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連載
竜と鎧の長い一日~その後
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とても悲しい戦いがあった。
戦いが終わり、戦士たちは一時の休息を取る。
「今回の事は反省の多い事件でした。しかし皆の活躍でどうにか村に被害を出すことのなく事態を鎮静化することが出来た。暴走した同志が出たことは悲しむべきことですが、ひとまずはお疲れ様でした! 乾杯!」
スケさんの音頭に合わせ、カンと甲高い音でジョッキがぶつかる。
そこは森の中。大きな切り株の即席カウンターには珍しい顔ぶれがそろっていた。
少女Bファンクラブ会員シングルナンバー。
一人の少女の歌に魅了され、影ながら応援すべく集まった者達の頂点に位置する者。
人と呼んでゴッドフィンガーズ。
名誉会員タロイモさんをナンバー1に据え、ナンバー2マオちゃんさん、ナンバー3クイーンさんと続く。
そしてスケさん、鎧さんがナンバー4、5と名を連ね事実上のまとめ役である。
しかし固定なのはここまで。
厳正なトーナメント戦により、勝ち抜いた戦闘能力重視の面々がシングルナンバーには名を連ねていた。
ナンバー6マジカル☆トンボさん
ナンバー7アテーナさん
ナンバー8アフロソウルさん
ナンバー9エロ仙人さん
ナンバー10かき氷大好きさん
以上のメンバーは種族を超え競いあった猛者ばかりだ。
今日の飲み会に出席しているメンバーは、タロイモさん、マオちゃん、クイーンさんを除くすべてという実に豪華な顔ぶれである。
そして彼らだけがこの場に残っていたのは、ある意味必然だと言えた。
この場所で行われた戦闘および、ゲリラライブはかなり過酷を極め、大半がその後打ち上げとはいかなかったからだ。
暴走をしたメンバーの粛清は本来であれば気の重い事件である。
しかし最終的にはある魔法使いの干渉によって、狂気の宴となって事件は締めくくられた。
「うむ! ご苦労であった皆の衆! わたしもうれしい!」
ご満悦な様子で大きなジョッキに頭を突っ込みビールを飲んでいるのは、黒いミニスカートの衣装を身に纏ったピクシーの会員ナンバー6 マジカル☆トンボさん。
今回は非常事態に付き、完全版での参戦である。
そんな彼女に敬意を表し集まったメンバーは彼女に向かってジョッキを掲げ、白い泡の弾ける金色の酒を飲み干してゆく。
スケさんはそんな彼らに竜でも丸ごとは入れそうな巨大な樽からビールを注ぎ振舞っていた。
「おかわりも沢山タロー殿からいただいていますので、存分に飲んでいってください!」
「そう言えばタロイモさんはどうしたんだ?」
尋ねたのは会員ナンバー5番の『鎧』さんだ。
無骨な頭のない鎧姿の彼は、デュラハンという種族で、魔王に仕える四天王であった。
周囲を探す鎧さんに、スケさんは残念そうな表情で言った。
「さんざん荒らしてしまった森を復元し、怪我人を治療して、ベッドに送り返したあと、悪魔達の反省会を兼ねたミーティングがあると帰りましたよ」
ファンクラブ会員たちの激突はこのあたりの地形を丸ごと変えてしまうほどたった。
今こうしてちゃんと周囲に森が存在しているのは、ひとえに会員ナンバー1『タロイモ』さんの魔法によるところが大きい。
鎧さんはその働きの大きさに納得し声を漏らした。
「なるほど……それは無理に引きとめられないなぁ」
「また世話をかけてしまいました。今度何かお礼をせねば」
「忙しい方だ。いや……恐ろしく暇なんだろうか? 考えてみれば会員ほぼ全部気絶したからな。ミーティングも気合を入れて欲しい物だ」
「それはそうですけどね。そっちもそっちで反省点は多い」
「うむ」
スケさんと鎧さんは、美少女悪魔によるゲリラライブの惨劇を思い出してため息を吐いた。
