魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】

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新団員エレナ②

夕方。ノエルとルチアが帰ってから張り切って夕飯を作っていると、レオニス様が帰ってきた。

「ただいま」

「おかえりなさい、レオニス様」

レオニス様は上着も脱がずにソファに深く座り込んだ。

「お疲れ様ですね。何か飲み物でもお持ちしましょうか?」

レオニス様はひどく疲れた様子だ。

「ああ、何か冷たい飲み物を頼む」

私は冷蔵庫から果実のジュースを取り出してコップに注いだ。

「お待たせしました。どうぞ」

レオニス様は果実のジュースを一気に飲み干した。

よっぽど喉が渇いていたのかな。

「は~。少し元気が出たよ。ありがとう、ティナ」

私は空になったコップを片付けながら聞いた。

「陛下のお呼び出しは大変なお仕事なのですか?」

レオニス様はソファに座った体制で、テーブルの上で両手を合わせてそこに顎を乗せると考えるようなポーズをとった。

「ああ。機密事項なんで言えないんだが、とても厄介だ」

「そんな! 危険なお仕事なのですね」

今度も悪事を働く輩か。まさか高ランクの魔獣討伐だったらどうしよう。

「いや、そうではないんだ。危険はあるにはあるが、そんな大したものではない」

そうなの?

「うーん、機密事項で言えないのがもどかしいんだが……」

私ってばレオニス様を困らせてる?

「レオニス様。レオニス様に危険が少ないなら大丈夫です。主人のお仕事内容に口を挟むなんて家政婦としてあるまじき行為でした。申し訳ありません」

一歩下がって四十五度のお辞儀をする。

「いや、今回は機密事項だが、ティナなら気にせず聞いてきていいんだぞ」

レオニス様はいつでもお優しい。

「大丈夫です。私はお夕飯の準備に戻りますのでよければ先にお風呂へどうぞ」

「そうか? ではさっぱりしてこよう」

そう言ってレオニス様は浴室に行った。

私は知らなかった。あの時、もっと詳しくお話を聞いておけばよかったと後に後悔することになるなんて。
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