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幻想級迎撃
火事場の馬鹿力は本来の力です
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「はい、ということで再登場の俺です」
「「「「?」」」」
どういうことだよって顔してるな。
もういいや、説明は。
「とりあえず、ルーリアから頼まれたので今から鬼ごっこをやる。で、まずは4人1組になってくれ。気心知れてる奴と組んでもらって構わない」
俺がそう言うと、とりあえず言うとおりにしようと思ったのかバラバラと塊ができる。
なにせ俺の後ろにはルーリアが鎮座しているからな。
俺の言葉が嘘であることはないし、姫の前でダラダラするわけにもいかない。
「はい、じゃあそこから1人ずつ分かれてそれぞれ別のグループの奴と組んでくれ」
分かれ終わったところでもう1度指示を出し、グループを作らせる。
「あの、なぜでしょう……?」
気弱な回復役よりの女性がもっともな疑問を口にする。
意図がわかったのはキラ、レイン、ルーリアとごく一部の兵だけだからな。
「戦場では、気心知れたやつと連携が取れるとは限らないからだ。例えば、あんたの組んでいた4人組は回復役つながりの4人だっただろ?」
「どうしてそれを……」
「資料には目を通したからな。顔と能力くらいは一致する」
名前は覚えなかったが。
「リブレさんって時々凄いですよね」
「……すごいね」
「じゃな。変なところで才能を発揮するものよの」
はい、そこ静かに!
「逆に聞くが、回復役が4人で行動していてメリットはあるのか?」
「え? それは……。重傷者を助けられたり……」
「重傷者を出しているだけでダメだ。回復役に求められるのは、重傷者を出さないことだ。軽傷で済んでいれば、もしもの場合も撤退できる。それに、あんたたちのパーティーが襲われたらどう対処するんだ?」
黙り込む冒険者のお姉さん。
「別に責めているわけではないんだけど、もうちょっと危機感を持ってくれ。相手は、キラと張った俺だぞ? 適当なことしてると単純に怪我するからな」
もちろんそんなことはしないのだが、訓練だと気を抜いている節があったので強めに言っておく。
「本番では練習で出来ていないことは出来ないからな? 火事場の馬鹿力って言葉があるが、あれはいつも以上の力を出しているわけではなくて、普段から出来る可能性のあることが発揮されているに過ぎないと俺は思う。つまり、火事場の馬鹿力は本来ならいつでも出せる力なんだ。潜在的なだけで。それがいつでも出るようになったら、もちろんだが基礎能力が跳ね上がる。更に伸びしろが出てくる。そこ以上を目指すという指標が出来るんだから」
これは俺が最近思っていたことだ。
魔界からこっち、一瞬の集中か、集中力の持続を要する事態を多く経験して、それが定期的に訪れるため、体が「頑張り方」を覚えたようなのだ。
普段のぐだぐだしている俺には到底出来ないが、1度スイッチが入ればある程度は役に立つ動きができるようになった。
これは、俺の体の容量を体自身が覚えたからだろう。
これを一段超えるためにはどうすればいいかは模索中であり、とりあえずは筋肉だけでもつけておこうと地道に筋トレとかもしている。
ただ家で怠けているだけではないのだ。
「話が逸れたが、分ける理由としてはそんなもんだ。納得してくれたか?」
「は、はい。ありがとうございました……」
「今後も逐一メンバーを変えていくから、お互いの得意な事とか知ってた方がいいと思うぞ。俺みたいに資料に目を通してもいいし、1番は話してみることだな」
俺は怖くて出来なかったけど。
「なんかリブレさんが可哀想になってきました……」
おい、レイン!
俺の思考を勝手に読んだ上に哀れむなよ!
みじめになるだろ!
「「「「?」」」」
どういうことだよって顔してるな。
もういいや、説明は。
「とりあえず、ルーリアから頼まれたので今から鬼ごっこをやる。で、まずは4人1組になってくれ。気心知れてる奴と組んでもらって構わない」
俺がそう言うと、とりあえず言うとおりにしようと思ったのかバラバラと塊ができる。
なにせ俺の後ろにはルーリアが鎮座しているからな。
俺の言葉が嘘であることはないし、姫の前でダラダラするわけにもいかない。
「はい、じゃあそこから1人ずつ分かれてそれぞれ別のグループの奴と組んでくれ」
分かれ終わったところでもう1度指示を出し、グループを作らせる。
「あの、なぜでしょう……?」
気弱な回復役よりの女性がもっともな疑問を口にする。
意図がわかったのはキラ、レイン、ルーリアとごく一部の兵だけだからな。
「戦場では、気心知れたやつと連携が取れるとは限らないからだ。例えば、あんたの組んでいた4人組は回復役つながりの4人だっただろ?」
「どうしてそれを……」
「資料には目を通したからな。顔と能力くらいは一致する」
名前は覚えなかったが。
「リブレさんって時々凄いですよね」
「……すごいね」
「じゃな。変なところで才能を発揮するものよの」
はい、そこ静かに!
「逆に聞くが、回復役が4人で行動していてメリットはあるのか?」
「え? それは……。重傷者を助けられたり……」
「重傷者を出しているだけでダメだ。回復役に求められるのは、重傷者を出さないことだ。軽傷で済んでいれば、もしもの場合も撤退できる。それに、あんたたちのパーティーが襲われたらどう対処するんだ?」
黙り込む冒険者のお姉さん。
「別に責めているわけではないんだけど、もうちょっと危機感を持ってくれ。相手は、キラと張った俺だぞ? 適当なことしてると単純に怪我するからな」
もちろんそんなことはしないのだが、訓練だと気を抜いている節があったので強めに言っておく。
「本番では練習で出来ていないことは出来ないからな? 火事場の馬鹿力って言葉があるが、あれはいつも以上の力を出しているわけではなくて、普段から出来る可能性のあることが発揮されているに過ぎないと俺は思う。つまり、火事場の馬鹿力は本来ならいつでも出せる力なんだ。潜在的なだけで。それがいつでも出るようになったら、もちろんだが基礎能力が跳ね上がる。更に伸びしろが出てくる。そこ以上を目指すという指標が出来るんだから」
これは俺が最近思っていたことだ。
魔界からこっち、一瞬の集中か、集中力の持続を要する事態を多く経験して、それが定期的に訪れるため、体が「頑張り方」を覚えたようなのだ。
普段のぐだぐだしている俺には到底出来ないが、1度スイッチが入ればある程度は役に立つ動きができるようになった。
これは、俺の体の容量を体自身が覚えたからだろう。
これを一段超えるためにはどうすればいいかは模索中であり、とりあえずは筋肉だけでもつけておこうと地道に筋トレとかもしている。
ただ家で怠けているだけではないのだ。
「話が逸れたが、分ける理由としてはそんなもんだ。納得してくれたか?」
「は、はい。ありがとうございました……」
「今後も逐一メンバーを変えていくから、お互いの得意な事とか知ってた方がいいと思うぞ。俺みたいに資料に目を通してもいいし、1番は話してみることだな」
俺は怖くて出来なかったけど。
「なんかリブレさんが可哀想になってきました……」
おい、レイン!
俺の思考を勝手に読んだ上に哀れむなよ!
みじめになるだろ!
応援ありがとうございます!
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