どういいつくろっても最終的には惨状である。
疲れ果てているにもかかわらず歌に興奮して踊り狂い、みな笑顔で卒倒していくさまは中々衝撃的な光景だった。
鎧さんはそれをやったアイドルの悪魔達を思い浮かべて、それ相応の実力者をも混乱させる魔性の魅力に身震いする。
「結構……強力な悪魔だったなぁあれは。それをアイドルに仕立てるとは……斬新だ」
「それが70を超える数だからなぁ。ちょっと相当の猛者でも生ライブはつらいですかね」
でも結局、楽しそうに呟く二人だった。
まぁみんな楽しんで、目的も達成できたんだからいいんじゃないかな?という結論で終わってしまうのは彼らが彼らゆえである。
「……で、スケさんはいったい何をしているんだ?」
鎧さんは話題を変える意味も込めて、ふと気になることをスケさんに尋ねた。
いつもは人間の姿でも鎧姿が多いスケさんが今日は少しだけ違う格好をしていたからだ。
「ちょっと長老の秘蔵の酒をいただいて来たので準備を。さらに今回はタロー殿提供のとっておきもあるんですよ」
「そうではなく……なぜに蝶ネクタイなんだ?」
鎧さんがさらに指摘すると、スケさんは新しい衣装を誇らしげに引っ張って見せた。
「おお! よくぞ聞いてくれました! これはバーテンダーという職の衣装でして! こないだ通販で買ったんですよ! なかなか様になっていると思いません?」
「何のために?」
「いや、モテるかなと思って!」
「そ、そうか……がんばれ」
スケさんはとてもいい表情だったが、ひそかにこの斬新な格好でどうやってとそう思った鎧さんだった。
バーテン服をドヤ顔で自慢するスケさんを見て鎧さんとは別の誰かが尋ねた。
「なんだスケさん。ではお前は飲まんのか?」
「今日は注ぐ方で。まぁ練習に付き合ってくださいよ。かき氷大好きさん」
「うむ。そう言う事ならジャンジャンついでくれ」
スケさんはジョッキが切り株カウンターにたたきつけられると、お代わりのジョッキをすぐさま用意した。
きめの細かい泡を立てたジョッキを巨人が豪快に落ち上げると一瞬にして霜が付く。
そしてこれ以上ないほどキンキンに冷えたビールを流し込み喉を鳴らすのは『かき氷大好き』さん。
どこかの巨人の国で王様をやっているらしい彼は、特殊な能力を持った巨人だった。
「くっはー! こいつはうまいな! どこで手に入れた?」
「タロイモさん提供です。まぁ大事でしたからね。打ち上げだと言ったら気前よく振る舞ってくれましたよ」
「ああ、タロイモさんか……なるほどな。しかしタロイモさんまたおそろしい事を考え付いて実行したものだな」
「恐ろしいですか?」
意外な言葉にスケさんが尋ね返すとかき氷大好きさんは深く頷いた。
「恐ろしかろう? 悪魔の歌手だぞ? しかもあれだけ厄介そうな奴らをよくもまぁ集めたものだ」
カキ氷大好きさんは悪魔のアイドルグループに脅威を感じた様子で難しい表情を浮かべていた。
「酔狂を原動力にして生きてるような人ですからね」
「それにしても酔狂が過ぎる。まぁ。いい曲ではあったが」
「はっは。泡吹いて倒れるまで踊り明かしましたからね。半端ないですね新しいアイドル。今後に期待が持てますよ」
「……持てるか? 大丈夫か? あんなのネットに流して? 動画を見ていたら悪魔中毒とか洒落にもならんぞ?」
かき氷大好きさんの言い様は至極もっともで、スケさんもまた苦笑い浮かべる。
ただしスケさんは今日の生ライブは特別だったこともまた理解していた。
「画面越しなら害もないでしょう。それにある程度娯楽は自己責任ですよね。各自で見極めてもらわねば。用法容量を守らねば良薬も毒と同じですよ」
「そうだろうかー? そんなのかー? だが悪魔だぞ? 毒よりもたちが悪そうだ」
「何を言います。悪魔だろうが、歌いたいというのなら止める法などありません」
「それはなぁ。確かに」
「まぁ色々言いましたが――かわいいのが重要ですよね!」
