145 / 227
第9章 この社会を革命するために 前編
第142話 平和的解決策 Agent's suggestion
しおりを挟む
重い空気が場に漂う。それを嫌ってのことだろうか、ガーベラの近くにいるワンダラー、レッド・マスクが軽い調子で喋り出した。
「いやぁ~、困ったっすね。これじゃあ手に負えないっすよ。そういやシルバーさんは嫌がらせされてないんすか?」
「まぁそれについてなんだが……」
俺の記憶が正しければ、確かメール・ボックスにあれが入っていたはず。検索……やはりあるな。俺はそいつをこの場の全員に転送し、言った。
「みんな、こいつをちょっと読んで欲しい。つまり……」
喋りながら俺はくだんのメールを右手に実体化して言う。
「見ての通り、これはゴーエンから送られてきたものだ。どうせ文面はあいつら3人で仲良く作ったんだろうが、それは横に置いておくとしてだ。読み上げるぞ。
”たかがパワー1億のザコが俺たちを殺すなど、絶対にやっていいことじゃねぇ!
その罪を償え! 自殺して詫びろ! 身の程を思い知るまでひたすら攻撃してやる!”
つまりそういうことなんだ。連中にとって悪者はあくまで俺たちで、おとなしく殺されなかったことは罪、返り討ちにいたっては死刑に値する重罪なんだ」
ガーベラがブチギレる。
「はぁ!? わけわかんない! あいつら頭どうかしてんじゃないの!?」
「正直そう思うよ、俺も」
「ドレ、いったいどうしたらいいの!? あたしはこんなん絶対認めないよ!」
「私だって同感だ!」
パティが「落ち着いてください、ちょっと!」と言う、だがテルが「これじゃあ怒るなってほうが無理ですよ!」と鬼の形相で返す。
テルの横の女性が円卓をバンッと叩いて叫んだ。
「もう戦争しましょうよ! クラン同士の戦争! こんなふざけた奴らはぶっ潰したほうがいい!」
俺はこの意見に賛同しようと口を開く。だが何か言う前にレッド・マスクによってさえぎられてしまう。
「まぁまぁまぁまぁ、みなさん落ち着いて! 落ち着いてください!
戦争するほどのことじゃないっすよ! それに、金持ちケンカせずって言葉もあるじゃないすか?
平和が一番ですよ。俺があっちにかけあってみますから、とにかく穏やかな気持ちになって……」
ドレが鋭く突っこみを入れた。
「だがな、レッド・マスク。言っちゃ悪いが君1人じゃどうにもならんだろう」
「手厳しいっすねぇ~。でもそこを何とか信用してもらえませんか? だって俺、話し合いするの得意なんすよ」
「そう言われてもな……」
「俺の友達の知り合いがレイザーズにいるんすよ。そいつに頼んでみますから……」
「そんな小さなコネ、どれほどアテにできるんだ?」
「ドレさん、物事はとっかかりさえあれば解決できるものっすよ。スモール・ステップス・メソッドって話があるじゃないすか。
ぱっと見はすげぇ大変なことでも、階段を一段ずつ登るように一つ一つ解決していけば、いつかゴールにたどり着く。
たとえば、10万字の小説を書こうと思ってもいきなりは無理です。でも1日に1000字のペースで書いていけば、100日後に完成する。
話し合いも同じです。最初はうまくいかなくても、粘り強く交渉すればきっと平和に解決できます!」
「言いたいことは分かるが……」
「頼みます、この件は俺に任してください! 必ず何とかしてみせます!」
どうしてこいつはこんなに自信があるんだ? レイザーズとのコネはそんなに強いものなのか?
マスクの家族がレイザーズの幹部をやってるとか、それくらい特別なコネなら確かに話し合いで片づくかもしれん。だがそんなおとぎ話があるわけないだろう。
俺は疑いの眼差しをマスクに向ける。彼はそれに気づき、ニコニコ顔で返す。そして言った。
「不安に思うのは分かりますけど、マジ俺頑張りますから、努力しますから! どうかよろしくお願いします!」
ふぅ、しょうがない……。そこまで言うなら、じゃあダメで元々で任せてみようか?
「わかった。なら、俺はあんたに懸けてみるよ」
「ありがとうございます!」
「で……。みんなはどう思う?」
一同口々に賛意を示す。よって、この件はいったんレッド・マスクの預かりとなった。うまくいけばいいがな……。さて、どうなる?
「いやぁ~、困ったっすね。これじゃあ手に負えないっすよ。そういやシルバーさんは嫌がらせされてないんすか?」
「まぁそれについてなんだが……」
俺の記憶が正しければ、確かメール・ボックスにあれが入っていたはず。検索……やはりあるな。俺はそいつをこの場の全員に転送し、言った。
「みんな、こいつをちょっと読んで欲しい。つまり……」
喋りながら俺はくだんのメールを右手に実体化して言う。
「見ての通り、これはゴーエンから送られてきたものだ。どうせ文面はあいつら3人で仲良く作ったんだろうが、それは横に置いておくとしてだ。読み上げるぞ。
”たかがパワー1億のザコが俺たちを殺すなど、絶対にやっていいことじゃねぇ!
その罪を償え! 自殺して詫びろ! 身の程を思い知るまでひたすら攻撃してやる!”
