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幻想級迎撃
降伏には心を折ることです
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「うん、じゃあ、始め!」
「おりゃあぁぁ!」
攻撃を仕掛ける時に「おりゃああぁ」っていう人初めて俺以外に見たかもしれん。
俺は一種の気合い入れみたいな感じで言ってる時あるけど、傍から見ると中々に間抜けだな。
自重しよう。
少年の土を拳にまとわせた一撃をエルメは易々と避ける。
あれ?
今のにカウンター1発入れて終わりかと思ってたんだけど……。
「うわぁ……」
横でレインが引いたように呟く。
「どうした?」
「いえ、あの感じは見たことがありまして……」
そうか、エルメとレインで旅してた時期か。
「どこで見たんだ?」
「えっと、酒場で絡まれたときでしょうか。ほら、女2人旅でしたし」
「いや、それよりレインを酒場に連れて行ってるとこだろ」
当時12歳だろ。
「いえ、流石にお酒は飲んでいませんでしたよ。飲みたそうではありましたけど」
「それセーフか?」
連れて行ってる時点でどうかな。
いや、この前酒盛り現場に一緒に行った未成年が言ってもなんの説得力もないけど。
「その時はどうなったんだ?」
現在の試合状況を見て薄々察しがつきながらも一応聞いておく。
「一回も相手の攻撃を受けずに、完封しきって勝ちました」
「何人相手に?」
「途中から来た増援も含めると20名くらいでしょうか」
「レインは手を出してないんだな?」
「僕は後ろでジュース飲んでただけです」
「それもそれでどうかと思うが」
この会話の間にも戦況は1つも変わっていない。
少年が攻撃を続け、エルメは避け続けている。
というか、もう少年はMPが切れてきてるんじゃないか?
もう勢いがない。
「避け続けているだけじゃないですか! 少しは攻めてきたらどうですか!?」
「その必要がないのよ」
「そんなこと言って! ビビってるだけじゃないですか!? ぜぇ」
息切れしてるし。
「そういうこと言う人には腐るほど会ってきたけど、何度でも言うわ。攻撃を当ててから言いなさい」
自分には当たらないという自信にあふれている。
めちゃくちゃかっけぇ。
俺も言ってみたい。
「はぁ……、はぁ……」
とうとう力尽きて膝をついてしまった。
もはや勝負ありだが、今回の勝敗は相手の降伏が条件となる。
あぁ、そうか。
相手の降伏を促すとなると、心を折る作業がいるのか。
「勝負ありね。今負けを認めるなら、何も怪我せずに済むわよ」
少年を見下ろし、エルメが力強く言う。
「誰が……!」
「えぇ、そう言ってくれると思っていたわ」
確かにエルメには本当に投降を促すような感情は視えなかった。
「こちらから何も手だしできないんじゃ、何も楽しくないもの」
こいつもどちらかと言えば戦闘狂な部類だからな。
このままでは不完全燃焼ということか。
エルメが攻めに出ると決めた途端、今までいた場所と少し違う場所にエルメの本当の体が現れる。
「は?」
少年は驚いているし、見物人も驚いているが、俺、レイン、キラ、そして鼻の利く獣人族の方々は驚いていない。
「私の蜃気楼に気づきもしないようじゃ、上に行くことは出来ないわね」
「おりゃあぁぁ!」
攻撃を仕掛ける時に「おりゃああぁ」っていう人初めて俺以外に見たかもしれん。
俺は一種の気合い入れみたいな感じで言ってる時あるけど、傍から見ると中々に間抜けだな。
自重しよう。
少年の土を拳にまとわせた一撃をエルメは易々と避ける。
あれ?
今のにカウンター1発入れて終わりかと思ってたんだけど……。
「うわぁ……」
横でレインが引いたように呟く。
「どうした?」
「いえ、あの感じは見たことがありまして……」
そうか、エルメとレインで旅してた時期か。
「どこで見たんだ?」
「えっと、酒場で絡まれたときでしょうか。ほら、女2人旅でしたし」
「いや、それよりレインを酒場に連れて行ってるとこだろ」
当時12歳だろ。
「いえ、流石にお酒は飲んでいませんでしたよ。飲みたそうではありましたけど」
「それセーフか?」
連れて行ってる時点でどうかな。
いや、この前酒盛り現場に一緒に行った未成年が言ってもなんの説得力もないけど。
「その時はどうなったんだ?」
現在の試合状況を見て薄々察しがつきながらも一応聞いておく。
「一回も相手の攻撃を受けずに、完封しきって勝ちました」
「何人相手に?」
「途中から来た増援も含めると20名くらいでしょうか」
「レインは手を出してないんだな?」
「僕は後ろでジュース飲んでただけです」
「それもそれでどうかと思うが」
この会話の間にも戦況は1つも変わっていない。
少年が攻撃を続け、エルメは避け続けている。
というか、もう少年はMPが切れてきてるんじゃないか?
もう勢いがない。
「避け続けているだけじゃないですか! 少しは攻めてきたらどうですか!?」
「その必要がないのよ」
「そんなこと言って! ビビってるだけじゃないですか!? ぜぇ」
息切れしてるし。
「そういうこと言う人には腐るほど会ってきたけど、何度でも言うわ。攻撃を当ててから言いなさい」
自分には当たらないという自信にあふれている。
めちゃくちゃかっけぇ。
俺も言ってみたい。
「はぁ……、はぁ……」
とうとう力尽きて膝をついてしまった。
もはや勝負ありだが、今回の勝敗は相手の降伏が条件となる。
あぁ、そうか。
相手の降伏を促すとなると、心を折る作業がいるのか。
「勝負ありね。今負けを認めるなら、何も怪我せずに済むわよ」
少年を見下ろし、エルメが力強く言う。
「誰が……!」
「えぇ、そう言ってくれると思っていたわ」
確かにエルメには本当に投降を促すような感情は視えなかった。
「こちらから何も手だしできないんじゃ、何も楽しくないもの」
こいつもどちらかと言えば戦闘狂な部類だからな。
このままでは不完全燃焼ということか。
エルメが攻めに出ると決めた途端、今までいた場所と少し違う場所にエルメの本当の体が現れる。
「は?」
少年は驚いているし、見物人も驚いているが、俺、レイン、キラ、そして鼻の利く獣人族の方々は驚いていない。
「私の蜃気楼に気づきもしないようじゃ、上に行くことは出来ないわね」
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