「そうか? そうなのか?……」
でっかい体の割にかき氷第好きさんは心配性の様だった。
しかしスケさんの物言いに賛同する声間もあった。
「いや! いいこと言ったぞ若いの! かわいいのは重要じゃとも!」
ビールの後におかわりした老酒を飲み干し、大いにスケさんの言葉にうなずいたのは同じく竜の『エロ仙人』さん。彼は興奮気味に体から紫電を迸らせた。
「ですよね!」
「うむ! いいではないか。ぴっちぴちの女の子がたくさんおるんじゃ。悪魔だろうがなんだろうがわしは大歓迎じゃよ?」
ドゥフフと笑うエロ仙人さんは目がエロイ。
彼はサンダードラゴンで、竜だというのに格闘家だと自負する変わり者であるがその実力は竜の中でも一目おかれるほどである。
しかし陽気に酒を飲む竜に、一見して人間にしか見えない梟の被り物をしている女は迷惑そうに言い放った。
「誰か、このエロ爺を摘み出してくださらない? 酒がまずくなるわ」
彼女のハンドルネームは『アテーナさん』。突如ランキング戦に現れて、破竹の勢いで勝ちあがった期待の新人である。
被り物の下は相当の美女なのではないかという噂もあるが誰も見たことはない。
「まぁまぁ。そう言わずに」
すかさずスケさんば場を和ませるべく銀色のシェイカーをシャカシャカと振り、青く透き通った液体をグラスにそそぐ。
そしてすっと不機嫌そうな彼女の前に差し出した。
「どうぞ。こちらもおいしいですよ」
「あら? 美しいお酒ね、どうしたのこれ?」
「実はとあるサイトで勉強しました。今回初お披露目ですけど」
練習の成果を披露して得意げなスケさんだったが、アテーナさんの反応はあまり芳しい物ではなった。
「えぇー……スケさんあなた竜よね? 随分マメな事をする」
「そりゃあやりますとも! モテるそうなんでね! どうです? カッコいいですか?!」
貴重な女性の意見を聞きだすべくスケさんは質問したが、アテーナさんの目は完全に泳いでいた。
「あー。んー。……どうかしら? まだ様になっているとはいいがたいかなぁ。っていうか? あなた、竜にはもてるでしょ? 強さこそがすべての種族でしょうに…・・・」
だが逆に質問を返されると今度はスケさんが肩を落してトーンを下げた。
「……いやーそのー……竜の女子は……究極の肉食系でして……更に言うと、私はけっこういいとこの子なのです。つまりは……狙われていたといいますか。空腹の肉食獣達の檻の中に一匹放り込まれたウサギの心境をお察しただければ幸いです」
「あーーーうん。貴女も大変だったのね。カクテルいただくわ」
「どうぞどうぞ」
これ以上踏み込んではいけないと感じたアテーナさんは、素直に珍しいお酒を楽しむことにしたようだった。
「ええっと何の話だったかしら? そうそう! あの悪魔のアイドルよね! あれは私はどうかと思うわ!」
「えぇーええじゃろ? かわいいと思うがなぁ!」
アテーナさんの新アイドルへの評価は辛口だった。
エロ仙人さんは声を上げるが、やはりアテーナさんの評価は変わらない。
「問題外。あんなまがい物ときめきもしないわ。外側だけ美しさを求めたところで何の意味があるのやら。だんぜん少女Bの方がいいでしょう」
「いやしかし、見ている分にはそんなもんわからんしのぅ」
「それはあなたの見る目がないだけでしょうに。このエロ竜」
「見たいものを楽しく見るのも生きるを楽しむコツじゃとも。目利きが過ぎて粗捜しにならねばいいがな?」
「何ですって?」
バチバチと視線で火花を散らし始めたエロ仙人さんとアテーナさんをスケさんは慌てて止めた。
「まぁまぁお二人とも。互いに好きなことをけなしあうのはやめましょう。譲れないのはわかってるんですから」
「ふん! わかっとるわい!」
「……まぁいいわ」
やれやれとスケさんは肩をすくめる。
どうやらタロイモさんの狙い通り、新たなファンの開拓には成功しているようだった。
そもそも悪魔のアイドルグループを作る目的は、知らず知らずに巨大になりすぎたファンクラブを縮小する狙いもあった。
娯楽の少ない中に突如として現れたスターに集中する者たちを、他のスターを作り出すことで分散するには、少々の荒療治は必要だろうとのことである。
だがファンクラブはファンクラブ。かなり拘束のゆるい集まりであることには変わりない。
誰もが熱烈な少女Bファンというわけではなく、ゴットフィンガーズの中でさえ別の事情で加入している者もいた。
「スケさん! こっちにビール・・・・・・いや! なんか果実の酒を追加だ! トンボ先生は甘いもんがお好みだからな!」
「了解です。アフロソウルさん……マジカル☆トンボさんの分ですよね」
「おう!」
「おぬしはどうじゃ? アフロの?」
唐突にエロ仙人さんに話を振られた『アフロソウル』さんは鷲の頭にぴったりの鳥っぽい素早い反応だった。
「え? ああ!……いいんじゃね? ぶっちゃけ俺はトンボ先生がいるからファンクラブに力貸してるしなぁ!」
そういうと、ほろ酔いでテンションの上がったアテーナさんが楽しげにアフロソウルさんの言葉に反応した。
「トンボちゃんはいいわ! あれは最高よ!」
「おお! やっぱりそうだよなぁ!」
「その通り! ちっちゃくて強くてかっこいいとか無敵じゃない!」
アテーナさんも実はトンボちゃんのファンでもあったらしい。
歌こそ歌わないが、マジカル☆トンボちゃんはネット上でそれなりの知名度を誇っていた。
その当人であるマジカル☆トンボさんは果実酒の入ったグラスの中でほろ酔い気分でご機嫌だった。
「にゃはははーそれほどでもあるかな!」
「先生は最高っすよ! まじヤバいっす!」
「そうだろう、そうだろう! 君はいいやつだなアフロソウル君! そんな君にはマジカル☆トンボボムを一ダース進呈しよう! 存分にアフロを広めたまへよ!」
「はは~! ありがたき幸せ!」
「うむ!」
なんだかとても危ない取引が今ここで行われたような気がしたが、それもまたよしである。
「あいつらは少女Bのファンってわけじゃないんだな」
鎧さんは苦笑するが、スケさんは大いに満足そうにうなずいた。
「いや、楽しい物が好きなだけでしょう。そしてそれでいいのですよ」
「そうだな。実際ここまで組織が強大になりすぎるのも問題がある……それに楽しみが増えるのはいい。グッズもまわってくるしな」
「そうでしょうとも。いつか遊びきれないほどに楽しみが増えたら最高ですよね」
「ああそれは実にいい」
鎧さんはうきうきと声を弾ませる。
スケさんも気分が盛り上がってきて、おもむろに適当なジョッキを手にとり自分の分の酒を注いだ。
「なんにせよ。今日我々は新たな世界の広がりを目撃しました……私も今日は気分がいい」
今日はバーテンダーに徹するつもりだったが一杯くらいはいいだろう。
そう考えたスケさんは集まったメンバーを改めて見回してにこやかに微笑む。
「では乾杯」
なみなみと注いだビールを、スケさんは一息に飲み干す。
そしてひっくり返っていびきをかき始めた。
「かー」
「酒を飲むとすぐ寝てしまうのは、修行しても直らんか」
「酒。弱いのか」
「あー。まぁ竜にも寝ちまうやつはおるな」
「んんー。何でそんな弱点があって、口説くのに酒に詳しくなろうって発想にたどり着くのか理解できないわ」
ゴッドフィンガーズは様々な反応を見せて、ひっくり返った自分達のまとめ役を覗き見る。
その顔はやたら幸せそうだった。
「アハハハ。スケさんまた寝ちゃったんだー。でもまぁこの抜けてる感じがスケさんだよね! タロと気が合うわけだよ!」
そう言ったトンボさんの言葉に。
ゴットフィンガーズはなるほどと指を鳴らし、微笑ましく会員ナンバー4の楽しげな寝顔を眺めた。
戦いが終わり、戦士たちは一時の休息を取る。
