう! 全然つまんない!
思うに、安全と自由はトレード・オフの関係なんだ。どちらかを重視するともう片方が軽視される。両取りは出来ない。
だとしたら、俺は自由を選ぶね。多少のリスクを背負ってこそ、生きる楽しみを見いだせるんだ。
監視なんてクソくらえ!
ガードはうざいが安全確保の役に立つ。少なくともその週は、何のトラブルも起きなかった。
困るのはやはり私生活で、いつもガードがついてくる以上、おちおち飲み会にも参加できない。
独りで自由に過ごせるのは自分の部屋だけ。必然、プラネットで暇をつぶすことが多くなる。
今日も今日とてログインだ。グレート・ベースのロビーに我が分身たるゴーエンくんが出現し、挨拶の言葉を述べる。
「おーす、こんちはー」
みんな口々に「おはよう」「こんちは!」などと返してくれる。そういった中、サンドマンがやけに景気よく言う。
「おはよう! ゴーエン!」
素早く奴の様子を見る。なにか企んでいそうな悪い笑顔だ。うむ……。
「なんだよ、お前。笑いキノコでも食ったのか?」
「んなわけあるかよ」
「じゃあなんだ?」
「実はさ。こないだのスエナの件だけど。お前が来るまでみんなと相談してんだよ。
あれだけナメた口を叩いたんだから、その分のお仕置きを追加する必要があるんじゃねぇか、ってね」
「でも、あいつの居場所が分からんことには……」
「安心しろ、もう調べてある。縛鎖湿原だ」
「縛鎖湿原?」
俺の頭に疑問が浮かぶ。
「確か、あそこはPK禁止のダンジョンだろ。なのにどうやってスエナを殺すんだ?」
「ソリッド・シルバーをつぶしたのと同じ方法を使えばいい」
「あれか……」
あれは面倒なんだよな。でも、通常のPK方法じゃ感じられないスリルを味わえるって利点もある。
よし!
「だったら俺も混ぜてくれるよな?」
「もちろん! 早速いこう!」
へへ……面白くなってきやがった。
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参考文献
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