嫌われ悪役王子は死にたくない!!《本編完結済》

えの

文字の大きさ
36 / 43

番外編⑷

しおりを挟む


んッ、んッ、んッ、規則正しい小さな声。そんな悩ましい声が隣から聞こえては俺はそちらを見られずには居られない。決して厭らしい事をしている訳ではありませんよ?これは筋トレ仲間のアレンが限界まで自分の体を追い込んでいる為に漏れている声だ。

今日はあいにくの雨なのでアレンと室内で仲良く筋トレをしているのです。俺専用の筋トレルームで。俺専用の!!ちゃんと皆が使える筋トレルームがあるんだけど、ガイがそこは使ったらダメだって厳しく言うんだ…。騎士団の人達がいっぱい居る上に、合法的に裸体が見放題…そんな素晴らしい妄想膨らむ場所に何故出入り禁止なのか…。まぁ、お察しですよね。ガイさん俺が絡むと過保護なんで、そんな独占欲丸出しを俺も嬉しいとか思っちゃうんですよ。

そして、俺の隣で惜しげもなく上半身の服を脱ぎ、美しい筋肉を晒すアレン。流れる汗がイケメンに拍車をかける。一方、隣でなんとなーく背筋を鍛える俺。背筋鍛えると床上手になるって知ってた?エッチも意外と体を使うので、ガイに気持ち良くなってもらう為に頑張らないとッ!!と思いつつ、アレンの筋肉美にまた目がいってしまう…何がそんなに気になるのかって?それは…アレンさんの胸のお飾りが尖って主張しているからですよ!!本人気付いてなんかな?

実は…最近悩んでいることがありますある。それは乳輪が前よりデカくなったんじゃないかと言う事だ…。ガイは多忙なので、1週間放置プレイされる時もある…そんな時はお風呂場で1人遊びを楽しむんだけど…調子に乗って弄り過ぎたのかな?ガイもエッチの時は入念に乳輪愛撫してくるし…これ以上の肥大化は阻止したい。その前に俺のサイズは普通なのか確認したい…。ガイ以外に乳首を見せ合う仲のアレンに聞いてみようかな。

「なぁ、アレン」

ダンベルを持ったままのアレンが顔だけをこちら向ける。俺は少し距離のあるアレンにシャツのボタンを外しながら近づいて行く。

「な、な、な、な、何をッ?!」

ドンッ!!とアレンが持っていたダンベルが手から滑り落ち床をへこました。俺は気にすることなくシャツの前を寛げ、アレンの前に立った。なんか…ちょっと…俺露出魔みたいなってるな…。まぁ、知らない人に見せてるわけじゃないし!!いや、知ってる人でもダメだけど、アレンは筋トレ仲間なので大丈夫!!

「なぁ、俺の乳輪って大きいと思う?」

「ぶはっ!!」

震える両手で顔を覆い隠し何も答えてくれないアレン。これでは続きが説明できないでは無いか。むしろ手を退けないと乳輪サイズ確認して貰えないじゃん!!ってか前も思ったけどコイツ俺が体を見せつける度に吹き出してるな。失礼しちゃうわ!!アレン見てよ、アレン、と何度呼び掛けても無視される。そんな時、俺の目の前にアレンのそそり立つ乳首が目に入った。途端にイタズラ心が湧いてくる。ダメだ…でも…あぁぁぁ…そして俺は誘惑に負けた。

ポチッ

両人差し指を突き出し、アレンの乳首ボタンを同時に押した。結構弾力があったのでそのまま、ぐにゅ、っと乳輪に埋もれる程の力で押してみた。

ドォーンッ!!

凄い音を立ててアレンが後ろに倒れる。顔は手で隠したままの格好で…えっ、何急に?!大丈夫?!意識あんのかッ?!突然の事に驚き、テンパった俺はアレンの硬い腹の上に跨がり、大丈夫か?!生きてますか?!と呼びかけるが返答はない。顔をガードしている手をどかそうと身を乗り出した時、ガチャと扉が開く音がした。

「どうした?凄い音が聞こえた様だが…」

ドアから顔を覗かせるガイと目が合う。凍りつく俺。ガイは目を見開いた後、世にも恐ろしい顔に変貌した。すかさず、俺はアレンの上から飛び退く。捕まったらヤバそうな雰囲気ですよ!!一目散に窓目掛け走り出すが無駄な足掻きだった。軽くジャンプしただけのガイに簡単に捕まってしまう。飛距離おかしいでしょ?!いや、ヘラさんの時にも思いましたけど、完全獣人ってチートじゃんか!!

簡単にガイの腕の中に収まった俺を無言で部屋から連れ出す。いや、アレンの事を心配してよ!!持病だったらどうすんのよ?!頭打ってたから記憶喪失なったらどうすんの?!バンバンとガイの胸を叩き抗議の声を上げる。

「ちょぃ!!待てッて!!アレンが…」

「黙れ」

聞いたことも無い恐ろしいドスの効いた声で言い放つとガイはそのまま止まることなく歩き続けた。連れてこられた場所は机と椅子、そして面格子の取り付けられた窓が1つあるだけの質素な部屋だった。なんだこの部屋…まるで警察の取調室みたい。今から何をされるのか…不安と緊張。そしてエロいお仕置かもしれんと期待の感情が入り乱れる。


しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします

椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう! こうして俺は逃亡することに決めた。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

小学生のゲーム攻略相談にのっていたつもりだったのに、小学生じゃなく異世界の王子さま(イケメン)でした(涙)

九重
BL
大学院修了の年になったが就職できない今どきの学生 坂上 由(ゆう) 男 24歳。 半引きこもり状態となりネットに逃げた彼が見つけたのは【よろず相談サイト】という相談サイトだった。 そこで出会ったアディという小学生? の相談に乗っている間に、由はとんでもない状態に引きずり込まれていく。 これは、知らない間に異世界の国家育成にかかわり、あげく異世界に召喚され、そこで様々な国家の問題に突っ込みたくない足を突っ込み、思いもよらぬ『好意』を得てしまった男の奮闘記である。 注:主人公は女の子が大好きです。それが苦手な方はバックしてください。 *ずいぶん前に、他サイトで公開していた作品の再掲載です。(当時のタイトル「よろず相談サイト」)

婚約者の前で奪われる!?王太子が僕の番だった夜

BL
僕は辺境伯家の嫡男レオン・グレイスフィールド。 婚約者・隣国カリスト王国の辺境伯家、リリアナの社交界デビューに付き添うため、隣国の王都に足を踏み入れた。 しかし、王家の祝賀の列に並んだその瞬間、僕の運命は思わぬ方向へ。 王族として番に敏感な王太子が、僕を一目で見抜き、容赦なく迫ってくる。 転生者で、元女子大生の僕にはまだ理解できない感覚。 リリアナの隣にいるはずなのに、僕は気づけば王太子殿下に手を握られて…… 婚約者の目の前で、運命の番に奪われる夜。 仕事の関係上、あまり創作活動ができず、1話1話が短くなっています。 2日に1話ぐらいのペースで更新できたらいいなと思っています。

病み墜ちした騎士を救う方法

無月陸兎
BL
目が覚めたら、友人が作ったゲームの“ハズレ神子”になっていた。 死亡フラグを回避しようと動くも、思うようにいかず、最終的には原作ルートから離脱。 死んだことにして田舎でのんびりスローライフを送っていた俺のもとに、ある噂が届く。 どうやら、かつてのバディだった騎士の様子が、どうもおかしいとか……? ※欠損表現有。本編が始まるのは実質中盤頃です

オメガな王子は孕みたい。

紫藤なゆ
BL
産む性オメガであるクリス王子は王家の一員として期待されず、離宮で明るく愉快に暮らしている。 ほとんど同居の獣人ヴィーは護衛と言いつついい仲で、今日も寝起きから一緒である。 王子らしからぬ彼の仕事は町の案内。今回も満足して帰ってもらえるよう全力を尽くすクリス王子だが、急なヒートを妻帯者のアルファに気づかれてしまった。まあそれはそれでしょうがないので抑制剤を飲み、ヴィーには気づかれないよう仕事を続けるクリス王子である。

愛を知らない少年たちの番物語。

あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。 *触れ合いシーンは★マークをつけます。

処理中です...