「今回の事は反省の多い事件でした。しかし皆の活躍でどうにか村に被害を出すことのなく事態を鎮静化することが出来た。暴走した同志が出たことは悲しむべきことですが、ひとまずはお疲れ様でした! 乾杯!」
スケさんの音頭に合わせ、カンと甲高い音でジョッキがぶつかる。
そこは森の中。大きな切り株の即席カウンターには珍しい顔ぶれがそろっていた。
少女Bファンクラブ会員シングルナンバー。
一人の少女の歌に魅了され、影ながら応援すべく集まった者達の頂点に位置する者。
人と呼んでゴッドフィンガーズ。
名誉会員タロイモさんをナンバー1に据え、ナンバー2マオちゃんさん、ナンバー3クイーンさんと続く。
そしてスケさん、鎧さんがナンバー4、5と名を連ね事実上のまとめ役である。
しかし固定なのはここまで。
厳正なトーナメント戦により、勝ち抜いた戦闘能力重視の面々がシングルナンバーには名を連ねていた。
ナンバー6マジカル☆トンボさん
ナンバー7アテーナさん
ナンバー8アフロソウルさん
ナンバー9エロ仙人さん
ナンバー10かき氷大好きさん
以上のメンバーは種族を超え競いあった猛者ばかりだ。
今日の飲み会に出席しているメンバーは、タロイモさん、マオちゃん、クイーンさんを除くすべてという実に豪華な顔ぶれである。
そして彼らだけがこの場に残っていたのは、ある意味必然だと言えた。
この場所で行われた戦闘および、ゲリラライブはかなり過酷を極め、大半がその後打ち上げとはいかなかったからだ。
暴走をしたメンバーの粛清は本来であれば気の重い事件である。
しかし最終的にはある魔法使いの干渉によって、狂気の宴となって事件は締めくくられた。
「うむ! ご苦労であった皆の衆! わたしもうれしい!」
ご満悦な様子で大きなジョッキに頭を突っ込みビールを飲んでいるのは、黒いミニスカートの衣装を身に纏ったピクシーの会員ナンバー6 マジカル☆トンボさん。
今回は非常事態に付き、完全版での参戦である。
そんな彼女に敬意を表し集まったメンバーは彼女に向かってジョッキを掲げ、白い泡の弾ける金色の酒を飲み干してゆく。
スケさんはそんな彼らに竜でも丸ごとは入れそうな巨大な樽からビールを注ぎ振舞っていた。
「おかわりも沢山タロー殿からいただいていますので、存分に飲んでいってください!」
「そう言えばタロイモさんはどうしたんだ?」
尋ねたのは会員ナンバー5番の『鎧』さんだ。
無骨な頭のない鎧姿の彼は、デュラハンという種族で、魔王に仕える四天王であった。
周囲を探す鎧さんに、スケさんは残念そうな表情で言った。
「さんざん荒らしてしまった森を復元し、怪我人を治療して、ベッドに送り返したあと、悪魔達の反省会を兼ねたミーティングがあると帰りましたよ」
ファンクラブ会員たちの激突はこのあたりの地形を丸ごと変えてしまうほどたった。
今こうしてちゃんと周囲に森が存在しているのは、ひとえに会員ナンバー1『タロイモ』さんの魔法によるところが大きい。
鎧さんはその働きの大きさに納得し声を漏らした。
「なるほど……それは無理に引きとめられないなぁ」
「また世話をかけてしまいました。今度何かお礼をせねば」
「忙しい方だ。いや……恐ろしく暇なんだろうか? 考えてみれば会員ほぼ全部気絶したからな。ミーティングも気合を入れて欲しい物だ」
「それはそうですけどね。そっちもそっちで反省点は多い」
「うむ」
スケさんと鎧さんは、美少女悪魔によるゲリラライブの惨劇を思い出してため息を吐いた。
どういいつくろっても最終的には惨状である。
疲れ果てているにもかかわらず歌に興奮して踊り狂い、みな笑顔で卒倒していくさまは中々衝撃的な光景だった。
鎧さんはそれをやったアイドルの悪魔達を思い浮かべて、それ相応の実力者をも混乱させる魔性の魅力に身震いする。
「結構……強力な悪魔だったなぁあれは。それをアイドルに仕立てるとは……斬新だ」
「それが70を超える数だからなぁ。ちょっと相当の猛者でも生ライブはつらいですかね」
