夢と葉桜

棗颯介

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夢と葉桜

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「理想的で青臭くて、現実だったら当たり前のことをさも美しいことみたいに描いて。いい話っちゃいい話なんだけどちょっとあざといのよね。なんかこう、泣かせてやろうっていう意図がひしひしと伝わってくるっていうか」

 いつだったか、彼女はそう言った。
 結局自分の書いた物語で彼女を泣かせることは一度もできなかったな。

 新幹線に乗り込んだ僕は窓際の席に座ると、唯一の荷物である小ぶりな肩掛け鞄を隣の空席に置く。自由席だからすぐに座られてしまうかもしれないけど、まぁ平日の昼間なら乗客もそう多くはないだろう。
 それに、いまさらそんな些末なことを気にする必要もないんだ。
 今日で最後なんだから。

 窓辺で頬杖をつきながらぼーっと駅のホームを見ていると、嫌でも人の姿が目に入る。
 家族連れからカップル、スーツケースを引きずる旅行者にきっちりとネクタイを締めてスーツを着込んだサラリーマン。
 一体、あの中で自分の書いた物語を読んだ人が何人いるのだろう。
 読んでくれた人は、僕の考えた物語で感動してくれたのだろうか。
 僕と僕の作品を覚えてくれている人は、いるのだろうか。
 そんなことを考えていると、新幹線の発車を伝えるアナウンスが耳に響いた。

『この新幹線は新青森行きです。まもなく発車いたします』

 さぁ、僕の人生最後の旅だ。
 かつて小説家を名乗っていた誰かを乗せた白い蛇は、時速320kmの旅を開始した。

 ▼▼▼

 僕が生まれ育った町は、海沿いの小さな町だった。
 本当に何もなくて、ただ退屈と、どこまでも広がる青い海だけがあの頃の自分の世界のすべてだった。
 そんな閉鎖的な町で育ったせいか、昔から僕は引っ込み思案で出不精だった。
 学校の休み時間は友達とグラウンドで遊ぶよりも、図書室に籠もって本を読んでいるような子供だった。
 そんなだから、僕はよくクラスメイトからいじめられていた。物を隠されたり廊下を歩いているときに突然後ろから蹴られたり、給食の余りを押し付けられたり。気弱だった僕は当然抵抗なんかできなくて、よりいっそう自分の世界に引きこもるばかりだった。
 でも、“彼女”は決まっていつも僕を助けてくれた。

「二度とこいつのこといじめたら、ただじゃおかないからね!」

 いつもそう言って、床に崩れる僕といじめっ子たちの間に立ち塞がって僕を守ってくれたものだ。
 彼女に助けられるたび、自分がひどく惨めで仕方なかった。でもいじめっ子に逆らえない僕には気の強い女の子にも当然頭が上がらなくて。よく学校の帰りに、地元の海を見渡せる岬に一本だけ立っていた桜の木の下にあるベンチで怪我の手当てをしてもらっていた。

「まったく、あんたも少しは強くなりなさいよ。じゃないとあいつらいつまでも調子に乗るわよ?」
「別にいいよ、どうだって」
「はぁ?何がどうだっていいの?」
「僕は、こんな町のことなんてどうでもいい。だからこの町で何されようがどうだっていい」
「こんな町って。自分が生まれ育った町なのに好きじゃないの?」
「だってこの町、何もないし退屈だし。本読んでた方がよっぽど楽しい」
「そうやってずっと自分の世界に閉じこもってるつもり?あんたが生きてるのは本の世界じゃなくて現実なのよ?」

