87 / 257
第87話ぶっちゃけた後の話し合い
八坂生徒会長と浦島先輩が、拠点で向かい合っている。
「……」
「……」
セーフエリアの拠点は部外者お断りの話し合いにもってこいではあるのだが、今は喫茶店とは思えないほど緊迫感が増していた。
しかしこの二人は学生とは思えない妙な迫力があるなぁ。
特に腕を組んでソファーの背にもたれている浦島先輩は、とてもサブカルチャー同好会の部長とは思えなかった。
「というわけで―――私達の秘密の一部を公開したわけだけど……満足してもらえたかな?」
だが頭を抱えた八坂生徒会長は、疑問を口にする。
「……なぜ明かそうと思った?」
「当然、私達は同じ趣味である限り、来る者は拒まないからよ。それぞれどんな事情があったとしても、誰でも自由に楽しめるのがサブカルチャーってものでしょう? いくらでも遊び方もあるのに、一緒に遊びたいって部員を見捨てちゃ遊びの流儀に反するわい」
「全く……どんなこだわりだ?」
「ちなみに全く趣味に興味ない陽キャだったら、問答無用で叩き出すわ!」
「……拒むんじゃないか。しかも間口は結構狭いな実は? だが……君達の状況は理解できないが、良く分かった」
八坂生徒会長は苦々しい表情を浮かべていたが、頷く。
そして脇にいた如月副会長は、無表情のままメガネを輝かせ言った。
「実は私もアニメとか好きなの……同好会に入部できない?」
「おい。それはさすがに許可しないからな」
「……残念」
如月先輩という人は実は一番抜け目がない人なのかもしれない。
この状況でぶっこんでくるとは、レイナさんに通じる行動力の人だった。
「ちょっと本気だっただろうお前? まったく……しかしトーレスさんがこの同好会に所属するのは対外的に問題があると理解してくれ。……まぁ言ってしまえば外聞が悪い。それはトーレスさんにとってもためにならないと……私は思う」
「つまり……どうしろと?」
浦島先輩が眉を顰めると、八坂生徒会長はきっぱり言った。
「せめて部に昇格してくれ」
「あー……なるほどぉ?」
でも同好会が部に昇格って結構大変だと聞く。
条件は学校ごとに違うのだろうが、浦島先輩の顔を見るとこの学校でも簡単なことではないみたいだ。
ただ、やって見せろというよりはむしろ積極的に部にしたいのは、八坂先輩の方のようだった。
「部員の数は4人でもいい。後は顧問の先生と……部にふさわしい実績を証明してくれたら、こちらで何とかしよう」
「またかぁ……実績を証明ってどうするのさ?」
「何でもいいさ。何かしらの大会に出て上位入賞でもできれば申し分ないが……ボランティアやら研究発表やら、とにかく部として活動していますと学校側にアピールできる材料が欲しい」
「……ポーションじゃ足りない?」
「足りない」
「うーむ……この間サブカル同好会でどう世間にアピールすりゃいいのよって話したばっかりなんだよなぁ。結局この同好会って、生徒のガス抜きのためにあるわけよ」
「そう言えてしまう割り切りっぷりもすごいな。だがそうだとしても君達はサブカルチャー同好会のメンバーである前に、ダンジョン探索者専門学校の生徒でもある。現時点でアプローチする方法はそちらの方が現実的じゃないか?」
「そうだねぇ……」
浦島先輩は天井を仰ぎ見る。だがこれは難しいところだと僕は思った。
現在までの攻略情報を開示すれば、サブカルチャー同好会は十分に活動的な同好会として認めてもらうことが出来るかもしれない。
しかしレイナさんの所属くらいでこうもトラブルが続くと、どの程度学校と情報を共有するかは、慎重に考えたくもなってしまうだろう。
まぁ攻略情報なんて全部公開してしまえば、生徒会でも出来てしまうことはある。
そうなったら、レイナさんがサブカル同好会にいる意味もなくなって、問題は振り出しに戻りそうだ。
「……よし、わかったやってみるわ」
結局浦島先輩は承諾した。
返事を聞いた八坂生徒会長は、まぁ気楽にやれと苦笑いを浮かべていた。
「期待してるよ。まぁ今日のを見た感じ、いけそうな気もするが……」
チラリと桃山君を見る八坂生徒会長は、ずいぶんと期待の重そうな視線を桃山君に送っているけど、本人は分かっていなさそうだった。
そして二人の話を聞いて、レイナさんは待ち構えていたかのように力強く手を上げ言った。
「はい! そういう事なら活動に最適のイベント、ワタシ予定あります!」
「「?」」
ちなみに、僕はレイナさんの主張に心当たりは全くない。
しかし有名な探索者である彼女の提案ともなると、これは期待できると思ってしまった僕は単純である。
浦島先輩も、今のところ成果らしい成果の具体的なプランはなかったようで、別の問題を解決することにしたらしい。
「……なら、顧問の方は私が何とかするよ。ちょっと心当たりがある」
そうあっさり言ってのけた浦島先輩はやたら頼もしい。
こんなことをやれと言われて即やれる事を思いつけるのは素直にすごいと思う。
僕もなんにもわからないけれど、やれるだけ頑張ってみよう。