でも結局、楽しそうに呟く二人だった。
まぁみんな楽しんで、目的も達成できたんだからいいんじゃないかな?という結論で終わってしまうのは彼らが彼らゆえである。
「……で、スケさんはいったい何をしているんだ?」
鎧さんは話題を変える意味も込めて、ふと気になることをスケさんに尋ねた。
いつもは人間の姿でも鎧姿が多いスケさんが今日は少しだけ違う格好をしていたからだ。
「ちょっと長老の秘蔵の酒をいただいて来たので準備を。さらに今回はタロー殿提供のとっておきもあるんですよ」
「そうではなく……なぜに蝶ネクタイなんだ?」
鎧さんがさらに指摘すると、スケさんは新しい衣装を誇らしげに引っ張って見せた。
「おお! よくぞ聞いてくれました! これはバーテンダーという職の衣装でして! こないだ通販で買ったんですよ! なかなか様になっていると思いません?」
「何のために?」
「いや、モテるかなと思って!」
「そ、そうか……がんばれ」
スケさんはとてもいい表情だったが、ひそかにこの斬新な格好でどうやってとそう思った鎧さんだった。
バーテン服をドヤ顔で自慢するスケさんを見て鎧さんとは別の誰かが尋ねた。
「なんだスケさん。ではお前は飲まんのか?」
「今日は注ぐ方で。まぁ練習に付き合ってくださいよ。かき氷大好きさん」
「うむ。そう言う事ならジャンジャンついでくれ」
スケさんはジョッキが切り株カウンターにたたきつけられると、お代わりのジョッキをすぐさま用意した。
きめの細かい泡を立てたジョッキを巨人が豪快に落ち上げると一瞬にして霜が付く。
そしてこれ以上ないほどキンキンに冷えたビールを流し込み喉を鳴らすのは『かき氷大好き』さん。
どこかの巨人の国で王様をやっているらしい彼は、特殊な能力を持った巨人だった。
「くっはー! こいつはうまいな! どこで手に入れた?」
「タロイモさん提供です。まぁ大事でしたからね。打ち上げだと言ったら気前よく振る舞ってくれましたよ」
「ああ、タロイモさんか……なるほどな。しかしタロイモさんまたおそろしい事を考え付いて実行したものだな」
「恐ろしいですか?」
意外な言葉にスケさんが尋ね返すとかき氷大好きさんは深く頷いた。
「恐ろしかろう? 悪魔の歌手だぞ? しかもあれだけ厄介そうな奴らをよくもまぁ集めたものだ」
カキ氷大好きさんは悪魔のアイドルグループに脅威を感じた様子で難しい表情を浮かべていた。
「酔狂を原動力にして生きてるような人ですからね」
「それにしても酔狂が過ぎる。まぁ。いい曲ではあったが」
「はっは。泡吹いて倒れるまで踊り明かしましたからね。半端ないですね新しいアイドル。今後に期待が持てますよ」
「……持てるか? 大丈夫か? あんなのネットに流して? 動画を見ていたら悪魔中毒とか洒落にもならんぞ?」
かき氷大好きさんの言い様は至極もっともで、スケさんもまた苦笑い浮かべる。
ただしスケさんは今日の生ライブは特別だったこともまた理解していた。
「画面越しなら害もないでしょう。それにある程度娯楽は自己責任ですよね。各自で見極めてもらわねば。用法容量を守らねば良薬も毒と同じですよ」
「そうだろうかー? そんなのかー? だが悪魔だぞ? 毒よりもたちが悪そうだ」
「何を言います。悪魔だろうが、歌いたいというのなら止める法などありません」
「それはなぁ。確かに」
「まぁ色々言いましたが――かわいいのが重要ですよね!」
「そうか? そうなのか?……」
でっかい体の割にかき氷第好きさんは心配性の様だった。
しかしスケさんの物言いに賛同する声間もあった。
「いや! いいこと言ったぞ若いの! かわいいのは重要じゃとも!」
ビールの後におかわりした老酒を飲み干し、大いにスケさんの言葉にうなずいたのは同じく竜の『エロ仙人』さん。彼は興奮気味に体から紫電を迸らせた。
「ですよね!」
「うむ! いいではないか。ぴっちぴちの女の子がたくさんおるんじゃ。悪魔だろうがなんだろうがわしは大歓迎じゃよ?」
ドゥフフと笑うエロ仙人さんは目がエロイ。
彼はサンダードラゴンで、竜だというのに格闘家だと自負する変わり者であるがその実力は竜の中でも一目おかれるほどである。
しかし陽気に酒を飲む竜に、一見して人間にしか見えない梟の被り物をしている女は迷惑そうに言い放った。
「誰か、このエロ爺を摘み出してくださらない? 酒がまずくなるわ」
彼女のハンドルネームは『アテーナさん』。突如ランキング戦に現れて、破竹の勢いで勝ちあがった期待の新人である。
被り物の下は相当の美女なのではないかという噂もあるが誰も見たことはない。
「まぁまぁ。そう言わずに」
すかさずスケさんば場を和ませるべく銀色のシェイカーをシャカシャカと振り、青く透き通った液体をグラスにそそぐ。
そしてすっと不機嫌そうな彼女の前に差し出した。
「どうぞ。こちらもおいしいですよ」
「あら? 美しいお酒ね、どうしたのこれ?」
「実はとあるサイトで勉強しました。今回初お披露目ですけど」
練習の成果を披露して得意げなスケさんだったが、アテーナさんの反応はあまり芳しい物ではなった。
「えぇー……スケさんあなた竜よね? 随分マメな事をする」
「そりゃあやりますとも! モテるそうなんでね! どうです? カッコいいですか?!」
貴重な女性の意見を聞きだすべくスケさんは質問したが、アテーナさんの目は完全に泳いでいた。
「あー。んー。……どうかしら? まだ様になっているとはいいがたいかなぁ。っていうか? あなた、竜にはもてるでしょ? 強さこそがすべての種族でしょうに…・・・」
だが逆に質問を返されると今度はスケさんが肩を落してトーンを下げた。
「……いやーそのー……竜の女子は……究極の肉食系でして……更に言うと、私はけっこういいとこの子なのです。つまりは……狙われていたといいますか。空腹の肉食獣達の檻の中に一匹放り込まれたウサギの心境をお察しただければ幸いです」
「あーーーうん。貴女も大変だったのね。カクテルいただくわ」
「どうぞどうぞ」
これ以上踏み込んではいけないと感じたアテーナさんは、素直に珍しいお酒を楽しむことにしたようだった。
「ええっと何の話だったかしら? そうそう! あの悪魔のアイドルよね! あれは私はどうかと思うわ!」
「えぇーええじゃろ? かわいいと思うがなぁ!」
アテーナさんの新アイドルへの評価は辛口だった。
エロ仙人さんは声を上げるが、やはりアテーナさんの評価は変わらない。
「問題外。あんなまがい物ときめきもしないわ。外側だけ美しさを求めたところで何の意味があるのやら。だんぜん少女Bの方がいいでしょう」
「いやしかし、見ている分にはそんなもんわからんしのぅ」
「それはあなたの見る目がないだけでしょうに。このエロ竜」
「見たいものを楽しく見るのも生きるを楽しむコツじゃとも。目利きが過ぎて粗捜しにならねばいいがな?」
「何ですって?」
バチバチと視線で火花を散らし始めたエロ仙人さんとアテーナさんをスケさんは慌てて止めた。
「まぁまぁお二人とも。互いに好きなことをけなしあうのはやめましょう。譲れないのはわかってるんですから」
「ふん! わかっとるわい!」
「……まぁいいわ」
やれやれとスケさんは肩をすくめる。
どうやらタロイモさんの狙い通り、新たなファンの開拓には成功しているようだった。
そもそも悪魔のアイドルグループを作る目的は、知らず知らずに巨大になりすぎたファンクラブを縮小する狙いもあった。
娯楽の少ない中に突如として現れたスターに集中する者たちを、他のスターを作り出すことで分散するには、少々の荒療治は必要だろうとのことである。
だがファンクラブはファンクラブ。かなり拘束のゆるい集まりであることには変わりない。
