戦力より戦略。

haruhi8128

文字の大きさ
142 / 566
杖の真価

報告はこまめにしましょう

しおりを挟む
ボスである骸骨の攻略にかかってから体感早1時間半。
全くもって倒せる気がしない。
いやー、本当の戦いってしんどいな。
ゲームなら本人の体力は考慮しないにしてもこっちの攻撃で入ってるダメージ量は把握できることが多い。
相手のHPがわからないからいつ倒せるかの目安にはならないが、それでも削れている実感があるからモチベーションにはなるだろう。

しかし、戦ってる本人はそんなの見えるわけもないし、もう足が動かなくなってきている。

「どうしたのじゃ、主? この程度で音をあげるとはなさけないぞ!」
「体力が無尽蔵なやつと比べないでいただけますか!? ってかまずお前は体力とかいう概念あるわけ?」
「む? ないぞ!」
「そりゃ大丈夫だろうな!」

なんと横暴な。


「で、お前の眼から見てどうだ? 俺もう限界が近いんだが」

むしろここまでもったのを褒めてほしい。

「うむ、わしとしてはかなり削れてきてるのではないかと思うぞ。なにしろこれだけの時間がたっている。最初に入れた弱体化の魔法もかなり効いておるじゃろう」

……ん?


「何の話だ?」
「む? 言っておらんかったか? お主が偵察から一気にやってしまおうかと方針を変えた時にならばと思って弱体化の魔法を撃っておいたのじゃ。あれは時間がたてばたつほど効くやつじゃからのぅ」
「聞いてないんだが?」
「では、今言った」


「痛い痛い! やめろ、やめるのじゃ!」

腹を立てた俺はオーシリアの耳を引っ張りながら逃亡を続ける。

「で、他に隠していることは?」
「な、なにもないのじゃ! だから離すのじゃ!」
「いやー、でも隠し事してたのは事実ですし?」
「主も聞かなかったじゃろうが!」
「普通聞かねーよそんなこと」


俺の手を逃れたオーシリアは恨みがまし気にこちらを見る。

「で、いつからそれは使えたんだ?」

ダンジョンに入る前には使えなかったぞそんなの。

「……この姿になってからじゃ。いつの間にかできるようになっていての。折角じゃからと使っておいたのじゃ」


結果的には正解なものの持ち主の意見を聞かずに勝手に魔法を撃つ杖。ありえん。

「今後、俺の身を守る以外での勝手な魔法の使用は禁じる。あと、新しい魔法とか使えるようになったらすぐ言うように」
「わ、わかったのじゃ。わかったからその手をやめい」

いつでも耳を引っ張れるように手をわきわきさせてた俺を見てすぐに頷くオーシリア。
自分の使える魔法とかいちいちチェックしたりしないからな。家に帰ったらするようにはしていたが、この
頃家に帰ってないし。


「で、その魔法はどういう効果だ?」
「えっとじゃな。魔法名はアグ・ラグ。効果発動から24時間で相手の全パラメータを最大時の3割まで徐々に下げる。その後、また24時間かけて徐々に戻るらしいのぅ」

かなり強くね? 放っておけば放っておくほどいいってことか?

「この部屋から出たらリセットされるか?」
「されるじゃろうな。一度退却したと判断されるじゃろう」

ってことはいかにこの部屋で生き残るかが大事なわけか……。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...