なに、僕の無茶ぶりに比べたら大抵のことは実現可能だろうと思うと、申し訳ないやら気合が入るやらいろんな感情が頭をよぎるけれども、多少の無茶ぶりなら僕だって少しは対応できるはずだった。
「……」
「……」
セーフエリアの拠点は部外者お断りの話し合いにもってこいではあるのだが、今は喫茶店とは思えないほど緊迫感が増していた。
しかしこの二人は学生とは思えない妙な迫力があるなぁ。
特に腕を組んでソファーの背にもたれている浦島先輩は、とてもサブカルチャー同好会の部長とは思えなかった。
「というわけで―――私達の秘密の一部を公開したわけだけど……満足してもらえたかな?」
だが頭を抱えた八坂生徒会長は、疑問を口にする。
「……なぜ明かそうと思った?」
「当然、私達は同じ趣味である限り、来る者は拒まないからよ。それぞれどんな事情があったとしても、誰でも自由に楽しめるのがサブカルチャーってものでしょう? いくらでも遊び方もあるのに、一緒に遊びたいって部員を見捨てちゃ遊びの流儀に反するわい」
「全く……どんなこだわりだ?」
「ちなみに全く趣味に興味ない陽キャだったら、問答無用で叩き出すわ!」
「……拒むんじゃないか。しかも間口は結構狭いな実は? だが……君達の状況は理解できないが、良く分かった」
八坂生徒会長は苦々しい表情を浮かべていたが、頷く。
そして脇にいた如月副会長は、無表情のままメガネを輝かせ言った。
「実は私もアニメとか好きなの……同好会に入部できない?」
「おい。それはさすがに許可しないからな」
「……残念」
如月先輩という人は実は一番抜け目がない人なのかもしれない。
この状況でぶっこんでくるとは、レイナさんに通じる行動力の人だった。
「ちょっと本気だっただろうお前? まったく……しかしトーレスさんがこの同好会に所属するのは対外的に問題があると理解してくれ。……まぁ言ってしまえば外聞が悪い。それはトーレスさんにとってもためにならないと……私は思う」
「つまり……どうしろと?」
浦島先輩が眉を顰めると、八坂生徒会長はきっぱり言った。
「せめて部に昇格してくれ」
「あー……なるほどぉ?」
でも同好会が部に昇格って結構大変だと聞く。
条件は学校ごとに違うのだろうが、浦島先輩の顔を見るとこの学校でも簡単なことではないみたいだ。
ただ、やって見せろというよりはむしろ積極的に部にしたいのは、八坂先輩の方のようだった。
「部員の数は4人でもいい。後は顧問の先生と……部にふさわしい実績を証明してくれたら、こちらで何とかしよう」
「またかぁ……実績を証明ってどうするのさ?」
「何でもいいさ。何かしらの大会に出て上位入賞でもできれば申し分ないが……ボランティアやら研究発表やら、とにかく部として活動していますと学校側にアピールできる材料が欲しい」
「……ポーションじゃ足りない?」
「足りない」
「うーむ……この間サブカル同好会でどう世間にアピールすりゃいいのよって話したばっかりなんだよなぁ。結局この同好会って、生徒のガス抜きのためにあるわけよ」
「そう言えてしまう割り切りっぷりもすごいな。だがそうだとしても君達はサブカルチャー同好会のメンバーである前に、ダンジョン探索者専門学校の生徒でもある。現時点でアプローチする方法はそちらの方が現実的じゃないか?」
「そうだねぇ……」
浦島先輩は天井を仰ぎ見る。だがこれは難しいところだと僕は思った。
現在までの攻略情報を開示すれば、サブカルチャー同好会は十分に活動的な同好会として認めてもらうことが出来るかもしれない。
しかしレイナさんの所属くらいでこうもトラブルが続くと、どの程度学校と情報を共有するかは、慎重に考えたくもなってしまうだろう。
まぁ攻略情報なんて全部公開してしまえば、生徒会でも出来てしまうことはある。
そうなったら、レイナさんがサブカル同好会にいる意味もなくなって、問題は振り出しに戻りそうだ。
「……よし、わかったやってみるわ」
結局浦島先輩は承諾した。
返事を聞いた八坂生徒会長は、まぁ気楽にやれと苦笑いを浮かべていた。
「期待してるよ。まぁ今日のを見た感じ、いけそうな気もするが……」
チラリと桃山君を見る八坂生徒会長は、ずいぶんと期待の重そうな視線を桃山君に送っているけど、本人は分かっていなさそうだった。
そして二人の話を聞いて、レイナさんは待ち構えていたかのように力強く手を上げ言った。
「はい! そういう事なら活動に最適のイベント、ワタシ予定あります!」
「「?」」
ちなみに、僕はレイナさんの主張に心当たりは全くない。
しかし有名な探索者である彼女の提案ともなると、これは期待できると思ってしまった僕は単純である。
浦島先輩も、今のところ成果らしい成果の具体的なプランはなかったようで、別の問題を解決することにしたらしい。
「……なら、顧問の方は私が何とかするよ。ちょっと心当たりがある」
そうあっさり言ってのけた浦島先輩はやたら頼もしい。
こんなことをやれと言われて即やれる事を思いつけるのは素直にすごいと思う。
僕もなんにもわからないけれど、やれるだけ頑張ってみよう。
なに、僕の無茶ぶりに比べたら大抵のことは実現可能だろうと思うと、申し訳ないやら気合が入るやらいろんな感情が頭をよぎるけれども、多少の無茶ぶりなら僕だって少しは対応できるはずだった。
あなたにおすすめの小説
さびれたレンタル道具屋の転生おっさん、道具の使い方を教えまくる。~客のS級冒険者が俺を歴戦の英雄と勘違いして弟子入りを求めてくるんだが~
遥風 かずら
ファンタジー
前世で過労死した久世織人が目を覚ますとそこは異世界の王都、しかも古道具屋の跡取り息子として転生していた。アクセル・リオットとして成長した彼は荷物持ちとして冒険者パーティーに同行、その道中に【無限収納】スキルを開花させる。
パーティー活動から離脱後、四十歳となったアクセルは前世の記憶を思い出し、儲かりそうという考えで道具レンタル屋を始めていた。客足もなく店がさびれる中、道具の使い方が出来てない冒険者によって治安の乱れや魔物討伐の失敗が続いているという話を常連客から聞かされる。あらゆる道具に精通するアクセルは客の冒険者に使い方を教えに行くことを思い立つ。
アクセルの教えにより、やがてS級冒険者や聖女、王女までも勘違いして彼の元には次々と弟子入りを求める者が現れていくのだった。
《カクヨム様で50000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う
なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。
スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、
ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。
弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、
満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。
そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは――
拾ってきた野良の黒猫“クロ”。
だが命の灯が消えかけた夜、
その黒猫は正体を現す。
クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在――
しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。
力を失われ、語ることすら封じられたクロは、
復讐を果たすための契約者を探していた。
クロは瀕死のソラと契約し、
彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。
唯一のスキル《アイテムボックス》。
そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、
弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。
だがその裏で、
クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、
復讐の道を静かに歩み始めていた。
これは――
“最弱”と“最凶”が手を取り合い、
未来をやり直す物語
俺の家に異世界ファンタジーガチャが来た結果→現実世界で最強に ~極大に増えていくスキルの数が膨大になったので現実世界で無双します~
仮実谷 望
ファンタジー
ガチャを廻したいからそんな理由で謎の異世界ガチャを買った主人公はガチャを廻して自分を鍛えて、最強に至る。現実世界で最強になった主人公は難事件やトラブルを解決する。敵の襲来から世界を守るたった一人の最強が誕生した。そしてガチャの真の仕組みに気付く主人公はさらに仲間と共に最強へと至る物語。ダンジョンに挑戦して仲間たちと共に最強へと至る道。
ガチャを廻しまくり次第に世界最強の人物になっていた。
ガチャ好きすぎて書いてしまった。
素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。
ダンジョンのある生活《スマホ片手にレベルアップ》
盾乃あに
ファンタジー
進藤タクマは25歳、彼女にフラれて同棲中の家を追い出され、新しい部屋を借りたがそこにはキッチンに見知らぬ扉が付いていた。床下収納だと思って開けたらそこは始まりのダンジョンだった。
ダンジョンを攻略する自衛隊、タクマは部屋を譲り新しい部屋に引っ越すが、そこにもダンジョンが……
始まりのダンジョンを攻略することになったタクマ。
さぁ、ダンジョン攻略のはじまりだ。
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。