 よくそんな説教をされていたな。
 だから僕は、自分で物語を書き始めた。最初は、彼女に対するささやかな抵抗のつもりだったんだと思う。自分の世界に閉じこもっていることが駄目なら、自分の世界を他人にも共有して分かってもらおうとか、そんなことを考えていた気がする。今思い返すと、実に子供っぽくて、青臭くて笑ってしまう。だけど、あの青さを失ってしまった今となっては、あの頃何も考えずに毎日原稿用紙にペンを走らせていた自分が羨ましく思える。ただ純粋に、書きたいことだけを書く。真っ白な原稿用紙は自分だけの世界を描くキャンバスで、まるで自分が神様になった気分だった。書けば書くほど、書くことが好きになって。
 初めて彼女に自分の書いた物語を読んでもらった時のことは今でも忘れない。

「え、これあんたが書いたの?」
「う、うん」
「すごいじゃない!小学生なのによくこんな難しい言葉知ってるわね」

 褒めるところが微妙におかしかったっけ。でも、彼女に初めて褒めてもらえたことが、僕はただただ嬉しかった。

 ▲▲▲

 車窓から見える景色は、都会の摩天楼から地方の田園風景と雄大な山々に姿を変えていた。
 東京に引っ越してからは一度も地元に帰ることはなかったから、この自然溢れる風景がどこか新鮮に感じる。地元にいた頃はテレビの向こう側に広がる東京のビルの群れや人混みに恋焦がれていたのに、それが今ではすっかり自分にとって当たり前の日常と化してしまっていた。
 地元にいた頃は、早く大人になりたいと思っていた。毎日毎日、通いたくもない学校に通って、代わり映えのしない町と海を眺めて、いつかこの小さな世界を出て何かを変えたいと、それだけを考えていた。
 あの頃の自分は、無限の可能性に満ちていた。何もない小さな世界にいたからこそ、何にだってなれる道があった。
 でも当時の自分は、小説家になる以外の道は自分にはないと思い込んでいた。
 もし仮にあの頃に戻ることができたとしても、きっと自分は同じ道を選ぶんだと思う。
 彼女がそう言ってくれたから。

『次は、仙台、仙台です』

 ▼▼▼

「結末を曖昧にして読者に想像の余地を残すのは味があっていいと思うのよ。でも、この主人公、ヒロインのために死ぬのはいいんだけどさ、そこに至るまでの過程の心理描写が足りない気がするかな」

 高校生になってからも彼女と僕は一緒だった。その年の頃になると僕もそれなりに身体は大きくなって、力もきっと彼女よりも強かったと思う。学校での人付き合いのやり過ごし方もこの頃には自然と身についていたから、いじめられるようなこともなくなっていた。
 相変わらず僕は小説を書くことに夢中だった。部活動にも入らず、授業中も面白いアイディアを思いついてはノートの端やメモ帳に走り書きをしていたものだ。
 そうして物語を書いては、岬の桜の木の下のベンチで彼女に読んでもらうのが唯一の趣味だった。もっとも、桜が咲いていたのは当然春の時期だけだけど。
 彼女は本当に良い読者だった。作品の良いところも悪いところも一切ためらわず、言葉を選ばず言ってくれる。あの頃僕が小説を書くスキルを高めることができたのはひとえに彼女のおかげといってもいいだろう。

「そっか、意見ありがとう。参考になったよ」
「あんたさ、高校卒業したらどうするの?」
「え?」
「そろそろ私達も受験とか就職の時期じゃない。なんか考えてるの?」
「んーと、そっちはどうなの?」
「私?私は学校の先生目指してるから、そっち系の大学行こうと思ってるよ。大学出たら小学校の教員免許取る予定」

 教師の仕事は、気が強くて優しい彼女にはこれ以上ないくらいぴったりだと思った。

「で、あんたは?」
「えっと……」
「何?まさかこの時期に何も考えてないなんてことないでしょ?」

 彼女の強くて真っすぐな瞳が僕を捉えて離さない。この目をしているときの彼女には昔から取り繕うことができなかった。

「……小説家になりたいかなって」

 それは、当時の僕にとってはあまりにも大きくて、荒唐無稽な夢だった。
 プロの小説家としてやっていくことがどれだけ困難か、当時から執筆活動をしていた僕でも知らないわけがなかった。
 きっと先生や親からも反対されるだろうということも、周りに言えば馬鹿にされるだろうということも分かり切っていた。
 でも、彼女は違った。

