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新団員エレナ③
この翌週からレオニス様は一週間ほど家を留守にしている。
以前からニ、三日の討伐遠征などはあったのだが1週間を超えて家をあけるようなものは初めてだ。
「俺はしばらく忙しくて帰れなくなると思う。ティナの魔法の練習も見てやれなくなるから、カインに頼んでおいた。ノエルや他の団員もいるから魔法師団に行って見てもらえ」
レオニス様はそう言っていたが、団員でもないのに魔法師団の方に教えてもらうなんて邪魔にならないのかな。
ともかく差し入れを持って、一度行ってみよう。
私はサンドイッチをたくさん作り、レオニス様にもらった魔法鞄に入れて魔法師団に向かった。
魔法師団にはすでに何度かきているので、もう迷うことはない。
門をくぐって通路から練習場を見ると、ブロンドの髪を肩で切りそろえた綺麗な人がいた。
その人は一心不乱に水魔法の練習をしている。
水が渦を巻いて上へと伸びるが、途中でパシャンと弾けて地面に落ちてしまう。
「何? アンタ? 何の用?」
「あの……。私はティナと言います。 カインさんに用があってきました」
ジロリと美人さんに睨まれて、挙動不審になってしまった。
「カインさんは忙しいの。会いたいからって簡単に会えるような人じゃないのよ。わかったら帰って」
そうか……。やっぱり忙しいよね。
「そうですか……。それでは出直します。お邪魔してすいませんでした」
私が回れ右をして帰ろうとすると、ノエルの声がした。
「ティナ! やっと来た。こっちこっち」
ノエルが手招きするが、美人さんは相変わらず睨んでいる。
「いや、でも皆忙しそうだし。今帰ろうかと」
「何言ってんの。 カインさんも待ってたんだよ」
早く早くとノエルに手を引かれ、私は魔法師団の建物の中へと向かう。
「ノエル。あの人が新団員の人?」
「そうだよ。新しく入った団員のエレナ。感じ悪いでしょ。ティナは気にしないでね」
そう言われても……気にならないわけがない。
団長室にはカインさんがいた。
「ティナちゃん、待ってたよ。なかなか来ないから迎えに行こうかと思い始めてたくらいだ」
カインさんは冗談のようにそう言ってくれた。
「団長に頼まれてるし、みっちり教えるからね」
そう言ってくれるのはありがたいのだが、練習場にはエレナさんがいるのにいいのだろうか。
あ、そうだ。差し入れを渡さなきゃ。
「これ、差し入れのサンドイッチです。皆さんでどうぞ」
私がバスケットを差し出すと、ノエルが横からバスケットを受け取った。
「やった! ティナの料理が食べられる。皆にも言ってこよう」
「ノエル。俺の分は残しておくんだぞ」
部屋を出て行くノエルに向かってカインさんが言う。そして私に向き直った。
「さあ、訓練場に行こう」
「はい、よろしくお願いします」
訓練場ではエレナさんが変わらず同じ水魔法を訓練していたが、カインさんを見ると駆け寄ってきた。
「カインさん! 私の訓練を見ていただけませんか?」
カインさんは困ったようにエレナさんに言った。
「悪いね、エレナ。今はこの子の訓練を優先させたい。他の団員に見てもらうといい」
エレナさんはそれを聞いて明らかにムッとした。
「その子が他の団員に見て貰えばいいじゃないですか。私は魔法師団員ですよ」
「あの……カインさん。私はノエルに見てもらいますから」
この状況でカインさんに見てもらうのは申し訳なさすぎる。
「いや、ティナちゃんが遠慮する必要はない。エレナ、悪いが後にしてくれ」
それを聞いたエレナさんは、怒って魔法師団を飛び出して行った。
「は~あ。全く困った子だよ」
そうかな。カインさんやノエルは困った様子だが、それだけじゃない気がする。
以前からニ、三日の討伐遠征などはあったのだが1週間を超えて家をあけるようなものは初めてだ。
「俺はしばらく忙しくて帰れなくなると思う。ティナの魔法の練習も見てやれなくなるから、カインに頼んでおいた。ノエルや他の団員もいるから魔法師団に行って見てもらえ」
レオニス様はそう言っていたが、団員でもないのに魔法師団の方に教えてもらうなんて邪魔にならないのかな。
ともかく差し入れを持って、一度行ってみよう。
私はサンドイッチをたくさん作り、レオニス様にもらった魔法鞄に入れて魔法師団に向かった。
魔法師団にはすでに何度かきているので、もう迷うことはない。
門をくぐって通路から練習場を見ると、ブロンドの髪を肩で切りそろえた綺麗な人がいた。
その人は一心不乱に水魔法の練習をしている。
水が渦を巻いて上へと伸びるが、途中でパシャンと弾けて地面に落ちてしまう。
「何? アンタ? 何の用?」
「あの……。私はティナと言います。 カインさんに用があってきました」
ジロリと美人さんに睨まれて、挙動不審になってしまった。
「カインさんは忙しいの。会いたいからって簡単に会えるような人じゃないのよ。わかったら帰って」
そうか……。やっぱり忙しいよね。
「そうですか……。それでは出直します。お邪魔してすいませんでした」
私が回れ右をして帰ろうとすると、ノエルの声がした。
「ティナ! やっと来た。こっちこっち」
ノエルが手招きするが、美人さんは相変わらず睨んでいる。
「いや、でも皆忙しそうだし。今帰ろうかと」
「何言ってんの。 カインさんも待ってたんだよ」
早く早くとノエルに手を引かれ、私は魔法師団の建物の中へと向かう。
「ノエル。あの人が新団員の人?」
「そうだよ。新しく入った団員のエレナ。感じ悪いでしょ。ティナは気にしないでね」
そう言われても……気にならないわけがない。
団長室にはカインさんがいた。
「ティナちゃん、待ってたよ。なかなか来ないから迎えに行こうかと思い始めてたくらいだ」
カインさんは冗談のようにそう言ってくれた。
「団長に頼まれてるし、みっちり教えるからね」
そう言ってくれるのはありがたいのだが、練習場にはエレナさんがいるのにいいのだろうか。
あ、そうだ。差し入れを渡さなきゃ。
「これ、差し入れのサンドイッチです。皆さんでどうぞ」
私がバスケットを差し出すと、ノエルが横からバスケットを受け取った。
「やった! ティナの料理が食べられる。皆にも言ってこよう」
「ノエル。俺の分は残しておくんだぞ」
部屋を出て行くノエルに向かってカインさんが言う。そして私に向き直った。
「さあ、訓練場に行こう」
「はい、よろしくお願いします」
訓練場ではエレナさんが変わらず同じ水魔法を訓練していたが、カインさんを見ると駆け寄ってきた。
「カインさん! 私の訓練を見ていただけませんか?」
カインさんは困ったようにエレナさんに言った。
「悪いね、エレナ。今はこの子の訓練を優先させたい。他の団員に見てもらうといい」
エレナさんはそれを聞いて明らかにムッとした。
「その子が他の団員に見て貰えばいいじゃないですか。私は魔法師団員ですよ」
「あの……カインさん。私はノエルに見てもらいますから」
この状況でカインさんに見てもらうのは申し訳なさすぎる。
「いや、ティナちゃんが遠慮する必要はない。エレナ、悪いが後にしてくれ」
それを聞いたエレナさんは、怒って魔法師団を飛び出して行った。
「は~あ。全く困った子だよ」
そうかな。カインさんやノエルは困った様子だが、それだけじゃない気がする。
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