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「スケさん! こっちにビール・・・・・・いや! なんか果実の酒を追加だ! トンボ先生は甘いもんがお好みだからな!」
「了解です。アフロソウルさん……マジカル☆トンボさんの分ですよね」
「おう!」
「おぬしはどうじゃ? アフロの?」
唐突にエロ仙人さんに話を振られた『アフロソウル』さんは鷲の頭にぴったりの鳥っぽい素早い反応だった。
「え? ああ!……いいんじゃね? ぶっちゃけ俺はトンボ先生がいるからファンクラブに力貸してるしなぁ!」
そういうと、ほろ酔いでテンションの上がったアテーナさんが楽しげにアフロソウルさんの言葉に反応した。
「トンボちゃんはいいわ! あれは最高よ!」
「おお! やっぱりそうだよなぁ!」
「その通り! ちっちゃくて強くてかっこいいとか無敵じゃない!」
アテーナさんも実はトンボちゃんのファンでもあったらしい。
歌こそ歌わないが、マジカル☆トンボちゃんはネット上でそれなりの知名度を誇っていた。
その当人であるマジカル☆トンボさんは果実酒の入ったグラスの中でほろ酔い気分でご機嫌だった。
「にゃはははーそれほどでもあるかな!」
「先生は最高っすよ! まじヤバいっす!」
「そうだろう、そうだろう! 君はいいやつだなアフロソウル君! そんな君にはマジカル☆トンボボムを一ダース進呈しよう! 存分にアフロを広めたまへよ!」
「はは~! ありがたき幸せ!」
「うむ!」
なんだかとても危ない取引が今ここで行われたような気がしたが、それもまたよしである。
「あいつらは少女Bのファンってわけじゃないんだな」
鎧さんは苦笑するが、スケさんは大いに満足そうにうなずいた。
「いや、楽しい物が好きなだけでしょう。そしてそれでいいのですよ」
「そうだな。実際ここまで組織が強大になりすぎるのも問題がある……それに楽しみが増えるのはいい。グッズもまわってくるしな」
「そうでしょうとも。いつか遊びきれないほどに楽しみが増えたら最高ですよね」
「ああそれは実にいい」
鎧さんはうきうきと声を弾ませる。
スケさんも気分が盛り上がってきて、おもむろに適当なジョッキを手にとり自分の分の酒を注いだ。
「なんにせよ。今日我々は新たな世界の広がりを目撃しました……私も今日は気分がいい」
今日はバーテンダーに徹するつもりだったが一杯くらいはいいだろう。
そう考えたスケさんは集まったメンバーを改めて見回してにこやかに微笑む。
「では乾杯」
なみなみと注いだビールを、スケさんは一息に飲み干す。
そしてひっくり返っていびきをかき始めた。
「かー」
「酒を飲むとすぐ寝てしまうのは、修行しても直らんか」
「酒。弱いのか」
「あー。まぁ竜にも寝ちまうやつはおるな」
「んんー。何でそんな弱点があって、口説くのに酒に詳しくなろうって発想にたどり着くのか理解できないわ」
ゴッドフィンガーズは様々な反応を見せて、ひっくり返った自分達のまとめ役を覗き見る。
その顔はやたら幸せそうだった。
「アハハハ。スケさんまた寝ちゃったんだー。でもまぁこの抜けてる感じがスケさんだよね! タロと気が合うわけだよ!」
そう言ったトンボさんの言葉に。
ゴットフィンガーズはなるほどと指を鳴らし、微笑ましく会員ナンバー4の楽しげな寝顔を眺めた。
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45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
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ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
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