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第5章 上流階級の優雅で華麗な日々
第94話 縛鎖湿原 Wasteland
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こうして俺とサンドマンは、メセドナを含む計4人のパーティーを結成し、縛鎖湿原へ向かった。
ふつう「湿原」と聞くと、緑の豊かな美しい風景を思い浮かべるだろう。だが、プラネットがそんな綺麗なダンジョンを用意してくれるわけがない。
あそこについて俺が知っているのは、むしろ真逆のイメージだ。
じめじめと湿って陰気臭く、土地はぬかるんでいて、所々にある小池や沼はドブのように腐っている。
出てくるモンスターも気持ち悪い。ナメクジとか、毒蛇とか、そんなのばっかりだ。
こっちがぬかるみにハマって困っている時、モンスターは粘液を吐いて俺たちの動きを封じ、そうやって弱らせてから殺しにかかる。
このように、このダンジョンでは鎖に縛られたように身動きの自由が奪われ、苦戦を強いらてしまう。
もっとも、こういう苦労と引き換えに、PK禁止ダンジョンとしてはかなり効率がいい狩り場となっているのは事実だ。
スエナがこんなダンジョンにいる理由も、きっとそれなんだろう。でなきゃ誰が来るもんか。
ふん……。さっさと奴の首を取って、おさらばしよう。
俺たちは何の問題もなく湿原にたどり着き、武器を手に進んでいく。
あたりを見回すと、曇り空のようなドンヨリした雰囲気が立ちこめていて、俺の気を滅入らせてくれる。参るね……。
「なぁ、サンドマン。このだだっ広い湿原で、どうやってスエナを見つけ出すんだ?」
「目星はついてる、心配すんな」
「ホントかよ……」
「今回の冒険のリーダーは俺だ。その俺が言うんだから、信じろよ。隊長に従うのが隊員の義務だぞ!」
ったく、こいつは……。などど呆れていると、俺の右横にいる仲間(赤いモヒカンの白人男性)がモンスターを発見する。
「おい! カタツムリだ!」
彼が指さす先には、成人男性ほどの大きさのカタツムリが1匹いる。体色が紫のまだら模様ってことは、間違いなくポイズン・スネイル(poison snail)だ。
こいつはポイズンの名前通りに毒液を飛ばして攻撃してくる。そしてこちらが毒状態になった途端、殻にこもって防御に徹し、毒が回って死ぬまでの時間を稼ぐ。
モヒカンに少し遅れるタイミングでサンドマンも気づく。
「あっちにもいるぜ。しかも2匹」
つまり、右手に1匹、左手に2匹のスネイルがいるわけか。全員に緊張が走り、それぞれ銃を構える。
右手のスネイルが俺たちに気づく。「シューッ!」と警戒の声をあげ、それを聞いた左手の2匹が臨戦態勢に入る。
メセドナがつぶやく。
「仲間を呼ばれちゃ面倒だな……」
湿原に棲むモンスターたちは、襲われると仲間を呼んで頭数を増やすことがある。そうなってしまうと厄介で、多勢に無勢、危険極まりない。
対処策はただひとつ。仲間が来る前にせん滅、それだけ! サンドマンが号令する。
「いくぞ! 戦闘開始!」
了解!
ふつう「湿原」と聞くと、緑の豊かな美しい風景を思い浮かべるだろう。だが、プラネットがそんな綺麗なダンジョンを用意してくれるわけがない。
あそこについて俺が知っているのは、むしろ真逆のイメージだ。
じめじめと湿って陰気臭く、土地はぬかるんでいて、所々にある小池や沼はドブのように腐っている。
出てくるモンスターも気持ち悪い。ナメクジとか、毒蛇とか、そんなのばっかりだ。
こっちがぬかるみにハマって困っている時、モンスターは粘液を吐いて俺たちの動きを封じ、そうやって弱らせてから殺しにかかる。
このように、このダンジョンでは鎖に縛られたように身動きの自由が奪われ、苦戦を強いらてしまう。
もっとも、こういう苦労と引き換えに、PK禁止ダンジョンとしてはかなり効率がいい狩り場となっているのは事実だ。
スエナがこんなダンジョンにいる理由も、きっとそれなんだろう。でなきゃ誰が来るもんか。
ふん……。さっさと奴の首を取って、おさらばしよう。
俺たちは何の問題もなく湿原にたどり着き、武器を手に進んでいく。
あたりを見回すと、曇り空のようなドンヨリした雰囲気が立ちこめていて、俺の気を滅入らせてくれる。参るね……。
「なぁ、サンドマン。このだだっ広い湿原で、どうやってスエナを見つけ出すんだ?」
「目星はついてる、心配すんな」
「ホントかよ……」
「今回の冒険のリーダーは俺だ。その俺が言うんだから、信じろよ。隊長に従うのが隊員の義務だぞ!」
ったく、こいつは……。などど呆れていると、俺の右横にいる仲間(赤いモヒカンの白人男性)がモンスターを発見する。
「おい! カタツムリだ!」
彼が指さす先には、成人男性ほどの大きさのカタツムリが1匹いる。体色が紫のまだら模様ってことは、間違いなくポイズン・スネイル(poison snail)だ。
こいつはポイズンの名前通りに毒液を飛ばして攻撃してくる。そしてこちらが毒状態になった途端、殻にこもって防御に徹し、毒が回って死ぬまでの時間を稼ぐ。
モヒカンに少し遅れるタイミングでサンドマンも気づく。
「あっちにもいるぜ。しかも2匹」
つまり、右手に1匹、左手に2匹のスネイルがいるわけか。全員に緊張が走り、それぞれ銃を構える。
右手のスネイルが俺たちに気づく。「シューッ!」と警戒の声をあげ、それを聞いた左手の2匹が臨戦態勢に入る。
メセドナがつぶやく。
「仲間を呼ばれちゃ面倒だな……」
湿原に棲むモンスターたちは、襲われると仲間を呼んで頭数を増やすことがある。そうなってしまうと厄介で、多勢に無勢、危険極まりない。
対処策はただひとつ。仲間が来る前にせん滅、それだけ! サンドマンが号令する。
「いくぞ! 戦闘開始!」
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