つまりそういうことなんだ。連中にとって悪者はあくまで俺たちで、おとなしく殺されなかったことは罪、返り討ちにいたっては死刑に値する重罪なんだ」
ガーベラがブチギレる。
「はぁ!? わけわかんない! あいつら頭どうかしてんじゃないの!?」
「正直そう思うよ、俺も」
「ドレ、いったいどうしたらいいの!? あたしはこんなん絶対認めないよ!」
「私だって同感だ!」
パティが「落ち着いてください、ちょっと!」と言う、だがテルが「これじゃあ怒るなってほうが無理ですよ!」と鬼の形相で返す。
テルの横の女性が円卓をバンッと叩いて叫んだ。
「もう戦争しましょうよ! クラン同士の戦争! こんなふざけた奴らはぶっ潰したほうがいい!」
俺はこの意見に賛同しようと口を開く。だが何か言う前にレッド・マスクによってさえぎられてしまう。
「まぁまぁまぁまぁ、みなさん落ち着いて! 落ち着いてください!
戦争するほどのことじゃないっすよ! それに、金持ちケンカせずって言葉もあるじゃないすか?
平和が一番ですよ。俺があっちにかけあってみますから、とにかく穏やかな気持ちになって……」
ドレが鋭く突っこみを入れた。
「だがな、レッド・マスク。言っちゃ悪いが君1人じゃどうにもならんだろう」
「手厳しいっすねぇ~。でもそこを何とか信用してもらえませんか? だって俺、話し合いするの得意なんすよ」
「そう言われてもな……」
「俺の友達の知り合いがレイザーズにいるんすよ。そいつに頼んでみますから……」
「そんな小さなコネ、どれほどアテにできるんだ?」
「ドレさん、物事はとっかかりさえあれば解決できるものっすよ。スモール・ステップス・メソッドって話があるじゃないすか。
ぱっと見はすげぇ大変なことでも、階段を一段ずつ登るように一つ一つ解決していけば、いつかゴールにたどり着く。
たとえば、10万字の小説を書こうと思ってもいきなりは無理です。でも1日に1000字のペースで書いていけば、100日後に完成する。
話し合いも同じです。最初はうまくいかなくても、粘り強く交渉すればきっと平和に解決できます!」
「言いたいことは分かるが……」
「頼みます、この件は俺に任してください! 必ず何とかしてみせます!」
どうしてこいつはこんなに自信があるんだ? レイザーズとのコネはそんなに強いものなのか?
マスクの家族がレイザーズの幹部をやってるとか、それくらい特別なコネなら確かに話し合いで片づくかもしれん。だがそんなおとぎ話があるわけないだろう。
俺は疑いの眼差しをマスクに向ける。彼はそれに気づき、ニコニコ顔で返す。そして言った。
「不安に思うのは分かりますけど、マジ俺頑張りますから、努力しますから! どうかよろしくお願いします!」
ふぅ、しょうがない……。そこまで言うなら、じゃあダメで元々で任せてみようか?
「わかった。なら、俺はあんたに懸けてみるよ」
「ありがとうございます!」
「で……。みんなはどう思う?」
一同口々に賛意を示す。よって、この件はいったんレッド・マスクの預かりとなった。うまくいけばいいがな……。さて、どうなる?
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
アガルタ・クライシス ―接点―
来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。
九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。
同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。
不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。
古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
EX級アーティファクト化した介護用ガイノイドと行く未来異星世界遺跡探索~君と添い遂げるために~
青空顎門
SF
病で余命宣告を受けた主人公。彼は介護用に購入した最愛のガイノイド(女性型アンドロイド)の腕の中で息絶えた……はずだったが、気づくと彼女と共に見知らぬ場所にいた。そこは遥か未来――時空間転移技術が暴走して崩壊した後の時代、宇宙の遥か彼方の辺境惑星だった。男はファンタジーの如く高度な技術の名残が散見される世界で、今度こそ彼女と添い遂げるために未来の超文明の遺跡を巡っていく。
※小説家になろう様、カクヨム様、ノベルアップ+様、ノベルバ様にも掲載しております。
毒素擬人化小説『ウミヘビのスープ』 〜十の賢者と百の猛毒が、寄生菌バイオハザード鎮圧を目指すSFファンタジー〜
天海二色
SF
西暦2320年、世界は寄生菌『珊瑚』がもたらす不治の病、『珊瑚症』に蝕まれていた。
珊瑚症に罹患した者はステージの進行と共に異形となり凶暴化し、生物災害【バイオハザード】を各地で引き起こす。
その珊瑚症の感染者が引き起こす生物災害を鎮める切り札は、毒素を宿す有毒人種《ウミヘビ》。
彼らは一人につき一つの毒素を持つ。
医師モーズは、その《ウミヘビ》を管理する研究所に奇縁によって入所する事となった。
彼はそこで《ウミヘビ》の手を借り、生物災害鎮圧及び珊瑚症の治療薬を探究することになる。
これはモーズが、治療薬『テリアカ』を作るまでの物語である。
……そして個性豊か過ぎるウミヘビと、同僚となる癖の強いクスシに振り回される物語でもある。
※《ウミヘビ》は毒劇や危険物、元素を擬人化した男子になります
※研究所に所属している職員《クスシヘビ》は全員モデルとなる化学者がいます
※この小説は国家資格である『毒物劇物取扱責任者』を覚える為に考えた話なので、日本の法律や規約を世界観に採用していたりします。
参考文献
松井奈美子 一発合格! 毒物劇物取扱者試験テキスト&問題集
船山信次 史上最強カラー図解 毒の科学 毒と人間のかかわり
齋藤勝裕 毒の科学 身近にある毒から人間がつくりだした化学物質まで
鈴木勉 毒と薬 (大人のための図鑑)
特別展「毒」 公式図録
くられ、姫川たけお 毒物ずかん: キュートであぶない毒キャラの世界へ
ジェームス・M・ラッセル著 森 寛敏監修 118元素全百科
その他広辞苑、Wikipediaなど
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる