ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち

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第51話とある彼女は行動派

 とある日の生徒会室。

「……これ、ホントですか?」

 ワナワナと震えながら彼女はそう呟いた。

 それを聞いた生徒会長は彼女にしては珍しいと驚いた表情を浮かべ、彼女が差し出した書類を確認する。

「ん? ああ。確かだよ? その同好会がポーションを提出した。疑問もあるとは思うが……」

「そこではないです。サブカルチャー同好会……それってアニメや漫画のファンの集まりで合ってますか?」

 そして予想を外した質問。

 実際言葉通りならそれは彼女の解釈で間違いなかった。

「え? ……あ、ああ。おそらくそれで合っているよ」

「何で部活動の紹介に載っていないんですか?」

「それは、まだ部に昇格していないからだね。人数が少ないとか、顧問が付いていないとか、理由は色々とあるが……」

「でも部室は持っているんですよね?」

「ああ。元々そこは、文芸部だったからね。発足時は部として認められていたんだが、部員が減って同好会に降格する時にサブカルチャー同好会に名前だけ変更したんだよ、学校としては文科系の部活が減るのも問題があってね」

 それはかなり変則的な経緯であると思う。

 しかしすべてを聞いた彼女は、彼女にしてはずいぶんと生き生きとした表情をしていた気がした。

「なるほど……わかりました。これは意外でした……同好会。なるほど……そういうのもあるのか」

 ちょっとした雑談の後、彼女は行動することを選んだ。



 この学校には、留学生を受け入れる制度がある。

 ただ彼女レイナ・トーレスは―――海外から招かれた特別優秀なダンジョン探索者だった。

 言ってしまえば特待生である。

 ゆえに日本のダンジョンに来てからの彼女の生活はダンジョンアタックを繰り返し、その実力はすでに学校の内外で認められていた。

 そして今日もレイナは過酷なダンジョン攻略へと挑むのだが、勇猛果敢な学生達のアタックには常に危険が付きまとうものだった。

「レイナさん!……お願いします!」

「―――」

 巨大な蛇型のモンスターが前衛の集団を抜けて来る。

 ダメージがすでに蓄積されている蛇は恐ろしい生命力だが、それは手筈通りの成り行きだった。

「任せてください―――」

 レイナは長い金色のまつ毛を揺らし、閉じていた瞼を開いた。

 精神集中は十分。

 準備を整え、待ち構えていたレイナは杖を眼前にかざして、溜めた魔力を一気に解放した。

 杖から雷が迸り蛇に命中した瞬間、雷光が目を焼き、蛇は激しくのけぞるのが見えた。

 そして雷に身を焼かれ完全に丸焼けになった蛇は、煙を出しながら倒れ伏した。

「おお! 流石はレイナさんだ!」

「なんという魔力だ……。あの生命力の強いレッドサーペントを一撃で……」

「カッコイイ……雷属性すごいなぁ」

「……」

 彼女を知らない生徒はたぶんこの学校にはいない。

 琥珀色の肌に青い瞳はこの国では馴染みのない異国の印象を周囲に与え、同年代では学校屈指の実力を備えた彼女は、しかしいつもどこか愁いをおびた表情を浮かべている。

 迸る魔力で金髪を輝かせながら、どんな時も涼しい顔でダンジョンを踏破する凄腕の魔法使い。

 注目を歩いているだけでも集めてしまう星。

 それが、竜桜学園での彼女の姿だった。
感想 3

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