「そっか、うん、ぴったりだと思うよ」
「え?」
「だってあんた、人付き合いも苦手だし、かといってこの町みたいな人の少ない田舎も好きじゃないんでしょ?なら普通の会社員とかよりも小説家の方がよっぽど合ってると思う。あんた文才あるしね」
「……本当にそう思う?」

 僕が不安げに聞くと、彼女はため息をついてベンチから立ち上がった。

「私が何年あんたの書いた小説読んできたと思ってんの?大丈夫、あんたならきっと小説家になれるって」
「……そっか。ありがとう」

 あの日から、小説家としての僕の旅は始まっていたんだと思う。

 ▲▲▲

『終点、新青森です。お忘れ物にご注意ください』

 やはりというべきか隣の座席には結局誰も座ることはなかった。
 荷物のほとんど入っていない肩掛け鞄を背負い、足早に新幹線を下りる。ここからさらにJRの電車をいくつか乗り換えて、バスに乗れば懐かしき故郷だ。まだ時間はかかるが、この駅に着いた時点で空気が東京とは違うことがはっきりと分かる。この空気がひどく懐かしいと思う程度には、自分はすっかり東京の空気が鼻に染みついてしまっているようだ。

 あの日、僕はこの駅から新幹線で東京に旅立った。
 人生の第二幕が始まると、心震えていた。
 同時に、どうしようもなく怖かった。
 でも、怖くても前に進もうと、自分で自分を必死に鼓舞していた。
 彼女のために。

 ▼▼▼

「じゃあ、今日でサヨナラね」
「うん、そうだね」

 高校を卒業したあの春。
 いつも二人で過ごしたあの岬には、時期外れの白い桜の花が咲き誇っていて、岬から見える海の水面は、これから先の僕たちの人生に待ち受ける世間の荒波なんて微塵も感じさせないほど穏やかだった。

「あのさ、最後にこれ、読んでくれない?」
「これは?」
「東京に行く前に、最後に書いた。君に読んでもらいたくて」
「…うん、わかった」

 高校卒業前、東京に出て小説家になることを決めた僕が地元で最後に書いたのは、お互いの夢のためにそれぞれ別々の旅に出る幼馴染の男女の物語だった。
 何度も何度も書き直して、何枚もの原稿用紙を無駄にして、やっとの思いで書き上げた物語。
 あの時の自分の持てる力のすべてを出し切った力作だった。

 桜舞い散る木の下で黙々と原稿用紙をめくる彼女の姿を、僕は必死で目に焼き付けていた。
 彼女が僕の書いた小説を読んでくれるのは、もしかしたらこれで最後になるかもしれなかったから。

 最後の原稿用紙に目を通した彼女は、静かに紙をたたむとそれを僕に返却する。

「なんていうか、あんたらしいお話ね」
「僕らしい?」

 予想の斜め上の感想に少々面食らった。

「理想的で青臭くて、現実だったら当たり前のことをさも美しいことみたいに描いて。いい話っちゃいい話なんだけどちょっとあざといのよね。なんかこう、泣かせてやろうっていう意図がひしひしと伝わってくるっていうか」

 こんな感想を言われたのは初めてだった。
 悪かったところや改善点を言うのはいつものことだが、彼女は良かったところと悪かったところを必ず合わせて言ってくれる。良いところを一つも言ってくれないことは今までなかった。

