82 / 85
仲直り
しおりを挟む
俺も意地悪言ってごめんね、もう眠たいかな…と書いた紙をゼロに見せると頷いてくれた。
ああするしか助ける方法がなかったのは分かっている、でも…自分を大切にしてほしいのは俺もだよと伝えたかった。
お互いどちらが欠けてもダメなんだから…
ゼロに頭が痛いと紙に書いたら風邪薬を持ってきてもらった。
粉の薬で、飲むと即効性があるのかだいぶ楽になった。
ゼロが横でずっと見てくれて、安心して寝る事が出来た。
「おやすみエル、エルの悪夢は俺が全部取り除くから」
※ゼロ視点※
エルが寝息を立てて、眠った事を確認してエルの額に口付けた。
スッと表情をなくして、エルの部屋から出た。
エルがノアというあの黒猫と話し合いたいと言っていた。
エルの気持ちを無視する事は出来ない、今の今まで隠していたという事は俺や他の奴に話したら黒猫を捕まえに行くと思ったからだろう。
捕まったら、そう簡単に会う事は出来ない。
でも、俺はあの時黒猫を見つけて捕まえる気なんてなかった。
俺はあの時確かに殺そうとした、エルになにかしようとしているのが見えたからだ。
俺のエルに触れた事で、頭に血が上った。
ヤマトが止めなかったら、確実に仕留めていたのに…
エルに秘密を与えるなんて、許せなかった。
エルの中に居座る奴は俺が全て取り除いてやる。
でも、エルが嫌だと言うなら我慢しよう。
決して許したわけではない、話し合いがしたいならその後でいくらでも消す事は出来る。
屋敷を出ると、いつもと違う景色がそこにはあった。
ウロウロと騎士の数が増えている、鬱陶しい。
他にやる事があるだろ、まだ義賊の重要人物を一人も捕まえていないというのに…
雑魚で満足しているなら、おめでたい頭だな。
「あっ、ゼロ!」
「…なんだ?」
「弟くんを探しているんだけど、さっきは酷い事を言って…謝りたいんだ」
「知らない」
「そうか、もし見つけたら知らせてくれ」
ヤマトはそう言って、騎士達と情報を交換している。
ヤマトはエルが喋れないのをまだ気付いていないみたいだ。
だけど、謝りたいと思っているのは本当だろうと分かる。
ヤマトは考えている事を顔に出やすい、付き合いが長いからこそ断言出来る。
でも、ヤマトのところにエルを連れて行ったらヤマトは謝りたいだけかと思うが周りは違う。
エルを寒い牢獄の中に閉じ込めて、俺との仲を引き裂く…そんな事分かっている。
それが分かっていて、渡すわけがないだろ。
エルはもう、誰にも渡さない…俺のものだ。
俺が守る中で、笑っていてくれたらそれでいい。
今度は絶対に拒絶しない…エルの魂まるごと逃しはしない。
ああするしか助ける方法がなかったのは分かっている、でも…自分を大切にしてほしいのは俺もだよと伝えたかった。
お互いどちらが欠けてもダメなんだから…
ゼロに頭が痛いと紙に書いたら風邪薬を持ってきてもらった。
粉の薬で、飲むと即効性があるのかだいぶ楽になった。
ゼロが横でずっと見てくれて、安心して寝る事が出来た。
「おやすみエル、エルの悪夢は俺が全部取り除くから」
※ゼロ視点※
エルが寝息を立てて、眠った事を確認してエルの額に口付けた。
スッと表情をなくして、エルの部屋から出た。
エルがノアというあの黒猫と話し合いたいと言っていた。
エルの気持ちを無視する事は出来ない、今の今まで隠していたという事は俺や他の奴に話したら黒猫を捕まえに行くと思ったからだろう。
捕まったら、そう簡単に会う事は出来ない。
でも、俺はあの時黒猫を見つけて捕まえる気なんてなかった。
俺はあの時確かに殺そうとした、エルになにかしようとしているのが見えたからだ。
俺のエルに触れた事で、頭に血が上った。
ヤマトが止めなかったら、確実に仕留めていたのに…
エルに秘密を与えるなんて、許せなかった。
エルの中に居座る奴は俺が全て取り除いてやる。
でも、エルが嫌だと言うなら我慢しよう。
決して許したわけではない、話し合いがしたいならその後でいくらでも消す事は出来る。
屋敷を出ると、いつもと違う景色がそこにはあった。
ウロウロと騎士の数が増えている、鬱陶しい。
他にやる事があるだろ、まだ義賊の重要人物を一人も捕まえていないというのに…
雑魚で満足しているなら、おめでたい頭だな。
「あっ、ゼロ!」
「…なんだ?」
「弟くんを探しているんだけど、さっきは酷い事を言って…謝りたいんだ」
「知らない」
「そうか、もし見つけたら知らせてくれ」
ヤマトはそう言って、騎士達と情報を交換している。
ヤマトはエルが喋れないのをまだ気付いていないみたいだ。
だけど、謝りたいと思っているのは本当だろうと分かる。
ヤマトは考えている事を顔に出やすい、付き合いが長いからこそ断言出来る。
でも、ヤマトのところにエルを連れて行ったらヤマトは謝りたいだけかと思うが周りは違う。
エルを寒い牢獄の中に閉じ込めて、俺との仲を引き裂く…そんな事分かっている。
それが分かっていて、渡すわけがないだろ。
エルはもう、誰にも渡さない…俺のものだ。
俺が守る中で、笑っていてくれたらそれでいい。
今度は絶対に拒絶しない…エルの魂まるごと逃しはしない。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました
無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。
前世持ちだが結局役に立たなかった。
そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。
そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。
目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。
…あれ?
僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる