24 / 257
第24話優先順位はとても大切
内心大いに錬金釜の可能性に身震いしていた僕だが平静を装って、興奮している場をいったん解散した。
「えー。この錬金釜の力は分かってもらえたと思います。それで明日からはこいつを使って二人の訓練をもっと効率化しようと思うんです」
そう言って、なんだか嫌な予感を感じている二人を送り出した。
ちなみにこれは攻略君の提案である。
詳しい話を聞きたくてウズウズしている二人も、すでにだいぶん疲れているはず。
クールダウンするためにもこれは必要な時間だし、僕にも準備が必要だった。
そして次の日、早朝から集まった僕らは1階の特に奥まった場所で、まず錬金釜講座から始まった。
「アイテムボックスの詳細求む! ちょっと詳しく教えて!」
「そこ重要でござるぞ!」
……全然クールダウン出来てなかった。
むしろ体力が回復してヒートアップしている二人に、僕はまぁまぁと今日も持って来た錬金釜をアイテムボックスから出して見せた。
「えーでは今日はこの錬金釜を使っていこうと思います。まずこの錬金釜、必要な素材を適量使用し法則に基づいて使用すればアイテムや装備を生み出すことが出来ますが……昨日先輩から聞いた通りモンスターを呼び出すことも出来ます」
「……なるほど?」
「……やっぱり危険はあるんでござるね」
「これを錬成事故と言います」
「事故なんじゃない」
「危ないでござるな」
自分達に直接関係ある話を聞いて、二人はいったんグッと堪えて頷いた。
「しかしです、事故にも法則性はあるんです。ここに1階の豚の素材を入れます……すると事故を故意に起こすことが出来るんですよ、浦島先輩構えてください」
ボンと今度は煙を噴いた錬金窯から、豚のモンスターが飛び出してきて浦島先輩に襲い掛かった。
「どっこいせ!」
浦島先輩は手慣れた手つきで鞭を振り、豚モンスターを一撃で粉砕した。
「お見事。このように狙って錬成事故を起こすことが出来るわけです」
モンスターを仕留めた浦島先輩は眉間にしわを作ったがすぐに仕留めたモンスターを見て、ピンと来たみたいだった。
「……これってまさか。狙ったモンスターを呼び出せるってこと?」
「そういうことです。ですからコレ、使ってください」
僕は攻略君が何で倒したモンスターの素材は極力持ち帰れと言っていたのかその意味を理解した。
結構お肉とか腐りかけていたからどうしようかと思っていたが、まさに再び再利用が出来そうだ。
「カニの素材は桃山君。豚の素材は浦島先輩で使ってください。だいぶ効率が上がると思いますので。数はしっかり数えてくださいね」
「そういうことか……わかった」
「確かにこれなら効率爆上がりでござるな」
まさしくそうだ。僕も正直これが欲しかったとすごく思う。
ただ説明を終えてもチラチラと視線に落ち着きがない浦島先輩と桃山君は非常にわかりやすかった。
「それでその……錬金釜の使い方は分かったでござるが、拙者もアイテムボックスが欲しいんでござるが」
「そうなのよね……私もまだ持ってないのよアイテムボックス……欲しいなぁ」
鼻息も荒くそう主張する二人に、僕は仕方がないので分かってはいるがと前置きした。
「二人とも……アイテムボックスは確かにいい物です。でも僕らはパーティなんですよ? ゆくゆくは手に入れてもいいと思いますが、ひとまず荷物持ちは一人でいい」
「そんなことないでござるよ?」
「いるよアイテムボックス。何言ってんだ」
「待ってください! 文句を言う前にこいつを見てください!」
うっかりすると収拾がつかなさそうなので、僕は多少強引に愛用のスレッジハンマーを二人の前に差し出していた。
「何でござる? ハンマーでござるか?」
「そう、ホームセンターで買ってきたやつで、今までは自前の魔力で強化して使ってたんだけど……」
地上の武器でモンスターと戦うことは出来るのか?