「だからさ」
「……?」
「あたしが心から感動して泣けるようなお話、書けるようになりなさいよ」

 海風に乗って散る桜吹雪の中でそう言った彼女の笑顔は、今まで見てきた中で一番美しかった。

 ———あぁ、もしできるなら、本当は今日ここで告白したかったんだけどな。
 ———ここまでボロクソに言われちゃったら、かっこ悪くて言えないや。

「……うん、ありがとう」

 今思えば、あの時彼女があの物語を少しも褒めてくれなかったのは、彼女なりの優しさだったのかもしれない。
 あそこで僕が彼女に思いを伝えてしまえば、僕の小説家になるという夢を邪魔してしまうかもしれないから。
 僕が書いたあの物語も、主人公とヒロインは思いを伝えずに別れていた。
 僕たちには僕たちの夢があって、それぞれ行くべき旅路がある。
 今はまだ、二人で一緒に歩くことはできないと。

 だから僕はあの時決めた。
 絶対プロの小説家になって、彼女の心に響くような作品を書こう。
 彼女が心から感動して泣いてくれるような物語を書けたときに、もう一度彼女に思いを伝えようと。

 ▲▲▲

 地方の電車の本数の少なさと走るスピードの遅さに、少なからず自分は戸惑っていた。
 地元にいた頃は何とも思っていなかったが、東京の生活を経てから改めて体感するとここまで違うのかと思う。
 まるでここと東京とで時間の流れる速さも違うように感じてしまう。
 ほとんど乗客のいない電車の車窓から見える景色から、徐々にあの狭くて小さな世界に近づいていることが分かる。
 でも、人生最後の旅行なんだ。のんびり行こう。

 車窓から覗く空はどうしようもなく青い。
 どうして心が荒んでいるときに限って空は青いのだろう。

 ▼▼▼

 東京に出た僕は、思っていたよりもあっさりと小説家としてデビューできた。
 もちろん決して苦労がないわけではなかったし、食べることに困るときだってあったけれど、でも彼女の想いに応えたいという一念が僕を支えていた。原稿用紙を何枚も無駄にして、高価なパソコンを購入して、プロとして成功している作家の作品を毎晩研究して、いろんな出版社に何作も作品を売り込んだ。
 そうして初めて自分の書いた物語が本になって書店に並べられたときは本当に感動した。
 ようやく一歩前に進むことができたという手ごたえがあった。
 それからは、ただ毎日無我夢中だった。
 書きたい物語を書いて、理想の登場人物を生み出して、思うままの世界をキーボードで打ち込んでいった。
 時には醜い物語も書いた。
 ただただ、もっと高みを目指して、もっと多くの人に自分の世界を届けたい。彼女にも自分の名前が伝わるくらい。自分が書いた物語で沢山の人の心を動かして、彼女の心だって動かせるように。

 でも、僕はプロの世界を甘く見ていた。
 書くことを仕事にした以上、僕は自分が書いた作品を通して、それを読んだ読者すべてとコミュニケーションをとっているに等しかった。
 僕の書いた作品で感動し、共感し、涙してくれた人はもちろんいたけど、それと同時に批判する人も少なくなかった。
 最初は気にしないようにしていた。
 彼女にだって悪いところを指摘されることはしょっちゅうだったんだから、改善して次に繋げればいいんだと、自分を納得させていた。
 だけど、自分が書けば書くほど、読む人は増える。
 読む人が増えれば、批判の声も大きくなる。
 その声が、まるでノイズのように僕の世界に充満していく。

 いつしか僕は、小説が書けなくなっていた。
 仕事の関係者からは休養を勧められた。
 次第にアルコールに溺れるようになった僕が、暴力事件を起こすのにそう時間はかからなかった。

 一度罪を犯した僕に、居場所はもうどこにもなかった。

 僕の夢は、僕の旅路は、そこで終わった。

 ▲▲▲

 電車を乗り継ぎ、バスに乗り換えること数十分。

 ———さぁ、僕の人生の終点にとうとう着いてしまった。

 バスを降りた瞬間自分を出迎えてくれたのは、懐かしい匂いに満ちた狭くて小さな世界。
 身を寄せ合うように建っている町並みも、風に乗って運ばれてくる潮の香りも、本当に何も変わっていない。まるで時間が止まっているかのようだ。

