身勝手な婚約破棄を受けたら隣国の王子に拾われました

氷見 雪

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いざガルシア王国へ

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   お父様とお母様との話が終わったあと、私は何も考えずにに荷物をまとめていた。 いや、何も考えたくなかったのだろう。
 そして、この家を早く出たかったのだろう…体が勝手に動いていた。

  荷物をまとめ終わると両親にバレないよう、そして両親に何も言わずに家を出た。  何千回、何万回と見た家、そして庭。 恐らく、これからはもう二度と見ることはないだろう。
 
 幼い頃に庭で走って遊んでいた姿を思い出したが、不思議とその思い出に両親は居なかった。 たぶん、いつも一人で遊んでいたからだ。

 他に思うことはない…   この場所から離れよう…

 そう思い私はとりあえず、王都へ向かった。

 特に行き先などなかったが、王都へ行けば馬車を使うことができる。そうすれば、周辺国のどこにへでも行けるからだ。

 この王国、アストラ王国に留まることも考えたが、正直いい予感がしない。 それに強制的に家に連れ戻される可能性もあるから、周辺国のどこかへ行くことにした。
 
 周辺国のどの国へ行くべきか? そう考えた時真っ先に思い浮かんだのは、隣国で大国のガルシア王国だった。

 だってガルシア王国には、私の初恋の人で一目惚れをしたリアム王子が…   って、そんなことはどうでもいい。   ガルシア王国には以前パーティーに招待されて、訪れたことがあり、他の周辺国よりも詳しいからだ。

  たったそれだけの理由だったけど、私には進むしかなかった。もう引き返すことはできない。 でもそれでいい。
  私はそこで新しい居場所を見つけるんだ!

 
 そう意気込んだ私は、ガルシア王国へ向かう馬車に乗った。
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