答えは出来る。
しかしそれは魔力を使えるダンジョン適性者が直接魔力を流せればという前提が付く。
しかしそれも問題があって、ダンジョンから出てきた武器でないと極端に耐久力が落ちるという欠点があった。
「だけど……昨日錬金釜を手に入れてから、僕のスレッジハンマーを新調したんだ。何で僕がそんなことをしたかわかります?」
そう意味ありげに尋ねた瞬間、桃山君のいつもの優しげな雰囲気が一変して、僕の肩をガッチリ掴んだ。
「そこの所……詳しくお願いするでござる」
「へいへい桃山氏、ボクの肩が変な音してる、ミシミシ言ってるから。……もちろんだとも。でも今日のところはモンスター狩りに精を出してくれ……装備の話はそれからだ」
「心得た……」
そう錬金窯で手に入るアイテムはアイテムボックスだけじゃない。
優先順位は重要だとわかってもらえたみたいだ。
「それはそれとしてアイテムボックスは絶対作りましょ? これ絶対」
「……転移宝玉があればすぐ作れますけど」
「……よーし。モンスター狩り頑張りますか」
浦島先輩は転移宝玉の事を知っているみたいだ。
悪名高い10階の鉄巨人は、ダンジョン学園の悪夢である。
未所持と言うなら仕方がない。まぁレアなアイテムを作るには相応にレアな素材が必要なこともわかってもらえたみたいだった。
ちなみに僕のスレッジハンマーは鉄巨人の素材で製作した耐久率増加ハンマーなので同じものが欲しいなら鉄巨人周回推奨である。
「えー。この錬金釜の力は分かってもらえたと思います。それで明日からはこいつを使って二人の訓練をもっと効率化しようと思うんです」
そう言って、なんだか嫌な予感を感じている二人を送り出した。
ちなみにこれは攻略君の提案である。
詳しい話を聞きたくてウズウズしている二人も、すでにだいぶん疲れているはず。
クールダウンするためにもこれは必要な時間だし、僕にも準備が必要だった。
そして次の日、早朝から集まった僕らは1階の特に奥まった場所で、まず錬金釜講座から始まった。
「アイテムボックスの詳細求む! ちょっと詳しく教えて!」
「そこ重要でござるぞ!」
……全然クールダウン出来てなかった。
むしろ体力が回復してヒートアップしている二人に、僕はまぁまぁと今日も持って来た錬金釜をアイテムボックスから出して見せた。
「えーでは今日はこの錬金釜を使っていこうと思います。まずこの錬金釜、必要な素材を適量使用し法則に基づいて使用すればアイテムや装備を生み出すことが出来ますが……昨日先輩から聞いた通りモンスターを呼び出すことも出来ます」
「……なるほど?」
「……やっぱり危険はあるんでござるね」
「これを錬成事故と言います」
「事故なんじゃない」
「危ないでござるな」
自分達に直接関係ある話を聞いて、二人はいったんグッと堪えて頷いた。
「しかしです、事故にも法則性はあるんです。ここに1階の豚の素材を入れます……すると事故を故意に起こすことが出来るんですよ、浦島先輩構えてください」
ボンと今度は煙を噴いた錬金窯から、豚のモンスターが飛び出してきて浦島先輩に襲い掛かった。
「どっこいせ!」
浦島先輩は手慣れた手つきで鞭を振り、豚モンスターを一撃で粉砕した。
「お見事。このように狙って錬成事故を起こすことが出来るわけです」
モンスターを仕留めた浦島先輩は眉間にしわを作ったがすぐに仕留めたモンスターを見て、ピンと来たみたいだった。
「……これってまさか。狙ったモンスターを呼び出せるってこと?」
「そういうことです。ですからコレ、使ってください」
僕は攻略君が何で倒したモンスターの素材は極力持ち帰れと言っていたのかその意味を理解した。
結構お肉とか腐りかけていたからどうしようかと思っていたが、まさに再び再利用が出来そうだ。
「カニの素材は桃山君。豚の素材は浦島先輩で使ってください。だいぶ効率が上がると思いますので。数はしっかり数えてくださいね」
「そういうことか……わかった」
「確かにこれなら効率爆上がりでござるな」
まさしくそうだ。僕も正直これが欲しかったとすごく思う。
ただ説明を終えてもチラチラと視線に落ち着きがない浦島先輩と桃山君は非常にわかりやすかった。
「それでその……錬金釜の使い方は分かったでござるが、拙者もアイテムボックスが欲しいんでござるが」
「そうなのよね……私もまだ持ってないのよアイテムボックス……欲しいなぁ」
鼻息も荒くそう主張する二人に、僕は仕方がないので分かってはいるがと前置きした。
「二人とも……アイテムボックスは確かにいい物です。でも僕らはパーティなんですよ? ゆくゆくは手に入れてもいいと思いますが、ひとまず荷物持ちは一人でいい」
「そんなことないでござるよ?」
「いるよアイテムボックス。何言ってんだ」
「待ってください! 文句を言う前にこいつを見てください!」
うっかりすると収拾がつかなさそうなので、僕は多少強引に愛用のスレッジハンマーを二人の前に差し出していた。
「何でござる? ハンマーでござるか?」
「そう、ホームセンターで買ってきたやつで、今までは自前の魔力で強化して使ってたんだけど……」
地上の武器でモンスターと戦うことは出来るのか?
