受験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の成果を見せつける-

haruhi8128

文字の大きさ
193 / 328
教師2年目

見解の相違

しおりを挟む
「思ってた聖女と違いました……」
「流石に聖王国も聖女のありのままを国外に伝えるのはまずいと思ってるんだろうな。俺とアンも会うまで知らなかったし。『誰にでも分け隔てなく接する聖女』ってとこだろ?」
「そう聞いています」
「その情報自体には何の間違いはないからな。馬鹿すぎて貴族にも普通に話しかけるし」

ヨルは混乱しているようだが、本物を見れば逆に落ち着くだろう。
ミリアリアの適当っぷりは想像を超える。
聖王国の貴族はあまり身分に厳しくないのでミリアリアは生きられている。

「聖女という称号が能力だけで決まるというダメな側面だな。馬鹿なだけで悪いやつじゃないのが救いだが」
「王国の賢者様みたいなものですね」
「あぁ、そうだな……。あの爺さんもなぁ……」

称号と中身の乖離が激しい例だ。

「ま、そんなわけで聖女が裏にいるっていうのは考えられないんだ。いや、いるにはいるんだろうが、どうせ利用されているだけだ」
「凄い理論ですね……」
「それが通じるくらいには馬鹿なんだよ」
「でも、それでアンさんと仲が悪いのは?」
「あー。まぁ、自分で言うのもなんだけど。ミリアリアは別に俺のことを好きじゃない。だけど、自分の思い通りにならないからと体の関係を迫ったわけだな? で、断ったけど俺が聖王国にいる間はアプローチが続いたわけだ」

ライヤにアプローチするということは、隣にいるアンの目にも入る。

「それが気に入らなかったというか……」
「だっておかしいでしょ!? 好きでもない人に体で迫るなんて……!」
「……? ちょっと解釈が違ったみたいなんですけど。アンさんは聖女様がライヤさんに迫ったのが嫌だったわけですよね?」
「違うわよ。いや、そうかもしれないけれど。少なくとも当時は私はそういう認識をしていないわ。ミリアリアの考え方が嫌いなの」
「あぁ、そういう……」

ヨルは自分が助けられた時のことを思い出す。
あの時もアンは自分のこと以上に怒ってくれていた。
女性の尊厳という考え方が強いのだろう。

「でも! 本人が楽しんでいる以上! 止めるのも違うでしょ!? 否定すべきなのは私のライヤに手を出そうとしたことだけ! だから嫌い!」
「要するに、ミリアリアのやり方は嫌いだけど、ミリアリアが嫌々やっていることじゃない以上、止める必要じゃないだろ? でも、アンは納得がいかない。で、嫌いという結論に至ったんだが。嫌いというよりは意地になってるだけだと俺は思ってる」
「違うわ!」

顔を横に向け腕を組み、プンプンと怒っているその様子はまるで子供。
肩をすくめるライヤとの対比で一層そう見える。

「まぁとにかく。ミリアリアとの関係って言ってもその程度なもんだ。互いに話もロクにしていない。だから関係と言えば、顔を合わせたことがあるってくらいだ。あの馬鹿が俺のことをまだ覚えていたことに驚いたくらいだ」
「はえー」

変な相槌を打つヨル。

「つまり、ライヤさんに現地妻がいるって話ですね?」
「今までの何を聞いていた!?」
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。 敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。 この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。 「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」 無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。 正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

処理中です...