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ライラの仕事
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「いらっしゃいませ~」
ライラさんがさっきとは違った、さらにかわいい声でお客さんに挨拶する。
「やあ、ライラちゃん、今日もかわいいね」
おじさんニ人組が席に座りながら、ライラに声をかける。
「やだもう、グリーさんったら。いつもからかって」
「ホントだよ。いつもおじさん達ライラちゃんに癒されてるんだ」
「ホントに? なら嬉しいな。注文なんにします?」
え? すごい! トーク力高すぎ。
「こんにちは~。お腹すいたわ。今日の日替わりはなあに?」
「いらっしゃいませ、リンダさん。今日もお仕事お疲れ様です。今日の日替わりはメンチカツですよ」
「ありがとう、ライラちゃん。じゃあ、それもらうわ」
「はい、急いで用意してもらいますね」
次々やってくるお客さんを、笑顔でどんどん捌いていく。
ぽーっとなってライラさんの凄さをみていると、ライラさんが私の方に来て耳打ちした。
「あのさ……悪いんだけど、カウンターの方に移動してもらっていいかな。今日グループ客が多くてテーブル使いたくて」
一人で四人テーブルを占領していた私が悪い。
「は、はい。今移動します」
「悪いね、午前の営業が終わったら埋め合わせするから」
「いえ、大丈夫ですから」
お皿とコップを持ってカウンターの端に移動する。
うん、ここからの方がライラさんの様子がよく見える。
流れるようなトークと共に注文を聞き厨房に伝達、出来上がった料理を運び、笑顔で提供。
素早く会計をし、笑顔でお客を送り出す。
あっという間にテーブルを片付けて、次のお客さんを案内する。
すごい! 彼女も特殊スキル持ちなんだろうか。
よく見れば、水も無くなりそうになる前にさりげなく継ぎ足しているし、オーダーしたそうなお客さんには呼ばれる前に聞きに行っている。
すごい……。
その間もずっとにこにこ可愛さを失っていない。
これだ!
目からウロコとはこのことなのか。
こんな、日常と思えるところに新しい目標ができるなんて。
昼営業が終わり、最後のお客さんを笑顔で送り出したライラは入り口のドアプレートをクローズにし、ドアに鍵をかけると、ホールの椅子にどっかりと腰をかけた。
「あーっ、つっかれた。やっぱ、ホールひとりじゃキツいわ。マスター、本気でそろそろ張り紙してくださいよ」
「うん、そうだな。給仕係の募集かけるか」
それを聞いて私は立ち上がった。
「私をこの店で働かせてください!」
「「え?」」
ツカツカとライラさんのところに行ってその両手を掴んだ。
「ライラさん、あなたの仕事ぶりはとても素晴らしいです。ぜひ私にご教授ください」
「は?」
「体力と運動神経は自信があります。笑顔とトークはこれから修行を積めば……」
「ちょ、ちょっと待って、落ち着いて……」
ライラさんは私を制してマスターに向かって言った。
「何これ?どういう話?」
「いや、俺たちもまだ話が聞けてなくて……」
「とりあえず一息つきましょう。話はそれからね」
マリーさんがコーヒーを人数分入れてくれ、私は自分のことをポツポツと話し始めた。
ライラさんがさっきとは違った、さらにかわいい声でお客さんに挨拶する。
「やあ、ライラちゃん、今日もかわいいね」
おじさんニ人組が席に座りながら、ライラに声をかける。
「やだもう、グリーさんったら。いつもからかって」
「ホントだよ。いつもおじさん達ライラちゃんに癒されてるんだ」
「ホントに? なら嬉しいな。注文なんにします?」
え? すごい! トーク力高すぎ。
「こんにちは~。お腹すいたわ。今日の日替わりはなあに?」
「いらっしゃいませ、リンダさん。今日もお仕事お疲れ様です。今日の日替わりはメンチカツですよ」
「ありがとう、ライラちゃん。じゃあ、それもらうわ」
「はい、急いで用意してもらいますね」
次々やってくるお客さんを、笑顔でどんどん捌いていく。
ぽーっとなってライラさんの凄さをみていると、ライラさんが私の方に来て耳打ちした。
「あのさ……悪いんだけど、カウンターの方に移動してもらっていいかな。今日グループ客が多くてテーブル使いたくて」
一人で四人テーブルを占領していた私が悪い。
「は、はい。今移動します」
「悪いね、午前の営業が終わったら埋め合わせするから」
「いえ、大丈夫ですから」
お皿とコップを持ってカウンターの端に移動する。
うん、ここからの方がライラさんの様子がよく見える。
流れるようなトークと共に注文を聞き厨房に伝達、出来上がった料理を運び、笑顔で提供。
素早く会計をし、笑顔でお客を送り出す。
あっという間にテーブルを片付けて、次のお客さんを案内する。
すごい! 彼女も特殊スキル持ちなんだろうか。
よく見れば、水も無くなりそうになる前にさりげなく継ぎ足しているし、オーダーしたそうなお客さんには呼ばれる前に聞きに行っている。
すごい……。
その間もずっとにこにこ可愛さを失っていない。
これだ!
目からウロコとはこのことなのか。
こんな、日常と思えるところに新しい目標ができるなんて。
昼営業が終わり、最後のお客さんを笑顔で送り出したライラは入り口のドアプレートをクローズにし、ドアに鍵をかけると、ホールの椅子にどっかりと腰をかけた。
「あーっ、つっかれた。やっぱ、ホールひとりじゃキツいわ。マスター、本気でそろそろ張り紙してくださいよ」
「うん、そうだな。給仕係の募集かけるか」
それを聞いて私は立ち上がった。
「私をこの店で働かせてください!」
「「え?」」
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「ライラさん、あなたの仕事ぶりはとても素晴らしいです。ぜひ私にご教授ください」
「は?」
「体力と運動神経は自信があります。笑顔とトークはこれから修行を積めば……」
「ちょ、ちょっと待って、落ち着いて……」
ライラさんは私を制してマスターに向かって言った。
「何これ?どういう話?」
「いや、俺たちもまだ話が聞けてなくて……」
「とりあえず一息つきましょう。話はそれからね」
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