32 / 48
もふもふ我慢大会
しおりを挟む「はぁー」
今日、何度目かわからないため息をつく。
「マリッジブルーですか?」
レイモンドが珍しく心配を顔に出している。
「そんなもんかなー」
そう。ため息には理由がある。実は…あの添い寝以来、クロノたんのブラッシングをしていないのだ!これは由々しき事ですよ!!
ハルワさんとのドレスの最終調整も終わった。料理長にオリーブオイルの使い方も指導した。ブライダルエステなるものを施され、ツルッツルーのモーチモチにもなった。
婚儀は明日。そう、明日なんだよぉぉぉ────!!!!!俺も驚いた…時の速さに驚いた!!そして気づいた…ブラッシングを一回しかしていない事に…。もふもふが枯渇している。もふもふロス!!このままでは…このままでは…禁断症状が…他所様のもふもふを堪能してしまいそうだ!!それはクロノたんに対する浮気…でもクロノたんは忙しくて中々会えない…。ここまで症状が進行したらクロノたんJrでは満足出来ない!!
俺は…もふもふちゃんを見つけると、無意識にフラフラと近づいてしまう。そしてレイモンドに引き離される。最近では日課になってしまった。今日のお茶会で久しぶりに会える。その時にお願いするんだ!!どんな手を使ってもブラッシングチャンスを獲得してみせる!!
▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣ ▢ ▣
ウロウロ、ウロウロ、ウロウロ、ウロウロ
「レイ様。目障りです」
はぇ?い、い、い、いっ、今、目障りって…。俺に目障りって言ったよね?!いや、確かに落ち着かなくて、歩き回ってたのは認めるよ!!でも、目障りって…思ってても言っちゃダメ!!せめて心の中でお願いします!!ってか、そもそも主の悪口言ったらダメやん!!お前の中の俺って……。でも優しい俺は許してやるよ!!それよりも今夜の事だよ!!
お茶会でクロノたんにブラッシングのお願いしてみた。案の定ダメでした!でも、めげないよ!!明日の婚儀には、私の手で最高の毛並みになったクロノたんと並びたいとお願いした。ふっ、イチコロよ!!だからね、夜のブラッシングの事を思うとソワソワしちゃうんだよ!!クロノたんの全身を艶っツヤにするには、オリーブオイルは何本必要かな?!
「はぁー。」
緊張する…。俺は今、正妃の部屋に居ます。何故か?それはクロノたんをブラッシングする為。さすがにクロノたんの部屋はダメなんだってー。
クロノたんはシャワー中。またバスローブ姿を拝めるのかな?!もふもふを我慢した俺へのご褒美だ!!早く出ておいでクロノたーん!!そして…浴室から現れたクロノたんは…パンイチでした!!!!!素敵!!抱いて!!いや、明日抱いてもらうけど!!パンツ素晴らしい!!パンツ大事!!
「クロノ」
クロノたんの手を引いてベットに誘う。ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ────!!!!!俺の頭の中がヤバイ!!
「クロノ。うつ伏せで寝てください」
「これでいいか?」
「はい。始めますね?」
ぐへへ、これは明日の婚儀を乗り切る為のご褒美だ!!オリーブオイルを手に垂らす。手を擦り合わせオイルを手に馴染ませる。それでは遠慮なく…両手の手のひらを使って、背中全体を触る。力を入れすぎずに、腰から首にかけて撫でるように。次は手をクシのようにして毛並みに沿って撫でる。そうです!!今日はクシを使いません!!手ぐしと言うやつですね!!
しかし、体勢が悪いのかやりづらい。うつ伏せになっているクロノたんを跨ぎ、おしりの辺りに座る。よし。これならやりやすい。びっくりしたのか、クロノたんから声が漏れた。任せて!こっちの体勢の方が気持ち良く出来るから!!次は毛だけではなく、下に隠れてる筋肉も摘むようにする。クロノたんからくぐもった声が聞こえる。気持ちいいの我慢してるのかな?俺だって…俺だって我慢してるよ…。
俺だって!!本当は自分の着ている寝間着を脱ぎ捨ててだな!!体全身でクロノたんの素晴らしい筋肉の付いた背中を味わいたいのよ!!そのもふもふの海にダイブしたいのよ!!それをっ、それをっ、我慢して…くぅ────。だからね、クロノたんもどこまで我慢出来るか試してみようね?さぁ、仰向けになってくださいな。
41
あなたにおすすめの小説
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
過労死で異世界転生したら、勇者の魂を持つ僕が魔王の城で目覚めた。なぜか「魂の半身」と呼ばれ異常なまでに溺愛されてる件
水凪しおん
BL
ブラック企業で過労死した俺、雪斗(ユキト)が次に目覚めたのは、なんと異世界の魔王の城だった。
赤ん坊の姿で転生した俺は、自分がこの世界を滅ぼす魔王を討つための「勇者の魂」を持つと知る。
目の前にいるのは、冷酷非情と噂の魔王ゼノン。
「ああ、終わった……食べられるんだ」
絶望する俺を前に、しかし魔王はうっとりと目を細め、こう囁いた。
「ようやく会えた、我が魂の半身よ」
それから始まったのは、地獄のような日々――ではなく、至れり尽くせりの甘やかし生活!?
最高級の食事、ふわふわの寝具、傅役(もりやく)までつけられ、魔王自らが甲斐甲斐しくお菓子を食べさせてくる始末。
この溺愛は、俺を油断させて力を奪うための罠に違いない!
そう信じて疑わない俺の勘違いをよそに、魔王の独占欲と愛情はどんどんエスカレートしていき……。
永い孤独を生きてきた最強魔王と、自己肯定感ゼロの元社畜勇者。
敵対するはずの運命が交わる時、世界を揺るがす壮大な愛の物語が始まる。
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
【完結】婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
【bl】砕かれた誇り
perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。
「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」
「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」
「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」
彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。
「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」
「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」
---
いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される
Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。
中1の雨の日熱を出した。
義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。
それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。
晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。
連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。
目覚めたら豪華な部屋!?
異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。
⚠️最初から義父に犯されます。
嫌な方はお戻りくださいませ。
久しぶりに書きました。
続きはぼちぼち書いていきます。
不定期更新で、すみません。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる