1 / 14
ダンジョン踏破
しおりを挟む
「ついにダンジョンボスに挑む時がやってきた。皆、準備はいいか?」
ダンジョンの地下90階、レリーフが彫られた大きな石の扉の前で、パーティのリーダーである大剣使いのハリソンが私達に聞いた。
私達はこのガレリアという国でS級冒険者にまで上り詰めたパーティだ。
パーティ名は白銀の翼。
剣士の私、アニエス。
魔道士のモーリス、ヒーラーのユーリ。
そして私の長年の片思いの相手であるリーダーで大剣使いのハリソンだ。
私達4人の長年の夢であるダンジョンボスにようやく挑む時がやってきた。
準備も万端だ。
ハリソンの言葉に私達は頷く。
「では行こう! 栄光への一歩だ!」
ギイッとボス部屋の大きな扉をハリソンが押し開ける。
「事前の情報通りレッドドラゴンだな」
ボス部屋を開けると、最強種であるレッドドラゴンが部屋の奥に鎮座している。
すごい威圧感だ。
「落ち着いて、いつものようにやればいい。俺たちなら絶対に勝てる」
この為にずっと頑張ってきた。
「ああ、もちろんだ! やってやろうぜ」
モーリスが杖を構える。
「私も、全力でサポートするわ!」
ユーリはヒーラーだが、支援系の魔法もかけてくれる。
「アニエス、お前を信じてる。俺も信じてくれ」
ハリソンはレッドドラゴンから目を離さずに私に言った。
「もちろん信じてる。準備はいいよ」
私は自分に身体強化をかける。
「行くぞ!」
ハリソンの掛け声と共にモーリスが氷結魔法を撃ち込む。
ユーリは支援魔法で炎耐性強化をかける。
私は高くジャンプしレッドドラゴンの両目に向かって斬撃を与える。
「ハリソン! 今!」
レッドドラゴンに隙ができ、ハリソンが大剣を振り下ろす。
…どれくらいの時間が経っただろうか。
ズシーン!!
満身創痍の私達はやっとの思いでレッドドラゴンを倒した。
「やった……の?」
「やった! やったぞ!」
ハリソンが私に抱きつく。
嬉しさに涙が勝手に流れる。
「ついに俺たちはダンジョンを踏破したぞ!」
後衛の2人も走ってきて、4人で喜びを分かち合う。
最高のパーティだ。
このパーティに入れて本当に幸運だ。
そう思っていた……。
この日までは。
「アニエス!俺、ダンジョンボスを倒したらずっとお前に言いたかったことがあるんだ」
えっ……。
ハリソンが私の頭を撫でながら言った。
「明日の昼、カフェで待ち合わせしないか?」
パーティメンバーのモーリスとユーリは付き合っていて、ダンジョンボスを倒したら結婚すると言っている。
私もダンジョンボスを倒したらハリソンに告白するって決めていた。
いつも私を特別扱いしてくれる。
お前は何より大切だって言ってくれたこともある。
何よりいつも私の頭を撫でるこの距離感。
もしかして、ハリソンの方から告白してくれるのかな。
「うん、わかった。明日カフェでね」
「しっかり体を休めてくるんだぞ。無理はしなくていいからな」
うう、優しい。
そういう気遣いができるところも大好きだ。
ハリソンがいたからここまでやってこれた。
「それじゃあ帰還するか」
私達はそうしてダンジョンを踏破した数少ないパーティへとなったのだった。
ダンジョンの地下90階、レリーフが彫られた大きな石の扉の前で、パーティのリーダーである大剣使いのハリソンが私達に聞いた。
私達はこのガレリアという国でS級冒険者にまで上り詰めたパーティだ。
パーティ名は白銀の翼。
剣士の私、アニエス。
魔道士のモーリス、ヒーラーのユーリ。
そして私の長年の片思いの相手であるリーダーで大剣使いのハリソンだ。
私達4人の長年の夢であるダンジョンボスにようやく挑む時がやってきた。
準備も万端だ。
ハリソンの言葉に私達は頷く。
「では行こう! 栄光への一歩だ!」
ギイッとボス部屋の大きな扉をハリソンが押し開ける。
「事前の情報通りレッドドラゴンだな」
ボス部屋を開けると、最強種であるレッドドラゴンが部屋の奥に鎮座している。
すごい威圧感だ。
「落ち着いて、いつものようにやればいい。俺たちなら絶対に勝てる」
この為にずっと頑張ってきた。
「ああ、もちろんだ! やってやろうぜ」
モーリスが杖を構える。
「私も、全力でサポートするわ!」
ユーリはヒーラーだが、支援系の魔法もかけてくれる。
「アニエス、お前を信じてる。俺も信じてくれ」
ハリソンはレッドドラゴンから目を離さずに私に言った。
「もちろん信じてる。準備はいいよ」
私は自分に身体強化をかける。
「行くぞ!」
ハリソンの掛け声と共にモーリスが氷結魔法を撃ち込む。
ユーリは支援魔法で炎耐性強化をかける。
私は高くジャンプしレッドドラゴンの両目に向かって斬撃を与える。
「ハリソン! 今!」
レッドドラゴンに隙ができ、ハリソンが大剣を振り下ろす。
…どれくらいの時間が経っただろうか。
ズシーン!!