答えは出来る。
しかしそれは魔力を使えるダンジョン適性者が直接魔力を流せればという前提が付く。
しかしそれも問題があって、ダンジョンから出てきた武器でないと極端に耐久力が落ちるという欠点があった。
「だけど……昨日錬金釜を手に入れてから、僕のスレッジハンマーを新調したんだ。何で僕がそんなことをしたかわかります?」
そう意味ありげに尋ねた瞬間、桃山君のいつもの優しげな雰囲気が一変して、僕の肩をガッチリ掴んだ。
「そこの所……詳しくお願いするでござる」
「へいへい桃山氏、ボクの肩が変な音してる、ミシミシ言ってるから。……もちろんだとも。でも今日のところはモンスター狩りに精を出してくれ……装備の話はそれからだ」
「心得た……」
そう錬金窯で手に入るアイテムはアイテムボックスだけじゃない。
優先順位は重要だとわかってもらえたみたいだ。
「それはそれとしてアイテムボックスは絶対作りましょ? これ絶対」
「……転移宝玉があればすぐ作れますけど」
「……よーし。モンスター狩り頑張りますか」
浦島先輩は転移宝玉の事を知っているみたいだ。
悪名高い10階の鉄巨人は、ダンジョン学園の悪夢である。
未所持と言うなら仕方がない。まぁレアなアイテムを作るには相応にレアな素材が必要なこともわかってもらえたみたいだった。
ちなみに僕のスレッジハンマーは鉄巨人の素材で製作した耐久率増加ハンマーなので同じものが欲しいなら鉄巨人周回推奨である。
あなたにおすすめの小説
さびれたレンタル道具屋の転生おっさん、道具の使い方を教えまくる。~客のS級冒険者が俺を歴戦の英雄と勘違いして弟子入りを求めてくるんだが~
遥風 かずら
ファンタジー
前世で過労死した久世織人が目を覚ますとそこは異世界の王都、しかも古道具屋の跡取り息子として転生していた。アクセル・リオットとして成長した彼は荷物持ちとして冒険者パーティーに同行、その道中に【無限収納】スキルを開花させる。
パーティー活動から離脱後、四十歳となったアクセルは前世の記憶を思い出し、儲かりそうという考えで道具レンタル屋を始めていた。客足もなく店がさびれる中、道具の使い方が出来てない冒険者によって治安の乱れや魔物討伐の失敗が続いているという話を常連客から聞かされる。あらゆる道具に精通するアクセルは客の冒険者に使い方を教えに行くことを思い立つ。
アクセルの教えにより、やがてS級冒険者や聖女、王女までも勘違いして彼の元には次々と弟子入りを求める者が現れていくのだった。
《カクヨム様で50000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う
なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。
スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、
ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。
弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、
満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。
そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは――
拾ってきた野良の黒猫“クロ”。
だが命の灯が消えかけた夜、
その黒猫は正体を現す。
クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在――
しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。
力を失われ、語ることすら封じられたクロは、
復讐を果たすための契約者を探していた。
クロは瀕死のソラと契約し、
彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。
唯一のスキル《アイテムボックス》。
そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、
弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。
だがその裏で、
クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、
復讐の道を静かに歩み始めていた。
これは――
“最弱”と“最凶”が手を取り合い、
未来をやり直す物語
俺の家に異世界ファンタジーガチャが来た結果→現実世界で最強に ~極大に増えていくスキルの数が膨大になったので現実世界で無双します~
仮実谷 望
ファンタジー
ガチャを廻したいからそんな理由で謎の異世界ガチャを買った主人公はガチャを廻して自分を鍛えて、最強に至る。現実世界で最強になった主人公は難事件やトラブルを解決する。敵の襲来から世界を守るたった一人の最強が誕生した。そしてガチャの真の仕組みに気付く主人公はさらに仲間と共に最強へと至る物語。ダンジョンに挑戦して仲間たちと共に最強へと至る道。
ガチャを廻しまくり次第に世界最強の人物になっていた。
ガチャ好きすぎて書いてしまった。
素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。
ダンジョンのある生活《スマホ片手にレベルアップ》
盾乃あに
ファンタジー
進藤タクマは25歳、彼女にフラれて同棲中の家を追い出され、新しい部屋を借りたがそこにはキッチンに見知らぬ扉が付いていた。床下収納だと思って開けたらそこは始まりのダンジョンだった。
ダンジョンを攻略する自衛隊、タクマは部屋を譲り新しい部屋に引っ越すが、そこにもダンジョンが……
始まりのダンジョンを攻略することになったタクマ。
さぁ、ダンジョン攻略のはじまりだ。
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。