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第77話お勧めできない提案
さて桃山君がどんな道場で学んでいたとしても、変わらない基本はあると思う。
それは対人戦を想定して作られた技が根底にあるという事だ。
モンスターが現れて変化していたとしても、おそらく下地として生きてはいるはずだと僕は思うわけだ。
「というわけで、チョイスしたのは68階層、オーガエリアです」
「オーガエリア……ああ、人型だからってことでござるな」
「そういう事。学んだ技を生かすなら、まずは人型かなと。それにもう一つ理由がある。それは同格以上の鬼の属性を持つモンスターを100体ソロで討伐することが、侍限定スキルの解放条件だからです」
「マ、マジでござるか?」
「マジでござる。その名も修羅化」
「修羅……ほほう。それは絶対やばい奴でござるな」
「やばいやつです……。気分が高揚して、素早さと攻撃力が20倍になります」
「にじゅうばいでござる……か?」
「はい。20倍です。さらに、ほとんど不死身の身体が手に入ります。その破格の性能の代わりに時間制限は発動から一分間、反動は甚大。次に使えるのは丸1日後です」
「そ、それはまた極端でござるな……」
「だけどやらせたいことは単純明快だよ。ようするに一分間の間、何があろうと斬りまくれとそういうスキルだ。ここぞという時のまさに鬼札。そして同格相手に100人抜きを達成した時、リアルスキルだって上達しない訳がないと……僕は思う」
だが問題もあった。というか問題しかない。
そもそも同格以上のオーガの100人抜きなんて、まぁソロでは現実的ではないということだ。
「今の桃山くんなら鬼相手にだって引けはとらないと思うんだけど……この階のオーガを相手にしたらダメージ=即死攻撃だ」
「死ぬでござるな」
「そうたぶん死ぬ」
とはいえ勝ち目はある。今の桃山君は、素早さも攻撃力もオーガを仕留めるに十分だ。
だが防御面を考えると桃山君は、遥か格下だった。
「というかこの鬼属性のモンスターと侍は何気に相性が悪い。どいつもこいつも物理に強いし、生命力は桁外れなんだよ。パーティで戦うなら、注意を引き付けて魔法で仕留める方がはるかに現実的だと思う」
実際に倒すだけなら僕はそっちをお勧めするだろう。
それでもこの方法を提案するのはただ単純に、希望に沿った上で条件を達成するのに最も効率がいいとそれだけの理由だった。
「それは中々……厳しいでござるな」
「そう、厳しいのです。だからどうしてもやるなら僕も少し悪あがきをしたい。アイテムを用意しておくから。用意が出来次第始めよう」
それが僕が提示する最低限の条件だ。
はっきりと準備が出来ていないならやらない方がいいと釘をさすと、桃山君はしっかりと頷いて見せた。
「……分かったでござる」
「だけど、これは本当に桃山君しだいだからおすすめはしない。無理だと思ったら即撤退を強くすすめておくからそのつもりでね」
「……望むところでござるよ」
うーむ。おいおいテンションの上がることを言ってくれるじゃないかと、桃山君の心が分かるぞ?
でも本当にリアルスキル磨きの縛りがなければ、もう少しえぐい方法を提案するところなんだ。
そんな方法だってスキルを解放出来るし、十分強くは成れる。
しかし桃山君には今まで効率のみ重視してきた僕なんかは理解出来ない、アスリート的な……いや、武人のようなこだわりがあることは理解出来た。
なら僕は、桃山君のリスクを極力少なくするように動くだけの事だった。
それは対人戦を想定して作られた技が根底にあるという事だ。
モンスターが現れて変化していたとしても、おそらく下地として生きてはいるはずだと僕は思うわけだ。
「というわけで、チョイスしたのは68階層、オーガエリアです」
「オーガエリア……ああ、人型だからってことでござるな」
「そういう事。学んだ技を生かすなら、まずは人型かなと。それにもう一つ理由がある。それは同格以上の鬼の属性を持つモンスターを100体ソロで討伐することが、侍限定スキルの解放条件だからです」
「マ、マジでござるか?」
「マジでござる。その名も修羅化」
「修羅……ほほう。それは絶対やばい奴でござるな」
「やばいやつです……。気分が高揚して、素早さと攻撃力が20倍になります」
「にじゅうばいでござる……か?」
「はい。20倍です。さらに、ほとんど不死身の身体が手に入ります。その破格の性能の代わりに時間制限は発動から一分間、反動は甚大。次に使えるのは丸1日後です」
「そ、それはまた極端でござるな……」
「だけどやらせたいことは単純明快だよ。ようするに一分間の間、何があろうと斬りまくれとそういうスキルだ。ここぞという時のまさに鬼札。そして同格相手に100人抜きを達成した時、リアルスキルだって上達しない訳がないと……僕は思う」
だが問題もあった。というか問題しかない。
そもそも同格以上のオーガの100人抜きなんて、まぁソロでは現実的ではないということだ。
「今の桃山くんなら鬼相手にだって引けはとらないと思うんだけど……この階のオーガを相手にしたらダメージ=即死攻撃だ」
「死ぬでござるな」
「そうたぶん死ぬ」
とはいえ勝ち目はある。今の桃山君は、素早さも攻撃力もオーガを仕留めるに十分だ。
だが防御面を考えると桃山君は、遥か格下だった。
「というかこの鬼属性のモンスターと侍は何気に相性が悪い。どいつもこいつも物理に強いし、生命力は桁外れなんだよ。パーティで戦うなら、注意を引き付けて魔法で仕留める方がはるかに現実的だと思う」
実際に倒すだけなら僕はそっちをお勧めするだろう。
それでもこの方法を提案するのはただ単純に、希望に沿った上で条件を達成するのに最も効率がいいとそれだけの理由だった。
「それは中々……厳しいでござるな」
「そう、厳しいのです。だからどうしてもやるなら僕も少し悪あがきをしたい。アイテムを用意しておくから。用意が出来次第始めよう」
それが僕が提示する最低限の条件だ。
はっきりと準備が出来ていないならやらない方がいいと釘をさすと、桃山君はしっかりと頷いて見せた。
「……分かったでござる」
「だけど、これは本当に桃山君しだいだからおすすめはしない。無理だと思ったら即撤退を強くすすめておくからそのつもりでね」
「……望むところでござるよ」
うーむ。おいおいテンションの上がることを言ってくれるじゃないかと、桃山君の心が分かるぞ?
でも本当にリアルスキル磨きの縛りがなければ、もう少しえぐい方法を提案するところなんだ。
そんな方法だってスキルを解放出来るし、十分強くは成れる。
しかし桃山君には今まで効率のみ重視してきた僕なんかは理解出来ない、アスリート的な……いや、武人のようなこだわりがあることは理解出来た。
なら僕は、桃山君のリスクを極力少なくするように動くだけの事だった。
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