ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち

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第12話思ったよりも楽しめている

 1000体ものモンスターを狩ったボーナスは充実していた。

 だがしかし攻略君の言う通りだとすれば、それは僕の場合HPと攻撃力以外は世界最弱の可能性があった。

 しかしそんな心もとない部分を補う方法があると言う。

『一番基本なのは、装備を充実させることだよね。金策におすすめなのは回復ポーションだ。11階から20階にかけてのモンスターが落すよ。植物型か、キノコ型が狙い目だね。私が素材から薬を生成するレシピも教えられるよ。お金が溜まったら、ようやく装備が充実すると言う寸法さ』

「作ることまで? 大丈夫な奴なの?」

『お菓子も薬も正確にレシピを守ることが重要さ。そしてそう言うの私は得意なのさ』

「そう言えば……そうだなぁ」

 薬レシピは、一歩間違うとやばい匂いがプンプンするが、金策は思った以上に正攻法だったんだけど、悪くない話だと僕は思った。

「そうだね。金策はいいな……」

『そうだとも。武器防具は大事だよ? 生存率も大きく変わって来る』

「いや、そうじゃなくって。近いうちに新型ゲーム機が発売されるんだよ。軍資金は……多い方がいいだろう?」

『……君ってやつは』

 あきれ気味の攻略君だが僕にとっては大事なことである。

 HPも大事だが、娯楽は人生のモチベーションと言う一番大切なパラメーターの回復に必要不可欠だ。

 じゃなきゃ命懸けで何てやっていられるかって話だった。

「正確な発売日はまだ発表されてないんだけど……ちなみに攻略君は発売日が分かったり?」

『わかるよ』

「……マジかー」

 これはいよいよ攻略君は、未来まで見通せる可能性が出てきたか。

 きっちり発売日は教えてもらいたい……気もするが、やっぱり公式発表を待とう、そう言うネタバレは良くない。

 しかし今僕がやっていることはきっと普通の人が見たらいつ死ぬかわからない危険行為なんだろうなとは思った。

 鉄巨人相手に最低限のレベリングを終えた僕は現在11階でレベルを上げていた。

 やはり死ぬほどおっかないのだが、高レベルのモンスターを倒して攻略君の話が本当だと体感するのは中々痛快だった。

「死ぬかと思ったけど……案外戦えるねこの階」

『君が強くなったんだよ。僧侶系で回復を覚えたからね。ダメージを即回復できるようになった。何なら常時回復まである。スキルで弱点を補うのは重要だよ』

 現在僕が選択しているジョブは戦士だ。

 攻撃力に優れている前衛なのだが、防御力はいまいち伸び悩むはずが、僧侶のスキルで死ににくいとなれば、相当な強さになる。

 現にモンスターに怪我をさせられても、すぐさま魔法で完治できた。

「なるほど……こいつはすごい」

『だろう? でもこんなに爆速で成長出来るのはレベルの割にパラメーターが高い最初だけだからね。名付けて熟練度ターボってところだよ』

 得意気な攻略君に、僕はオオカミに腕を食われながら頷いた。

 僕の防御力だと通用しないかもと思っていたが、ジョブの補正とスキルの組み合わせで何とでもなる。

 ターボがかかっているうちに、効率的に必要なスキルを覚えてしまって下準備を整えないとこれは確かに苦労しそうだった。

 痛いので拳でとりあえずぶん殴ると狼はパンチで弾け飛び、噛まれた腕の痛みは一瞬後には完治した。

「で、でたらめだ……」

『11階くらいならね。スキルが育てばこれくらいのことは出来るとも、さてこれからどうする?』

「そうだね……まずは」

 そう尋ねられ、僕は思考を巡らせると、うむと頷いてから宣言した。

「……家に帰って、アニメ見てー……寝る。疲れた」

『…………よく頑張ったよ君は』

 まぁ僕もそう思う。面白くてちょいと頑張りすぎた。

 戦士 ワタヌキ 鐘太郎爆誕! は我ながら大成果だが本当に疲れた。

 ひとまずジョブはともかく、手に入れたポーションのおかげで懐が温かい。

 新しいゲーム機を買うか、それともサブスクにでも加入するか。

 ついでにいい武具も揃えられれば最高だった。

 ではまず手始めに、アイスでも買って帰ろう。でっかいバケツみたいなやつがいい。

 正直思ったよりも楽しくやれている、そう僕は思っていた。
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