101 / 257
第101話名前だけではきっと済まない
僕らは本番に備えてしっかりと練習に励んでいたと、そう言える時間が続いていた。
僕は消耗したアイテムのストックを用意したり、他のメンバーの振ってくる仕事に対応したりで大わらわ。
桃山君は、武器が一本ダメになったから新調したり、三人分の本番衣装をカスタマイズしたりで忙しそうだ。
カフェ近くの防音部屋からは、毎日わずかに練習の音が響いていて、毎日完成度が上がっていくのが心地いい。
まぁ……いきなりの舞台が大きすぎて、切羽詰まっているとも言う。
そして別ベクトルで頑張ってくれていた浦島先輩は考える限り最高の成果を、僕達に披露した。
「はい! ではみんなに紹介したい人がいます! サブカルチャー同好会に顧問の先生が付きました!」
「おお~」
「いや、まだ顧問になったわけでは……」
「「……!」」
僕と桃山君は純粋に驚いた。
また学内で結構な有名人を連れて来たもんだ。
僕はまだ浦島先輩の手腕を見誤っていたようだった。
「……龍宮院だ。よろしく頼む。とはいえ私も君達のことをよくわかっているわけではない。聞いたところによると、サブカルチャー文化に対する研究をする同好会という話だけど……」
「まぁ詳しい話は移動してからにしましょう。じゃあ、ワタヌキ君? 早速行きましょうか?」
「ああ、なるほど。了解です」
しかしまだ完全に引き入れているわけではないと。
どういうつもりなのかはわからないが、僕は浦島先輩の目を信じることにする。
他のメンバーもだいたい同じような感想の様で、浦島先輩の言葉に従って準備を始めているようだった。
「これから? どこに行くんだい?」
戸惑っているのは龍宮院先生だけだが、そんな彼女を安心させるように穏やかに浦島先輩は対応していた。
「もっと話しやすい場所ですよ。具体的に言うとダンジョンです。きっと先生も気に入ってくれると思います」
「ダンジョン? ……全員そろっているならここでいいんじゃないか?」
「先生の作品もそこに置いてありますよ?」
「……よし行こう。今すぐ連れて行きなさい」
あれ? ひょっとして浦島先輩何か弱みでも握ってる?
いや、まさかそんなことはないか。
しかし、龍宮院先生は一見するととても真面目そうなイメージの先生だった。
クールというかカッコイイというか、明らかに陽の者のオーラを感じる。
そんな彼女が果たして、あの拠点を気に入ってくれるかどうか?
正直望み薄という言葉が浮かんだのは僕だけではなかったらしい。
「……大丈夫かな?」
「どうでござろうな?……可能性は低いと思うんでござるが」
「そうですね……お話したことありますけど……」
1年一同、あまり期待は出来ないという感想―――だったのだが。
やってきた拠点にて、準備万端整えられた料理の並ぶ席で、どこかで見たことのあるアニメキャラの美少年に囲まれた龍宮院先生は、ちょっと彼女からは想像もできない歓声を上げながら耳まで真っ赤になっていた。
「ヒョー……えぇぇ。ナニコレ私明日死ぬ?」
おんや? やはり僕はまだまだ人を見る目が養われていなかったようだ。
龍宮院先生に一気に親近感が増した僕は、何もわかっていなかったのだと大いに反省した。
レッテル張ったりとかやっぱりよくないね。そしてお膳立てを整えたらしい浦島先輩は大いに満足そうに、その結果を眺めていた。
「……どうです先生。上の子はまだまだでしたがカフェ店員は練度が違うでしょう? あと生徒の前ですので落ち着いてください?」
「……ウオッホン! んんんっ! いや、失敬。しかし凄いな。これがすべてモンスターとは……こんなに人間に近い……いや、普通の人間とは違うか。空想のキャラクターまで再現してしまうとはね。参考までに、何のモンスターなのか聞いても? 出来ればテイムの方法も」
一応表情だけ取り繕っているが、完全には無理だった。
僕なんかはもはや仲間認定でいい気がして来た。
「顧問になってくれるなら全部教えますよ?」
「……たまにしか来れないが、構わないかな?」
「もちろん。名前を貸してくれるだけでもかまいません」
「…………また来るよ」