満身創痍の私達はやっとの思いでレッドドラゴンを倒した。
「やった……の?」
「やった! やったぞ!」
ハリソンが私に抱きつく。
嬉しさに涙が勝手に流れる。
「ついに俺たちはダンジョンを踏破したぞ!」
後衛の2人も走ってきて、4人で喜びを分かち合う。
最高のパーティだ。
このパーティに入れて本当に幸運だ。
そう思っていた……。
この日までは。
「アニエス!俺、ダンジョンボスを倒したらずっとお前に言いたかったことがあるんだ」
えっ……。
ハリソンが私の頭を撫でながら言った。
「明日の昼、カフェで待ち合わせしないか?」
パーティメンバーのモーリスとユーリは付き合っていて、ダンジョンボスを倒したら結婚すると言っている。
私もダンジョンボスを倒したらハリソンに告白するって決めていた。
いつも私を特別扱いしてくれる。
お前は何より大切だって言ってくれたこともある。
何よりいつも私の頭を撫でるこの距離感。
もしかして、ハリソンの方から告白してくれるのかな。
「うん、わかった。明日カフェでね」
「しっかり体を休めてくるんだぞ。無理はしなくていいからな」
うう、優しい。
そういう気遣いができるところも大好きだ。
ハリソンがいたからここまでやってこれた。
「それじゃあ帰還するか」
私達はそうしてダンジョンを踏破した数少ないパーティへとなったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
離婚するはずの旦那様を、なぜか看病しています
鍛高譚
恋愛
「結婚とは、貴族の義務。そこに愛など不要――」
そう割り切っていた公爵令嬢アルタイは、王命により辺境伯ベガと契約結婚することに。
お互い深入りしない仮面夫婦として過ごすはずが、ある日ベガが戦地へ赴くことになり、彼はアルタイにこう告げる。
「俺は生きて帰れる自信がない。……だから、お前を自由にしてやりたい」
あっさりと“離婚”を申し出る彼に、アルタイは皮肉めいた笑みを浮かべる。
「では、戦争が終わり、貴方が帰るまで離婚は待ちましょう。
戦地で女でも作ってきてください。そうすれば、心置きなく別れられます」
――しかし、戦争は長引き、何年も経ったのちにようやく帰還したベガは、深い傷を負っていた。
彼を看病しながら、アルタイは自分の心が変化していることに気づく。
「早く元気になってもらわないと、離婚できませんね?」
「……本当に、離婚したいのか?」
最初は“義務”だったはずの結婚。しかし、夫婦として過ごすうちに、仮面は次第に剥がれていく。
やがて、二人の離婚を巡る噂が王宮を騒がせる中、ベガは決意を固める――。
婚約破棄をされ、谷に落ちた女は聖獣の血を引く
基本二度寝
恋愛
「不憫に思って平民のお前を召し上げてやったのにな!」
王太子は女を突き飛ばした。
「その恩も忘れて、お前は何をした!」
突き飛ばされた女を、王太子の護衛の男が走り寄り支える。
その姿に王太子は更に苛立った。
「貴様との婚約は破棄する!私に魅了の力を使って城に召し上げさせたこと、私と婚約させたこと、貴様の好き勝手になどさせるか!」
「ソル…?」
「平民がっ馴れ馴れしく私の愛称を呼ぶなっ!」
王太子の怒声にはらはらと女は涙をこぼした。
不能と噂される皇帝の後宮に放り込まれた姫は恩返しをする
矢野りと
恋愛
不能と噂される隣国の皇帝の後宮に、牛100頭と交換で送り込まれた貧乏小国の姫。
『なんでですか!せめて牛150頭と交換してほしかったですー』と叫んでいる。
『フンガァッ』と鼻息荒く女達の戦いの場に勢い込んで来てみれば、そこはまったりパラダイスだった…。
『なんか悪いですわね~♪』と三食昼寝付き生活を満喫する姫は自分の特技を活かして皇帝に恩返しすることに。
不能?な皇帝と勘違い姫の恋の行方はどうなるのか。
※設定はゆるいです。
※たくさん笑ってください♪
※お気に入り登録、感想有り難うございます♪執筆の励みにしております!
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
治癒魔法で恋人の傷を治したら、「化け物」と呼ばれ故郷から追放されてしまいました
山科ひさき
恋愛
ある日治癒魔法が使えるようになったジョアンは、化け物呼ばわりされて石を投げられ、町から追い出されてしまう。彼女はただ、いまにも息絶えそうな恋人を助けたかっただけなのに。
生きる希望を失った彼女は、恋人との思い出の場所で人生の終わりを迎えようと決める。
十年越しの幼馴染は今や冷徹な国王でした
柴田はつみ
恋愛
侯爵令嬢エラナは、父親の命令で突然、10歳年上の国王アレンと結婚することに。
幼馴染みだったものの、年の差と疎遠だった期間のせいですっかり他人行儀な二人の新婚生活は、どこかギクシャクしていました。エラナは国王の冷たい態度に心を閉ざし、離婚を決意します。
そんなある日、国王と聖女マリアが親密に話している姿を頻繁に目撃したエラナは、二人の関係を不審に思い始めます。
護衛騎士レオナルドの協力を得て真相を突き止めることにしますが、逆に国王からはレオナルドとの仲を疑われてしまい、事態は思わぬ方向に進んでいきます。
【完結】 メイドをお手つきにした夫に、「お前妻として、クビな」で実の子供と追い出され、婚約破棄です。
BBやっこ
恋愛
侯爵家で、当時の当主様から見出され婚約。結婚したメイヤー・クルール。子爵令嬢次女にしては、玉の輿だろう。まあ、肝心のお相手とは心が通ったことはなかったけど。
父親に決められた婚約者が気に入らない。その奔放な性格と評された男は、私と子供を追い出した!
メイドに手を出す当主なんて、要らないですよ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる