俺だけもらえるベーシックインカム~異世界ニートな俺が、働かなくてもいい理由~人生疲れて生きる意味を見失っていたけど、異世界行ったら余裕でした
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
文字の大きさ
大中小
25 / 40
第25話 進化
しおりを挟むあれからも俺は冒険者ギルドに通って、クエストを受け続けた。
シロと力を合わせれば割と楽にどんなクエストでもこなせることがわかったので、いい稼ぎになった。
これで当分、もはや金には困らないだろう。
もとより生活費はかからないので、ほとんどを貯金に回せる。
ベーシックインカムってマジで助かるなぁ。
こうやって金を稼ぎはじめて、ようやくその真価がわかったような気がするな。
日本もこの制度取り入れればいいのに……。
まあ、異世界で暮らす俺にはもう関係のないことだ。
「ワンワン!」
「よし、今日もよく頑張ったなシロ!」
今日もシロがかなり多くのモンスターを倒してくれたから、すぐにクエストが終わった。
シロは褒めてくれと言わんばかりに、倒したモンスターのドロップアイテムをくわえて持ってくる。
俺はそれを受け取り、頭を撫でてやる。
そんなふうにして、毎日クエストにいそしんだ。
モンスターと戦うのは、スリルがあって楽しかった。
それに、どんどん魔法の使い方がうまくなるし、金もたまっていくから、ゲーム感覚で楽しめた。
まあ、もとより異世界はゲームっぽい世界ではあるけど。
まぎれもなくこれは現実なのだが、どこかゲームの世界に入って冒険しているような楽しさがあった。
そんなふうに、数週間が一瞬で過ぎていった。
◇
ある日のことだ。
それは唐突に起こった。
シロがいつものように、モンスターを倒した――その瞬間。
シロの身体がぱあっと不思議な光に包まれたのだ。
「な、なんだこれ……!?」
「ワン……!」
シロは困惑するでもなく、ただただ喜んでしっぽを振っている。
ということは……これはなにか知ってるのか?
そしてそのまま、シロはまばゆい光に包まれた。
「うわ……! まぶしい!」
あまりに強い光に、シロを直視できない。
白い光に包まれ、シロの姿が見えなくなる。
そしてシロを包んだまま、光はどんどん大きくなる。
次第に光は形を変え、犬のような形から巨大な狼のような形へと変化した。
「こ、これって……どういうことだ……!?」
俺はこれににた現象をよく知っている。
昔、子供のころよく遊んだゲーム。
あのモンスターを集めて育てる、有名なゲーム。
その中で、モンスターが進化するときに、こんな感じになったはずだ。
まさか……シロ……お前、進化するのか……!?
「ガルルルルル!!!!」
光が消え、次に目を開けたときには、そこにいたのはシロではなかった。
以前のような小さな子犬ではなく、それは紛れもない白狼だった。
鋭い牙に、風になびく美しい毛並み。
額には真っ赤な紋章がうかびあがっている。
それは犬というより、モンスターだった。
「うわあああああああああああ!?」
いきなり目の前に凶悪な見た目のモンスターが現れたせいで、俺は驚いてしまう。
シロはどこにいったんだ……!?
混乱してしまう。
すると、そんな俺に、白狼はやさしく寄ってきて、頬をぺろりとなめた。
「おまえ……シロ……?」
見た目は変わっていても、それは紛れもなくシロだった。
「くーん」
「はは……シロ……! おっきくなったな……!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
134
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる