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しおりを挟む「じゃぁ、続きを読むぞ。私は…からか。私は夢中で愛撫しました。そのせいか純粋なシオン様は心音が聞こえないと焦ったようでご自身を心配する質問をされていました。私は仕方なく小指でもう片方の刺激を待ちわびている乳首をつつきました。胸を突き出すように刺激催促姿は愛らしく加虐心を煽られました…」
無意識に眉間に深い皺が刻まれていく。羞恥心でプルプル体が震えだす。もうダメだ!!組んでいた両手は力を込めすぎて白くなってきた。
「異議あり!!」
思っいきり手を挙げて異議を叫んだ。もう堪らん!!聞くに耐えないとはこの事だ。
「俺は乳首で感じてなんかない!!全部あのエロおやじの妄想だ!!」
「ほう?では、供述は嘘だと?」
「あぁ、その通り!!嘘っぱちさ!!」
「では…虚偽の供述をした事になる。処分は更に重くなるだろう。斬首が妥当かもしれんな…」
「斬首…」
やり過ぎだと言いたいが俺は腐っても王族…。俺の発言ひとつで人の生死が左右されるなんて…。別にあのエロおやじに死んで欲しい訳じゃない。
「むぅ~」
困ったように唸り、考えあぐねる様に首を傾げるが全然ダメだ。助けを求めようとガイに目線をやると、その手に持つ物に目が止まった。えっ、何それ?どっから出てきたの?!
そう、ガイの手の中には昨日エロおやじが持っていた聴診器があった。
「虚偽の供述をしているかどうか、今から検証するとしよう」
涼しい顔をしているが、つまりそれは昨日の再現プレイをすると言う事…。面をくらってぽかんとアホずらをする俺。驚きのあまり声も上手く出てこない。
「えっ、えっ、えぇぇー?!」
唇の端をピクピクさせて、引きつった顔で身振り手振りで嫌だと伝えるが、睨み付けるほど真剣なイケメン顔のガイに負けた。
承諾をし、シャツのボタンに手を掛け始めるとガイの口角が上がったような気がした。こいつ楽しんでるんじゃないだろうな?ガン見してくるガイに眉を顰めて見詰め返すとフイと視線を逸らされた。
そうだいい事を思いついた!!
「なぁ、ガイ…実は供述が間違っている箇所があってさ、シャツのボタンは…本当は…エロおやじに外されたんだ…」
伏し目がちに大袈裟に溜息を着く。途中まではだけたシャツを両手で掴みぎこちなく笑う。どうよ俺様の演技は!!少し歯を食いしばったのか、ガイの鋭い歯がチラ見えした。
「シオン…そうか…ならば…」
いつもり低いトーンの声。怒ったんかな…?ちょっと不安になるが、ガイはゆっくりとシャツを掴む俺の手を外し、ボタンに手を掛けた。ガイの一つ一つの動作の破壊力は凄かった…。自分で言っておいて何だけど、本当に指先の動きがエロくて、少しもふもふが素肌を掠める度に吐息が漏れてしまった。
俺の白い素肌がガイの目に晒されているという興奮。今からされるエロい検証への期待。聴診器を持つガイの手に自然と目線が動く。
ピタッ
聴診器が肌に触れると冷たさでビクンと体が跳ねた。エロおやじとは違い、聴診器の先で乳輪を円を描くように、そして撫でるように捏ねられた。執拗なまでの乳輪愛撫に耐えきれず、俺は小さな喘ぎを上げてしまった。
思わず両手で口を覆う。射抜くようなガイの目と視線が絡む。喰われてしまいそうだ…。
「んっ、ふっ…ゃだぁ…そんな事されて…なぃッ」
抗議の声は聞こえているはずなのに無視される。それどころか、聴診器で乳首をグリグリ押しつぶすように動かし出した。
「次は聴診器を持ち替えて…だったな」
その愛らしいお耳は機能してるんですか?!こんなにも憎たらしいのに可愛くてモフりたいと思ってしまうのは惚れた弱みか…。
ガイのフサフサとした小指が俺の乳首をぐにぐにと刺激する。もふもふはくすぐったいし、乳首は気持ちいいし、なんだか体が熱い。
「んッ……ガイッ…」
ガイに触られているという事実が俺の興奮を煽る。乳首は開発途中なんだが…。ガイの手つきがヤバイ…。このままでは乳首でイッてしまう…。身をよじり逃げようとすると、空いていた手がもう片方の乳首を捻じるように摘んだ。そして、乳首を親指と人差し指でコロコロと転がし始める。
「いっ…ッ!!んっ、あっ…ゃめ…ッ、」
「その顔をアイツに見せたのか?」
ガイの咎めるような言い方に心がときめく。ドS束縛大好きです!!だって裏を返せば、俺以外に見せんじゃねぇって事だろ?イケメンのみに許されるセリフ。やっぱり草食系より断然、ワイルドな肉食系が俺は好き。
「ガイ…」
思わず好きだと気持ちを伝えそうになる口を閉ざした。まだダメだ。だって、主人公がガイを選ぶ可能性だってあるのだ。そうなれば…俺は…。
「ガイ…」
急に切なくなって泣きそうな顔を微笑みで誤魔化す。温もりを確かめる様に手を伸ばし、胸にガイのもふもふの頭を抱き込んだ。大丈夫。今はまだ俺のそばに居る。だから俺は大丈夫。
「アイツがお前にそんな顔をさせていると思うと…腹が立ってしょうがない」
ガイは吐き出すように言うと、頭にぐいと力を込め俺をソファに押し倒した。ガイの吐息が胸にかかり、体が勝手にビクビクする。胸に乗っかるガイと目が合う、それはギラギラしており、今にも噛み付かんばかりに光っていた。俺は期待に溢れた目で見返す。あぁ、早く俺の事を喰ってくれないかな…。
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