戦力より戦略。

haruhi8128

文字の大きさ
101 / 566
魔界迷走

温泉はいいぞ!

しおりを挟む
ヘスティアさんの多大なる尽力によりスピードアップした俺たちは遂に目的を達成しようとしていた。
「でー、なんでこれやってるんだっけー?」
リオンがそう聞いてきたのは掘り始めて4日が経ったころだった。
正直、もっと早く疑問に思わねーのかよとか今さら聞いてどうするんだよとかこんなのが次期魔王でいいのかとか色々思うところはあるものの、手伝ってもらっている俺としては説明してなかった俺が悪いのでそれらは封印する。

掘ってるんだ」
「温泉?」
そう、温泉。地中から湧き出てくるお湯を風呂として活用するもの。その効能はお湯の成分によって様々ではあるが、大抵は身体に良い影響を及ぼす。
俺が地面を見ていたのは温泉が湧いている場所をスルー・アイで見つけるためである。さすがにぴったりは見つけられなくて多少の軌道修正はあったものの、一応たどり着けそうだ。
「へー。でもそれってお風呂じゃダメなのー?」
「温泉じゃなきゃダメだ!」
温泉にはただ汚れを洗い流すというよりリラックスできるという点が重要だと思う。俺は生前、ってか生きてるけど要するに地球に生きてた時はある温泉で有名な場所に住んでいた。もちろん、家に風呂はあったのだが、俺は足繁く温泉に通っていた。やはり大きなお風呂というのはのびのびとできるし、色々な形態のお風呂もいい。大きな湯船に一人で浸かっている時の解放感は格別である。

「んーと、それならパパにも認めてもらえるんだねー?」
「あぁ、その可能性が高いと思ってるよ」
奥の手もあるしな。
ちなみに魔王は床から起き上がると同時に降ってきた土砂に押し潰されて今は土の中で生活している。下手に出てくるよりも甘んじて受け入れていたほうがヘスティアさんに何もされないんじゃないかと判断したようだ。ちなみに多少食わなくても大丈夫とのこと。
魔王が復活してくるタイミングを見計らってあれを仕掛けていたとは…。ヘスティアさん、恐ろしいひと

俺の見立てによるともうそろそろなんだが…。
「あ、ねぇ弟君!土が柔らかくなってきたよー!」
今まで硬い岩盤を掘り進めていたため、違いがすぐにわかったらしい。硬すぎて俺は掘れず、全く役にたっていなかったが。
「よし、一旦中断だ。先に上をやってしまおう」
温泉といってもただ湧き出してるだけでは入れない。しっかりと浴槽を整備して、お湯を外に出す仕組みを作らなければいけない。

「さて、とりあえず浴槽だが…」
どうせなら広くでしょ!!
リオンに隣の家の人に話を脅してとおしてもらって土地を譲り受け、大体の大きさを決める。ステッド・ファストで大きさ分の周囲の土を固定し、リオンに掘ってもらう。そのあとステッド・ファストを解除して周りに石を敷き詰めていく。
「本来なら床とかも石を敷き詰めたほうがいいんだろうけどな…」
ランガルじゃあるまいし、そんな石材はない。城壁にならって大きな石を並べてその隙間に小さな石を並べていく。

「これ楽しいねー!」
ほんとにリオンがこういうことを楽しいと思える奴で良かった。更に言えば力を持て余してるだけの奴じゃなくて良かった。
石を並べてる途中で「こんなので大丈夫なのー?」って聞いてきたから「なにが?」って聞き返したら片手で石を握りつぶして「脆くないー?」って言われた時には戦慄したからな…。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~

伽羅
ファンタジー
 物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...