仁義なきウノ! -Don't mess with me-

夏野かろ

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序章 ウノの公式ルール

では、説明しよう!

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(作者より:ルール説明をする話なので、勝負要素とかはないです。ルールの要約だけ知りたい人は、次の話を読んでください)



 会長はホワイト・ボードに色々と書きながら説明していく。

「まず、カードを一気に捨てるのは無し」

 俺が質問する。

「たとえば、”青の2”と”赤の2”を同時に捨てるとか、そういうのは駄目ってことですか?」
「その通り。公式ルールでは、自分の番に捨てられるのは常に1枚のみ」
「了解です」

 会長がボードに書く。《自分の番に捨てられるのは常に1枚のみ》
 彼女はさらに説明する。

「次。ドロー2をドロー2で返すとか、それも無し。ドロー2……えぇい、ドロ2って省略するけど、とにかく、いわゆるドロ2返し、ドロ4返しは無し!」

 麻里先輩が不満そうに言う。

「それじゃ、ドロ2される人は防御できないじゃない」
「でも、それが公式ルール。違う見方をしなさいよ、麻里。これは、ドロ2する側は相手を攻撃できるってことよ? どんな時でも2枚引かせて、上がりを妨害できる」
「へぇ……それはちょっといいかもね……」

 麻里先輩がニコリと微笑わらう。うわっ、だからこの人は……。
 会長はさっきボードに書いた文の下に書く。《ドロ2返し、ドロ4返しは無し》
 そうしてから、彼女は話を続ける。

「三つ目。これ、とっても重要な点だからよく覚えてね。ワイルド・ドロー4は、使える」

 ゲンキが目を白黒させながら質問する。「姉さん、どういうこと?」

「日本だと、どんな時でもワイルド・ドロー4が出せるってルールが一般的でしょ。でも、公式ルールでは違うの。そうね、具体的に説明しましょうか……」

 会長はボードに四角やら文字やらを書きながら喋る。

「たとえば、場の札が”青の3”だとするでしょ。その時は、自分の手札に”青のカード”や"赤の3"、こういったカードが無い時にだけワイルド・ドロー4を出せる」
 
 ゲンキの質問。

「もしルール違反、今の例なら、手札に”青の7”のカードがあるのにワイルド・ドロー4を出したら?」
「その場合は、ちょっとややこしいかな。まず、それがバレなきゃOK。何のペナルティもない。けど、それじゃあワイルド……えぇい、ドロ4と呼ぶけど、ドロ4を出す人が一方的に得でしょ?」
「うん」
「だからドロ4をくらう人は、疑わしいと思ったら”チャレンジ”を行える」
「チャレンジ?」
「相手への挑戦、すわなち、チャレンジってこと。ドロ4をくらう人は、「これはルール違反だな」、そう思ったら、相手にチャレンジを宣言できる」
「そうするとどうなるの?」
「相手の手札を見て、もしルール違反をしたと分かればチャレンジ成功。ドロ4をくらうことなく、逆に相手がペナルティで4枚引かされる」
「相手がルール通りに使っていた場合は?」
「その場合はチャレンジ失敗。ドロ4をくらう人は、本来引く4枚に加えて、ペナルティとして余分に2枚、合計6枚を引くことになる」
「うーん……。なんか難しくない?」
「そりゃまぁ、最初は慣れないよ。大丈夫、やっていけば何となくわかるから」

 会長はボードに以下の事項を書き加える。

《ワイルド・ドロー4は、場に出せるカードを持ってない時に限って使える》
《ドロー4をくらう人は、疑わしいと思ったら”チャレンジ”を行える》
《チャレンジに成功したら、ドロー4をくらわずに済む。かわりに、ドロー4を出した人がペナルティで4枚引かされる》
《チャレンジに失敗したら、ドロー4本来の効果で引く4枚に加えて、ペナルティの2枚、合計6枚を引くことになる》

 その時、俺は思った。(たぶん、これが今回の勝負の肝……)。
 ウノを遊んだことある人は知ってると思うけど、ドロ4はめちゃめちゃ強力だ。そして日本のルールでは、しばしばドロ4が連発される。しかし今回は違う。今回はこの《チャレンジ》ルールのおかげで、そう簡単にはドロ4が出せなくなる。
 とはいえ、相手が上がりそうな時は、無理してでもドロ4で妨害する必要があるだろう。そのへんの駆け引きをどうやって制するか、おそらくそこが……勝者と敗者の分かれ目になる。
 俺がそんなことを考えているうちにも会長の説明が続いていく。

「最後。点数計算について」

 香が質問する。「点数のつけ方なんてあるんですか?」

「焦らずに聞きなさい。まず、数字の札は数字通りの点数。”緑の8”なら8点、”黄色の5”なら5点。次、記号の札。たとえば、スキップやドロ2、こういうのはみんな、1枚につき20点。ただし、ワイルド・カードとワイルド・ドロー4は50点」
「はい」
「誰かが上がった時点でその勝負、ラウンドっていうけど、そのラウンドは終了。全員の手札の点数を数えて、その合計を、上がった人の点数に加算する。たとえば、あたしが上がった時にみんなの合計が200点だったら、それがあたしの点数になる。あたしは200点を獲得する」
「はぁ……」
「最初に決めた点数になるまでラウンドを続けて、誰かがその点数になったらゲーム終了。そして、これがお待ちかね、罰ゲームの条件でーす!」

 。その言葉を耳にしたみんな(もちろん俺も含む)の顔に緊張が走る。

「今回は、誰かが500点になった時点でゲーム終了。その時点で最下位だった人が、みんなにお菓子をおごることにします!」

 出た、英語研究会の伝統ある罰ゲーム、お菓子おごり。これだけは何としてでも回避しなくては。貴重なお小遣い、死守あるのみ!

 長々と喋ったからだろうか、その時、会長は少し疲れた感じだった。しかし、それでも彼女は元気よく喋った。

「ルールの説明もできたことだし。じゃあ、そろそろ始めましょうか?」

 彼女はウノの箱を手にする。それを開け、ゲームの準備を始める。



 お菓子をおごる人間になるか、それとも、お菓子をおごられる人間になるか?
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