「お待ちしてます。ああ、電気が使えないので気を付けて? 本なんかの紙媒体は移動してありますから。御自由にどうぞ」
「……なるほど、元より大分好き勝手にやっていた同好会みたいだね」
「そんなことありません。一般常識の範囲だと思いますよ?」
苦笑する龍宮院先生に、ニッコリと言い切る浦島先輩だが、まぁ結構好き勝手やっていた同好会なのは間違いなかった。
そしてあっという間に交渉は成立してしまったようだ。
浦島先輩も良くやる。しかしこれで部の昇格までまた一歩進んでしまったと思っていいだろう。
ただそのあと一歩は途方もなく大変そうだけど……一応準備も順調だった。
「それで、ここは一体どこなんだ? なにかこう、一気に魔力が濃い気がするが……結構深い階層だろう?」
「あ、はい。50階です」
「50階ぃ!?」
……しかし龍宮院先生は、かなりいいリアクションをしてくれる。
定番のくだりだけど、やっぱりこの瞬間はいい物だった。
「どうやってそんな階層に……いや、そもそもそんな場所になぜカフェが?」
「みんなで建てました♪」
「建てたぁ!? 建設したって意味かい!?……いや、まさかそんなことが?」
うんうん。なんだか心が温かくなるね。
同好会一同、頑張りましたので。
最近はこの驚き声が、賞賛と=になってる。
混乱している龍宮院先生に今度はレイナさんがすかさず質問を投げかけた。
「はい! 先生! 先生は車の免許を持っていますか?」
「え? ああ、持っているけど……」
「じゃあ、さっそく引率お願いしてもいいですか?」
「どこかに出かけるのか……まぁかまわないよ。引き受けた以上は少しくらいらしいことをしておかないとね」
「わお! じゃあお願いします! しばらくしたら連絡しますネ!」
「……」
うーん、なんという流れるような誘導具合。
一回情報過多で思考停止させてからの、極めて普通の会話で同意を引き出した。
きっと龍宮院先生は、ここからしばらくしてもう一驚きさせられるんだろうなって確信が僕にはあったがきっとそんなの序の口である。
よくよく考えてみるとこれから先、サプライズのネタは山ほどあるなと思うと僕もちょっと楽しみになって来た。
僕は消耗したアイテムのストックを用意したり、他のメンバーの振ってくる仕事に対応したりで大わらわ。
桃山君は、武器が一本ダメになったから新調したり、三人分の本番衣装をカスタマイズしたりで忙しそうだ。
カフェ近くの防音部屋からは、毎日わずかに練習の音が響いていて、毎日完成度が上がっていくのが心地いい。
まぁ……いきなりの舞台が大きすぎて、切羽詰まっているとも言う。
そして別ベクトルで頑張ってくれていた浦島先輩は考える限り最高の成果を、僕達に披露した。
「はい! ではみんなに紹介したい人がいます! サブカルチャー同好会に顧問の先生が付きました!」
「おお~」
「いや、まだ顧問になったわけでは……」
「「……!」」
僕と桃山君は純粋に驚いた。
また学内で結構な有名人を連れて来たもんだ。
僕はまだ浦島先輩の手腕を見誤っていたようだった。
「……龍宮院だ。よろしく頼む。とはいえ私も君達のことをよくわかっているわけではない。聞いたところによると、サブカルチャー文化に対する研究をする同好会という話だけど……」
「まぁ詳しい話は移動してからにしましょう。じゃあ、ワタヌキ君? 早速行きましょうか?」
「ああ、なるほど。了解です」
しかしまだ完全に引き入れているわけではないと。
どういうつもりなのかはわからないが、僕は浦島先輩の目を信じることにする。
他のメンバーもだいたい同じような感想の様で、浦島先輩の言葉に従って準備を始めているようだった。
「これから? どこに行くんだい?」
戸惑っているのは龍宮院先生だけだが、そんな彼女を安心させるように穏やかに浦島先輩は対応していた。
「もっと話しやすい場所ですよ。具体的に言うとダンジョンです。きっと先生も気に入ってくれると思います」
「ダンジョン? ……全員そろっているならここでいいんじゃないか?」
「先生の作品もそこに置いてありますよ?」
「……よし行こう。今すぐ連れて行きなさい」
あれ? ひょっとして浦島先輩何か弱みでも握ってる?
