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しおりを挟むあの後、お風呂でサッパリした俺は午後からの勉強も無くなり、今朝の出来事が嘘の様にまったりと小説を読んで過ごした。ほんとはエロおやじなんて存在しなくて、夢だったんじゃないか?そう思う程に平和だった。翌日のヘラの言葉を聞くまでは…。
今日も勉強無くならないかなーと、サボる事を考えていると食後の紅茶を準備しているヘラがサラリと恐ろしい事を言った。
「今日は午後からガイ様にお部屋に来るようにと申し使っております」
「えっ、何でッ?!」
「…昨日の事をシオン様から聞きたいのでは?」
なぁぬぅー?!エロおやじから話を聞いているんだったらそれで良いだろ?!何で俺にまで…。指を艶感溢れる美髪の毛の中に突っ込み頭を振る俺にヘラは追い討ちをかけてきた。
「昨日、変態を尋問した内容とシオン様のお話に相違が無いか確かめたいそうです」
ゴンッ!!机に突っ伏した時に額を打ったがそんなの気にならない。既に尋問が終わっていると言う事が問題なのだ…。もっと抗えよ!耐えろよ!直ぐに吐くんじゃねぇよ!!どうせあの変態の事だ…快感に弱そうだったし…何をされたかは知らんが…まぁ、話してしまったのだろう。
ちょっと待てよ。まさかガイにエッチな尋問されたんじゃないだろうな?!だとすれば…なんて羨ましい…。俺だってガイにされたい。ドSなガイ…でへっ。よし、本人に聞こう。どうやったのか詳しく聞こう。
「分わかった」
「では、午後の勉強は午前に変更しておきます」
「えぇーッ?!」
「…」
当たり前だと言わんばかりにヘラのしっぽがバシバシと床を叩いている。怖い…ヘラさん無言は止めて。
みっちりと勉強を終えたあと、俺はヘラに付き添われフラフラとガイの部屋に向かった。もうダメだ…。今日の気力は使い果たしたわ。
「シオン様。またお迎えに上がりますので」
それだけ言うとヘラは廊下の奥に消えていった。いつも思うけど、歩く速度はやいよね?普段は俺の歩く速さに合わせてくれているんだろうな。さり気ない気遣いに心が温まる。
「ふぅー気合い入れますか!!」
自分の頬を両手で挟みパンパンと軽く叩いた。
コンコン
「シオンです」
「入れ」
直ぐに返されたガイの声。今日も低音イケボ素敵です!!ひょこっと扉から部屋の中を覗くと、ソファに腰掛けていたガイが立ち上がる所だった。
「シオン。こっちだ」
手招きで俺を呼ぶガイは、何故か自分の隣に座る様に案内してくれた。何故隣りなのか?普通は前に座るんじゃないの?当たり前の様に案内されたんだけど、俺がおかしいのかな?ソファに腰掛けなが疑問を口にしてみる。
「なぁ、どうして隣に座るの?」
「それはシオンの話を聞き逃さない為だ」
「へぇー、じゃぁ、どうして距離が近いの?」
「それはシオンの表情を良く見るため為だ」
会話をしながらふと思う。おっ、これは某赤ずきんを被った少女が出てくる童話のオオカミとのやり取りに似ていると…。って事はだよ、最後のセリフは「どうしてそんなにお口が大きいの?」「それはお前を食べる為(性的な意味で)だよ!!」と繋がるのか…18禁だな。新しいジャンルを開拓しちゃったわ。ガイさんナイスです!!
「すまないな。嫌な事を思い出させるが、記憶が新しいうちに供述内容の確認をしたい」
「あぁ、問題ないよ。でも、俺あんまり役に立たないかも…」
これは牽制である。俺が乳首で感じた事がバレない為の。アイツが何を言おうと俺は感じてない!!喘ぎ声なんで出してない!!
「では、犯人の供述内容を読み上げる。都度、相違が無いか確認するから教えてくれ」
ドキドキしながらガイの声に集中する。アイツは一体何を話したのだろう。ガイがノートを手に取り広げる。俺は不安と期待でいっぱいだ。
「では…シオン様を一目見て早く触れたいと思いました。診察だと言うと躊躇いつつも、シャツを寛げる仕草に、年甲斐もなく軽く勃起してしまいました。赤くぽってりとした乳首に聴診器を当てると、少し反応があり、もっとグリグリするとシオン様から小さな喘ぎ声漏れ、私は…」
「ちょっと待てやー!!!!」
机を両手でダンと叩き、ガイの読み上げを遮る。なんだこの供述はおかしいやろ!!アイツ何をノリノリで喋ってくれてんだよ!!
まるで自分が登場する官能小説を朗読されている気分だ。絵本の読み聞かせならぬ、官能小説の読み聞かせ。よりによってガイに…。興奮要素しかないんですけど!!
不審に思ったガイが大丈夫か?と声を掛けてくれるが、それどころでは無い。何を詳細に語ってくれとんじゃ!!心でエロおやじに文句を言っていると、優しく肩に手を置かれた。
「辛い思いをさせてすまない…」
心配してくれるガイまで辛そうな顔をしていた。ガイは純粋に俺の事を思ってくれているのに…俺は、俺はなんて不純なんだー!!
「悪い…取り乱した。続けてくれ」
ソファに座り両肘を膝の上に立て、表情を隠す為に両手を口の前で組んだ。これから地獄のような朗読会が始まろうとしている。俺は目を瞑り口元を引き締めた。
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