 僕は、ここに死にに来た。
 あれほど嫌っていた町なのに、どうして死に場所にここを選んだのか自分でも不思議だ。
 罪を犯して居場所のなくなった自分には、もうこの町しか行く宛てがなかったから?
 この町を旅立つとき、もう二度とこんな狭い世界に帰ってくるものかと思っていたのに。
 どうしようもなく自分がみじめだった。

 力なく歩いていると、足は自然とあの場所に向かっていた。
 彼女と過ごした、海が見える岬に佇む一本桜。
 僕の小さな肩掛け鞄の中には、頑丈なロープが一束入っていた。
 なんとなく、死ぬならあそこだろうと思っていた。
 今の時期は桜の花も散っているであろうことが少し寂しい。
 最後にもう一度、あの桜の花を目に焼き付けておきたかった。

 岬に続く階段をゆっくりと登る。子供の頃は彼女と毎日のように登った階段。当時は彼女に自分の書いた小説を読んでもらうのが楽しみで内心ワクワクしながらこの階段を登っていたのに、今はまるで死刑台に続く階段のようだ。
 遠目に見える地元の海は、今もどうしようもなく大きくて広く、どこまでも続いていそうだ。子供の頃は岬からこの海を見て、水平線の先に広がっている、自分の知らない外の世界に心焦がれていた。
 彼女は、今も外の世界で彼女の旅路を進んでいるのだろうか。
 いや、どうかそうであってほしい。

 最後の階段を登り切った。
 岬にはかつてと変わらず一本桜の木が伸びており、岬からは大きな海が一望できる。
 桜の花はすっかり散り、もう完全な葉桜だ。まるで、夢が散った今の自分のようだと思う。

 そんな葉桜の木陰のベンチに座り、黙々と本を読む女性の姿があった。
 読んでいる本はカバーはついていない。だから表紙のタイトルは見て取れた。
 それが自分が書いた本だということと、女性がこちらに気付いたのはほぼ同時だった。
 彼女がこちらを見た時、自分の思考は完全に停止した。声も出なかった。指一本さえ動かせなかった。うまく呼吸ができない。心臓の鼓動がどんどん早くなる。早く逃げないと。ここから去らないと。そう心が命じているのに、体がまったく言うことを聞いてくれない。

 女性はおもむろにベンチから立ち上がるとこちらにゆっくりと歩を進める。
 その強くて真っすぐな瞳は僕を捉えて離さない。この感覚を、僕はずっと昔から知っている。
 とうとう女性が僕の目の前まで近づいた。
 何も言葉が出てこない。
 何処へ行けばいいかもわからない。
 どんな顔をすればいいのかもわからない。

 そんな僕の心の叫びなどまったく気にせず、目の前の女性はフッと顔を綻ばせた。

「まだ、小説は書いてる?」

 その一言で、今まで溜め込んでいたものがすべて涙になって僕の中から流れ落ちた。
 どうしようもなく自分が情けなかった。
 他の誰に何を言われても、書き続けなきゃいけなかったんだ。
 この人の心を動かせるような物語を。
 この人が涙を流してくれるような物語を。
 なのに。
 今泣いているのは自分の方じゃないか。

 ———あぁ、もう。
 ———これじゃ、いつまで経っても好きって言えないじゃないか。
 ———僕の旅はもう終わっちゃったのに。
 ———ここで終わるはずだったのに。
 ———どうして、君がここにいるんだ。
 ———どうして、あの頃と変わらない笑顔で僕を見るんだ。
 ———どうして……。

 子供の頃みたいに泣きじゃくる僕を、彼女は懐かしい暖かさで包み込んでくれた。
 一本桜はもう葉桜に変わってしまったけど、来年の春にはまたあの頃と同じように白い花を咲かせるのだろう。
 僕の旅路は、どうやらまだ終わらないようだ。
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