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第133話スキル上げの雑談
「ふっふっふっ……すごい力を手に入れてしまったみたいだ」
正直実際使ってみた空間魔法は、思ったよりも楽しくて高評価せざるを得ない。
ただ僕の反応は攻略君的に意外だったみたいである。
『おや? 君がスキルを褒めるなんて珍しいじゃないか?』
「そう? 毎回すごいとは思ってるんだよ? ……でもこれはやっぱ別格にすごいと思う」
『それはどの辺りが?』
「実質どこでも〇アだよねこれ? 人類の夢じゃないか?」
『……』
おや? 黙ってしまうなんてつれないじゃないか攻略君。
割と最大級の賛辞なんだから僕としてはノッて欲しい。
使い勝手も最高そうで、鍛えれば本気で寝てでもいない限り、僕に遅刻はなくなったと言ってよかった。
うにょん。ぽこ。
うにょん。ぽこ。
うにょん。ぽこ。
そして手先を空間魔法で出し入れしつつ、キングオリハルコンスライムを叩くことで、スキル上昇を狙う。
わざわざダンジョンの中でやっている特訓は、全ては遅刻なしチケットを手に入れるためだった。
しかしちょっと面白いくらいにスキルが上昇するこれは、いつか学校にも導入すべきだと僕は思った。
「いやすごい。これかなり発明じゃない?」
『キング化個体は熟練度も別格だ。スキルの成長くらいすぐさ』
「……毎度思うけど、ホントはそんなに簡単に上がるもんじゃないんだよ?」
世間一般の評価を一応口に出しておいたが、攻略君的には根本的にその辺りは気に入らないみたいだった。
『それはそうさ。世間一般の浅い層でモンスターと戯れる程度でスキルが上がってたまるかという話だよ』
「あらら、ずいぶん辛辣じゃないか」
『今の君にはニュアンスは伝わるだろう? 私が深く潜れというのはそこだよ。君達ですらここまで降りて来てまだダンジョンを知るには至っていないんだぞ? まだ上はあるし、もっと強くもなると感じているはずだ』
「……そうだね」
それは確かに、恐ろしい速度で下に降りて来たからかもしれないが今が上限とは全然思えない。
そりゃあ僕らだってかなり強くなっていることは間違いないけど、まともに戦ったらいまだに苦戦する相手だっているだろう。
『君の真似をしろと言うつもりはないが、もう少しダンジョンを味わってもらいたいと思うよ』
攻略君の言い分はずいぶんだと僕のまだ常識的な部分は思う。
まぁでも本当の意味で僕にも攻略君の言うこともわかってしまう。
確かにプロ経験者の龍宮院先生すら30階前後で探索するのがせいぜいだというのなら、まだ全然おいしいところにたどり着いていない気がした。
いやまぁ学校のダンジョンでも回復薬が手に入るんだから世の中的にはそれで十分なんだろうけど、もう少し足を延ばせば更なる有用アイテム目白押しだと僕は知っている。
「まぁ確かに……面白味には欠けるかなぁ」
『だろう? よかった。ようやく話が通じるようになった気分だよ』
「今までは通じてなかったか……。いい事なのか悪いことなのか、判断に困る問題だね」
僕にしてみたら一般的な常識とはだいぶんズレて来てるってことだからね。
しかし攻略君に言わせれば、そんな常識なんてさっさと捨てて目の前にあるダンジョンをもっとしっかり見ろという事のようだ。
『いいことだよ。それに君を見ているとその実感が強くなる一方だ』
「そんなに? いやいや、こんな平凡な人間を捕まえて何言ってるんだい」
別に何もしていないと僕が言うと攻略君はよく言うとあきれ気味だった。
『平凡ではあったんだろうさ。しかし今はそうじゃない。なぜか? 君は知識を手に入れた。そしてなんの保証もない知識を実践するための場を君は求めた。それは君の才能でもあるのだろうが……それだけじゃない。普段は理性と常識で抑えられている人間の本質を君はその身をもって実践してみせたのだと私は思う』
「なんかしたかな? 僕はただ損をするのが嫌だっただけだよ。攻略君は何だと思った?」
『まぁ好奇心旺盛だなってね』
「好奇心旺盛? なんか馬鹿にされてる?」
『いいや。大いに褒めている』
実際ここまで来てしまったんだから、まるで好奇心がないなんてとてもじゃないけど言えないし、ちょっと恥ずかしい。
だが攻略君は絶賛した。
『それでこそだよ。君達を突き動かすのはやはり好奇心だ。損だの得だのは後からついてくることだね。始める前から結果がどうなるのかなんて大抵はわからない。だが君達は結果が分からないからこそ突き進むのさ』
「そんなもんかなぁ」
『まぁ、君を見ているからこその所感なのかもしれないけどね』
最後にオチを作ってそう締めくくる攻略君に、僕は思わず皮肉っぽく笑ってしまった。
