272 / 566
幻想級迎撃
結局経験が大事です
しおりを挟む
「なら今まで僕はあなたに攻撃すら出来ていなかったと……?」
「当たり前だろ? 私はここにいたんだから」
絶望的な顔を浮かべる少年。
「キラは気配で、リブレは眼かな? レインは魔法の動きで、獣人族の方は鼻で、わかってたわよね」
「そうだね」
「あぁ」
「はい」
それぞれが肯定を返し、わかっていた獣人族の皆さんも頷く。
「鼻が利きにくい種族の方たちも違和感を感じてましたね」
該当する種族が頷く。
「まぁ、つまりですが、上を指導している皆さんや、今回加わられた皆さんは異変に気付くことが出来るのですよ」
「……じゃあ、上で学んでいる人達はどうなんですか」
「エイグ」
「はい」
エルメが呼んで、代表でエイグが答えるようだ。
「私は、彼らのように別に特異な技能があるわけではないです。ですから、戦う時にはとりあえず範囲魔法にすると決めています。こういう自分の姿を偽装できる相手や、姿を隠せる相手を少なくともあぶりだすことが出来ます」
「いや、でも、僕にはそんな技は……」
「それは、あなたの実力が足りていないだけです」
ばっさり切り捨てるエイグ。
「さぁ、自分の至らなさが把握できたところで」
エルメが炎を纏った扇を掲げる。
「反省しなさい」
扇を振るうと、炎が少年を包む。
「あああぁぁぁ!?」
「安心しなさい。死なない限り、ハンネが法律違反のあれこれまでして助けてくれるわ」
「非常に安心できないよな、それ」
俺は思わずツッコむ。
ハンネの治療を受けたことのある俺が言うんだから間違いない。
あの不信感はヤバい。
どうやっても悪い方にしか行く気がしないからな。
実際治っても後遺症とか怖いし。
未だに俺は筋肉痛を治してもらうべきではなかったと思ってたり思っていなかったり。
「う、ぁ……」
水魔法も使えたようで、必死の抵抗をしたようだが、服も燃え、床に倒れる。
「どうだい? これでもまだやるかい?」
「ま、参りました……」
その言葉を最後に少年は倒れた。
「キラ」
「うん、連れてきたよ」
「もう疲労困憊のあたしに何か用事が……?」
ちょっと見ない間にやつれたハンネがキラによって連れてこられていた。
どんな生活送ってるんだ。
「ハンネ、実験台だよ。治してやってくれ」
「ほう。ほうほうほう」
エルメが少年を示すと、ハンネはみるみるうちに回復し、観察を始める。
どんな体の仕組みしてるんだ。
「外傷は見た目よりひどくないね。MPの枯渇がひどい感じかな。ふむふむ」
生き生きしてるな。
ほんとにこいつに任せて大丈夫なのか?
「研究室に持ち帰りたいんだけど、ダメかい?」
「それだけは許さん」
いくら俺が少年を好きではないと言っても、人体実験につながりそうなのを看過するわけにはいかない。
「それは残念だ……」
「どうだい? 治せるかい?」
「それはもちろん。今ある薬でも治せるだろうけど、ちょっと思いついちゃったから作ってきてもいいかい?」
「それは安全なんだろうな」
「……たぶん」
非常に怖いな。
「とりあえず、医務室に連れて行こう」
この会話をしている間も少年は床に転がったままだし。
エルメが少年に厳しさを教えようとVR装置を使わなかったからシンプルに怪我してるからな。
流石に良心が働く。
「当たり前だろ? 私はここにいたんだから」
絶望的な顔を浮かべる少年。
「キラは気配で、リブレは眼かな? レインは魔法の動きで、獣人族の方は鼻で、わかってたわよね」
「そうだね」
「あぁ」
「はい」
それぞれが肯定を返し、わかっていた獣人族の皆さんも頷く。
「鼻が利きにくい種族の方たちも違和感を感じてましたね」
該当する種族が頷く。
「まぁ、つまりですが、上を指導している皆さんや、今回加わられた皆さんは異変に気付くことが出来るのですよ」
「……じゃあ、上で学んでいる人達はどうなんですか」
「エイグ」
「はい」
エルメが呼んで、代表でエイグが答えるようだ。
「私は、彼らのように別に特異な技能があるわけではないです。ですから、戦う時にはとりあえず範囲魔法にすると決めています。こういう自分の姿を偽装できる相手や、姿を隠せる相手を少なくともあぶりだすことが出来ます」
「いや、でも、僕にはそんな技は……」
「それは、あなたの実力が足りていないだけです」
ばっさり切り捨てるエイグ。
「さぁ、自分の至らなさが把握できたところで」
エルメが炎を纏った扇を掲げる。
「反省しなさい」
扇を振るうと、炎が少年を包む。
「あああぁぁぁ!?」
「安心しなさい。死なない限り、ハンネが法律違反のあれこれまでして助けてくれるわ」
「非常に安心できないよな、それ」
俺は思わずツッコむ。
ハンネの治療を受けたことのある俺が言うんだから間違いない。
あの不信感はヤバい。
どうやっても悪い方にしか行く気がしないからな。
実際治っても後遺症とか怖いし。
未だに俺は筋肉痛を治してもらうべきではなかったと思ってたり思っていなかったり。
「う、ぁ……」
水魔法も使えたようで、必死の抵抗をしたようだが、服も燃え、床に倒れる。
「どうだい? これでもまだやるかい?」
「ま、参りました……」
その言葉を最後に少年は倒れた。
「キラ」
「うん、連れてきたよ」
「もう疲労困憊のあたしに何か用事が……?」
ちょっと見ない間にやつれたハンネがキラによって連れてこられていた。
どんな生活送ってるんだ。
「ハンネ、実験台だよ。治してやってくれ」
「ほう。ほうほうほう」
エルメが少年を示すと、ハンネはみるみるうちに回復し、観察を始める。
どんな体の仕組みしてるんだ。
「外傷は見た目よりひどくないね。MPの枯渇がひどい感じかな。ふむふむ」
生き生きしてるな。
ほんとにこいつに任せて大丈夫なのか?
「研究室に持ち帰りたいんだけど、ダメかい?」
「それだけは許さん」
いくら俺が少年を好きではないと言っても、人体実験につながりそうなのを看過するわけにはいかない。
「それは残念だ……」
「どうだい? 治せるかい?」
「それはもちろん。今ある薬でも治せるだろうけど、ちょっと思いついちゃったから作ってきてもいいかい?」
「それは安全なんだろうな」
「……たぶん」
非常に怖いな。
「とりあえず、医務室に連れて行こう」
この会話をしている間も少年は床に転がったままだし。
エルメが少年に厳しさを教えようとVR装置を使わなかったからシンプルに怪我してるからな。
流石に良心が働く。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる