宇宙の果てで謎の種を拾いました

くずもち

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第35話カスタマイズはロボの花

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 白熊さんの狂戦士化の魔法を解除し、反省会である。

 筆頭で反省しているシュウマツさんは光量ダウンで、平謝りだった。

「すまない……。服はちゃんと直しておくよ」

「ああいや大丈夫。予備もあるから。でも驚いた。アレが魔法ってモノなんだね」

 今しがた巨人に変貌していた白熊さんは、ちゃんと元に戻った自分の体を驚きの表情で観察中だった。

 しかし客観的にダメだしするのは、フーさんである。

 フーさんは裂けたインナーを指の先でつまみ上げ、難しい表情を浮かべていた。

「でもすごい魔法だけど、あれじゃダメだよね?」

 それはダメだろう。インナーがこのありさまならアウターだって影響を受ける。

 というか、巨大化した白熊さんは明らかにアウターの何倍も大きかった。

「体が頑丈になっても、アウターを全部捨てるのはちょっとなぁ」

 僕がため息交じりにダメだしすると、フォローを入れたのは白熊さんだった。

「あ、待って。でも相性はいいと思うよあの魔法。そんな感じがするんだ……おかしなことを言っているとは思うけど」

「そうだろう! あの魔法は君に合うと思ったんだよ!」

 弁護する白熊さんに乗っかって、まぶしいほどに光りながらシュウマツさんは主張する。

 主張が激し過ぎて光で僕達の目を潰してくるわけだが、言ってることは確かに不思議だった。

「合う合わないとかあるんだ?」

「それが魔法の相性というものさ。特にインスタントの魔法は相性で効果もだいぶん違うよ。あれだけのパワーアップが出来たのも魔法の相性の良さあったればこそだとも。本人もそのあたり使ってみたらわかるものだしね」

 実際にそうでなければ、白熊さんも庇いはしないということか。

 ならば話は簡単なことで、パワーアップの方針は固まったということだった。

「へぇ……じゃあ。あの魔法はそのままで、アウターの方をいじってみようか。いい?」

「そこまでする?」

 困惑する白熊さんだが、何かするのは確定事項である。

「「する」」

「うっ」

 となると中の形が変わることを前提に組み立てていくべきか。

 インナーの素材をゴムのように伸び縮みする素材に変えて、ワンタッチでアウターが分離し、鎧のように機能する機構をつけるのもいいかもしれない。

 地球の機体のコンセプトは単純明快だ。

 パイロットの反射神経に耐えうる反応の速さと、パイロットの頑丈さに依存した加速力。

 あとは装甲が丈夫なら何とかなる感じ。

 信じられないことに、白熊さんが生きてここにたどり着けたのは偏に頑丈だからと言える。

 強みを消すのはダメだから。より強化したいところだった。

「シュウマツさん。インナーの素材を伸縮できるようにしたいんだけど、そっちにいい材質のものないかな?」

「ふむ。あるよ。とある魔法生物の皮なのだがね。魔剣の一撃でも受け流し、どこまででも伸びる。再現可能だから、彼女の服を直す時に素材を入れ替えておこう」

「おおう……魔物の皮か……ちなみに着心地は?」

「ひんやりしているね、人類の間では高級品だったかな?」

「高級品なら……ギリギリ大丈夫? 実物見ない事には何とも言えないか」

「ふむ、ではやっておこう」

「僕は新しい図面を作ってみるよ。あとで狂戦士化の事、もっと詳しく教えてくれない?」

「心得た。君の図面はわかりやすくていい」

「嬉しいね。白熊さんは、アウターのデータ貰っていい? その後は魔法の練習しといてくれていいから」

「ああ、ううん……中身見せて大丈夫かな?……いや、このさいだ! どうせ修理してもらわないと動かせないゴミなんだから徹底的にやってやろうじゃないか!」

 白熊さんにGOサインをもらい、作業開始だ。

 カスタマイズこそロボの花。

 困ったことがあったらアウターを改造して乗り切るのが宇宙開発時代から続く技師の王道である。

 僕もこう言ってしまうのは何だが、地球といい異世界といい、未知の技術をこの目に出来るのが楽しみで仕方がない。

「楽しくなってきた……いいじゃないか、魔法に合わせた改造なんて浪漫があるなぁ」

 ガッカリさせるのは悲しいから、せめていい仕事をしよう。

 僕はさっそくアイディアをまとめて、最優先で仕事に取り掛かることにした。
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