いや、まさかそんなことはないか。
しかし、龍宮院先生は一見するととても真面目そうなイメージの先生だった。
クールというかカッコイイというか、明らかに陽の者のオーラを感じる。
そんな彼女が果たして、あの拠点を気に入ってくれるかどうか?
正直望み薄という言葉が浮かんだのは僕だけではなかったらしい。
「……大丈夫かな?」
「どうでござろうな?……可能性は低いと思うんでござるが」
「そうですね……お話したことありますけど……」
1年一同、あまり期待は出来ないという感想―――だったのだが。
やってきた拠点にて、準備万端整えられた料理の並ぶ席で、どこかで見たことのあるアニメキャラの美少年に囲まれた龍宮院先生は、ちょっと彼女からは想像もできない歓声を上げながら耳まで真っ赤になっていた。
「ヒョー……えぇぇ。ナニコレ私明日死ぬ?」
おんや? やはり僕はまだまだ人を見る目が養われていなかったようだ。
龍宮院先生に一気に親近感が増した僕は、何もわかっていなかったのだと大いに反省した。
レッテル張ったりとかやっぱりよくないね。そしてお膳立てを整えたらしい浦島先輩は大いに満足そうに、その結果を眺めていた。
「……どうです先生。上の子はまだまだでしたがカフェ店員は練度が違うでしょう? あと生徒の前ですので落ち着いてください?」
「……ウオッホン! んんんっ! いや、失敬。しかし凄いな。これがすべてモンスターとは……こんなに人間に近い……いや、普通の人間とは違うか。空想のキャラクターまで再現してしまうとはね。参考までに、何のモンスターなのか聞いても? 出来ればテイムの方法も」
一応表情だけ取り繕っているが、完全には無理だった。
僕なんかはもはや仲間認定でいい気がして来た。
「顧問になってくれるなら全部教えますよ?」
「……たまにしか来れないが、構わないかな?」
「もちろん。名前を貸してくれるだけでもかまいません」
「…………また来るよ」
「お待ちしてます。ああ、電気が使えないので気を付けて? 本なんかの紙媒体は移動してありますから。御自由にどうぞ」
「……なるほど、元より大分好き勝手にやっていた同好会みたいだね」
「そんなことありません。一般常識の範囲だと思いますよ?」
苦笑する龍宮院先生に、ニッコリと言い切る浦島先輩だが、まぁ結構好き勝手やっていた同好会なのは間違いなかった。
そしてあっという間に交渉は成立してしまったようだ。
浦島先輩も良くやる。しかしこれで部の昇格までまた一歩進んでしまったと思っていいだろう。
ただそのあと一歩は途方もなく大変そうだけど……一応準備も順調だった。
「それで、ここは一体どこなんだ? なにかこう、一気に魔力が濃い気がするが……結構深い階層だろう?」
「あ、はい。50階です」
「50階ぃ!?」
……しかし龍宮院先生は、かなりいいリアクションをしてくれる。
定番のくだりだけど、やっぱりこの瞬間はいい物だった。
「どうやってそんな階層に……いや、そもそもそんな場所になぜカフェが?」
「みんなで建てました♪」
「建てたぁ!? 建設したって意味かい!?……いや、まさかそんなことが?」
うんうん。なんだか心が温かくなるね。
同好会一同、頑張りましたので。
最近はこの驚き声が、賞賛と=になってる。
混乱している龍宮院先生に今度はレイナさんがすかさず質問を投げかけた。
「はい! 先生! 先生は車の免許を持っていますか?」
「え? ああ、持っているけど……」
「じゃあ、さっそく引率お願いしてもいいですか?」
「どこかに出かけるのか……まぁかまわないよ。引き受けた以上は少しくらいらしいことをしておかないとね」
「わお! じゃあお願いします! しばらくしたら連絡しますネ!」
「……」
うーん、なんという流れるような誘導具合。
一回情報過多で思考停止させてからの、極めて普通の会話で同意を引き出した。
きっと龍宮院先生は、ここからしばらくしてもう一驚きさせられるんだろうなって確信が僕にはあったがきっとそんなの序の口である。
よくよく考えてみるとこれから先、サプライズのネタは山ほどあるなと思うと僕もちょっと楽しみになって来た。
あなたにおすすめの小説
さびれたレンタル道具屋の転生おっさん、道具の使い方を教えまくる。~客のS級冒険者が俺を歴戦の英雄と勘違いして弟子入りを求めてくるんだが~
遥風 かずら
ファンタジー