「ああ……だったらその結論、考え直した方がいいね。僕らは一般的な基準にはならないだろう」
『そうかい?』
「ああ。まぁだいたい察しているだろうけど、僕らは結構癖が強い」
それは自分が一番自覚する所で、一般人の基準として考えるには少々一般人がかわいそうだ。
『……それはそうかもしれないねぇ』
「すまんね攻略君」
特に最近は欲望のタガが外れて、ますますズレてる気がするくらいだよ。
しかし人類がダンジョン攻略するのに必要なのが好奇心とは、攻略君はずいぶんと前向きな言葉を選んだものだった。
「まぁ好奇心が強いのは、そうかもしれない。例えば……この雑談の間ずっと殴ってるこいつは一向にやられないなとか……」
さすがに丈夫すぎないか?と、眉間に皺を寄せると、攻略君は笑っていた。
『それはそうだ。まず素手では無理なんじゃないかな? こいつらはあまりにも固い。しかもキング化のパラメーター増加率は、君の超化を凌駕する』
「……うぇ。そんなにか」
『まぁ普通の状態で倒したいなら工夫が必要だね。それこそ好奇心で頑張り給え』
「……言ってくれるね」
そんなことを言われると、好奇心旺盛な人間としては、倒してみたくなるじゃない。
真っ先に思いついたのは空間魔法と聞いてイメージした割と定番のアレだった。
「ええっとじゃあ。一個試してみようかな?」
魔法でゲートを開いて、半分オリハルコンスライムを突っ込む。
『む!』
「そしてこれを……閉じる」
すると―――思っていた通りのことが起きた。起きてしまった。
『「わぁ!」』
ザックリと一撃である。
「こ、こわぁ……思わぬ必殺技だわ」
みごと真っ二つになったスライムは、ゴトリと近場に開いたゲートの先に落ちていた。
『驚いた。……また反則じみた使い方を思いついたなぁ。危険すぎるから教えなかったんだが……自分で考えたのかい?』
驚く攻略君を眺めた僕はなるほどと頷き答えた。
「日々の研鑽のなせる技? 攻略君にはこれ系の能力が出てくるいろんなアニメと漫画を紹介しよう」
『研鑽ってそういうものだっけ? ……案外あの手の好奇心と想像力の塊みたいな娯楽の方が未知に挑戦するにはいい刺激になるのかもしれないね』
でしょう? 僕もそう思う。
ダンジョンに潜るやつはみんなレトロゲーのRPGは絶対やるべきだと本気で思うし。
最後に大量の経験値とスキル成長を実感した僕は、それではと本来の目的で魔法を使う。
うにょんとスキル上げ前より大きくなったゲートは本当にどこでも行けそうだった。
正直実際使ってみた空間魔法は、思ったよりも楽しくて高評価せざるを得ない。
ただ僕の反応は攻略君的に意外だったみたいである。
『おや? 君がスキルを褒めるなんて珍しいじゃないか?』
「そう? 毎回すごいとは思ってるんだよ? ……でもこれはやっぱ別格にすごいと思う」
『それはどの辺りが?』
「実質どこでも〇アだよねこれ? 人類の夢じゃないか?」
『……』
おや? 黙ってしまうなんてつれないじゃないか攻略君。
割と最大級の賛辞なんだから僕としてはノッて欲しい。
使い勝手も最高そうで、鍛えれば本気で寝てでもいない限り、僕に遅刻はなくなったと言ってよかった。
うにょん。ぽこ。
うにょん。ぽこ。
うにょん。ぽこ。
そして手先を空間魔法で出し入れしつつ、キングオリハルコンスライムを叩くことで、スキル上昇を狙う。
わざわざダンジョンの中でやっている特訓は、全ては遅刻なしチケットを手に入れるためだった。
しかしちょっと面白いくらいにスキルが上昇するこれは、いつか学校にも導入すべきだと僕は思った。
「いやすごい。これかなり発明じゃない?」
『キング化個体は熟練度も別格だ。スキルの成長くらいすぐさ』
「……毎度思うけど、ホントはそんなに簡単に上がるもんじゃないんだよ?」
世間一般の評価を一応口に出しておいたが、攻略君的には根本的にその辺りは気に入らないみたいだった。
『それはそうさ。世間一般の浅い層でモンスターと戯れる程度でスキルが上がってたまるかという話だよ』
「あらら、ずいぶん辛辣じゃないか」
『今の君にはニュアンスは伝わるだろう? 私が深く潜れというのはそこだよ。君達ですらここまで降りて来てまだダンジョンを知るには至っていないんだぞ? まだ上はあるし、もっと強くもなると感じているはずだ』
「……そうだね」
それは確かに、恐ろしい速度で下に降りて来たからかもしれないが今が上限とは全然思えない。
そりゃあ僕らだってかなり強くなっていることは間違いないけど、まともに戦ったらいまだに苦戦する相手だっているだろう。
『君の真似をしろと言うつもりはないが、もう少しダンジョンを味わってもらいたいと思うよ』
攻略君の言い分はずいぶんだと僕のまだ常識的な部分は思う。
まぁでも本当の意味で僕にも攻略君の言うこともわかってしまう。