前世で過労死した久世織人が目を覚ますとそこは異世界の王都、しかも古道具屋の跡取り息子として転生していた。アクセル・リオットとして成長した彼は荷物持ちとして冒険者パーティーに同行、その道中に【無限収納】スキルを開花させる。
パーティー活動から離脱後、四十歳となったアクセルは前世の記憶を思い出し、儲かりそうという考えで道具レンタル屋を始めていた。客足もなく店がさびれる中、道具の使い方が出来てない冒険者によって治安の乱れや魔物討伐の失敗が続いているという話を常連客から聞かされる。あらゆる道具に精通するアクセルは客の冒険者に使い方を教えに行くことを思い立つ。
アクセルの教えにより、やがてS級冒険者や聖女、王女までも勘違いして彼の元には次々と弟子入りを求める者が現れていくのだった。
《カクヨム様で50000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う
なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。
スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、
ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。
弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、
満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。
そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは――
拾ってきた野良の黒猫“クロ”。
だが命の灯が消えかけた夜、
その黒猫は正体を現す。
クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在――
しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。
力を失われ、語ることすら封じられたクロは、
復讐を果たすための契約者を探していた。
クロは瀕死のソラと契約し、
彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。
唯一のスキル《アイテムボックス》。
そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、
弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。
だがその裏で、
クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、
復讐の道を静かに歩み始めていた。
これは――
“最弱”と“最凶”が手を取り合い、
未来をやり直す物語
俺の家に異世界ファンタジーガチャが来た結果→現実世界で最強に ~極大に増えていくスキルの数が膨大になったので現実世界で無双します~
仮実谷 望
ファンタジー
ガチャを廻したいからそんな理由で謎の異世界ガチャを買った主人公はガチャを廻して自分を鍛えて、最強に至る。現実世界で最強になった主人公は難事件やトラブルを解決する。敵の襲来から世界を守るたった一人の最強が誕生した。そしてガチャの真の仕組みに気付く主人公はさらに仲間と共に最強へと至る物語。ダンジョンに挑戦して仲間たちと共に最強へと至る道。
ガチャを廻しまくり次第に世界最強の人物になっていた。
ガチャ好きすぎて書いてしまった。
素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。
ダンジョンのある生活《スマホ片手にレベルアップ》
盾乃あに
ファンタジー
進藤タクマは25歳、彼女にフラれて同棲中の家を追い出され、新しい部屋を借りたがそこにはキッチンに見知らぬ扉が付いていた。床下収納だと思って開けたらそこは始まりのダンジョンだった。
ダンジョンを攻略する自衛隊、タクマは部屋を譲り新しい部屋に引っ越すが、そこにもダンジョンが……
始まりのダンジョンを攻略することになったタクマ。
さぁ、ダンジョン攻略のはじまりだ。
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。