確かにプロ経験者の龍宮院先生すら30階前後で探索するのがせいぜいだというのなら、まだ全然おいしいところにたどり着いていない気がした。
いやまぁ学校のダンジョンでも回復薬が手に入るんだから世の中的にはそれで十分なんだろうけど、もう少し足を延ばせば更なる有用アイテム目白押しだと僕は知っている。
「まぁ確かに……面白味には欠けるかなぁ」
『だろう? よかった。ようやく話が通じるようになった気分だよ』
「今までは通じてなかったか……。いい事なのか悪いことなのか、判断に困る問題だね」
僕にしてみたら一般的な常識とはだいぶんズレて来てるってことだからね。
しかし攻略君に言わせれば、そんな常識なんてさっさと捨てて目の前にあるダンジョンをもっとしっかり見ろという事のようだ。
『いいことだよ。それに君を見ているとその実感が強くなる一方だ』
「そんなに? いやいや、こんな平凡な人間を捕まえて何言ってるんだい」
別に何もしていないと僕が言うと攻略君はよく言うとあきれ気味だった。
『平凡ではあったんだろうさ。しかし今はそうじゃない。なぜか? 君は知識を手に入れた。そしてなんの保証もない知識を実践するための場を君は求めた。それは君の才能でもあるのだろうが……それだけじゃない。普段は理性と常識で抑えられている人間の本質を君はその身をもって実践してみせたのだと私は思う』
「なんかしたかな? 僕はただ損をするのが嫌だっただけだよ。攻略君は何だと思った?」
『まぁ好奇心旺盛だなってね』
「好奇心旺盛? なんか馬鹿にされてる?」
『いいや。大いに褒めている』
実際ここまで来てしまったんだから、まるで好奇心がないなんてとてもじゃないけど言えないし、ちょっと恥ずかしい。
だが攻略君は絶賛した。
『それでこそだよ。君達を突き動かすのはやはり好奇心だ。損だの得だのは後からついてくることだね。始める前から結果がどうなるのかなんて大抵はわからない。だが君達は結果が分からないからこそ突き進むのさ』
「そんなもんかなぁ」
『まぁ、君を見ているからこその所感なのかもしれないけどね』
最後にオチを作ってそう締めくくる攻略君に、僕は思わず皮肉っぽく笑ってしまった。
「ああ……だったらその結論、考え直した方がいいね。僕らは一般的な基準にはならないだろう」
『そうかい?』
「ああ。まぁだいたい察しているだろうけど、僕らは結構癖が強い」
それは自分が一番自覚する所で、一般人の基準として考えるには少々一般人がかわいそうだ。
『……それはそうかもしれないねぇ』
「すまんね攻略君」
特に最近は欲望のタガが外れて、ますますズレてる気がするくらいだよ。
しかし人類がダンジョン攻略するのに必要なのが好奇心とは、攻略君はずいぶんと前向きな言葉を選んだものだった。
「まぁ好奇心が強いのは、そうかもしれない。例えば……この雑談の間ずっと殴ってるこいつは一向にやられないなとか……」
さすがに丈夫すぎないか?と、眉間に皺を寄せると、攻略君は笑っていた。
『それはそうだ。まず素手では無理なんじゃないかな? こいつらはあまりにも固い。しかもキング化のパラメーター増加率は、君の超化を凌駕する』
「……うぇ。そんなにか」
『まぁ普通の状態で倒したいなら工夫が必要だね。それこそ好奇心で頑張り給え』
「……言ってくれるね」
そんなことを言われると、好奇心旺盛な人間としては、倒してみたくなるじゃない。
真っ先に思いついたのは空間魔法と聞いてイメージした割と定番のアレだった。
「ええっとじゃあ。一個試してみようかな?」
魔法でゲートを開いて、半分オリハルコンスライムを突っ込む。
『む!』
「そしてこれを……閉じる」
すると―――思っていた通りのことが起きた。起きてしまった。
『「わぁ!」』
ザックリと一撃である。
「こ、こわぁ……思わぬ必殺技だわ」
みごと真っ二つになったスライムは、ゴトリと近場に開いたゲートの先に落ちていた。
『驚いた。……また反則じみた使い方を思いついたなぁ。危険すぎるから教えなかったんだが……自分で考えたのかい?』
驚く攻略君を眺めた僕はなるほどと頷き答えた。
「日々の研鑽のなせる技? 攻略君にはこれ系の能力が出てくるいろんなアニメと漫画を紹介しよう」
『研鑽ってそういうものだっけ? ……案外あの手の好奇心と想像力の塊みたいな娯楽の方が未知に挑戦するにはいい刺激になるのかもしれないね』
でしょう? 僕もそう思う。
ダンジョンに潜るやつはみんなレトロゲーのRPGは絶対やるべきだと本気で思うし。
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注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。