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第41話魔法と機械
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「インストール完了しました―――」
「よしオッケー」
僕もホッと一息。
最近収穫できるようになったお茶を全員で楽しみつつ、パーフェクトオペ子さんは誕生―――
「残念ながら、データはほとんど壊れていましたが、かろうじて最後の戦闘データだけはサルベージに成功しました」
……とはならなかったらしい。
いや、しかしどういう経緯でここに来たのか、そこだけでもはっきりさせておくことは無駄なことではないはずである。
オペ子さんの瞳が発光し、彼女は語り出した。
「戦闘記録では月の機体と交戦したようです。そこで記録にない新兵器が使用され、ワタクシの所属した小隊は巻き込まれました。おそらくはワープ技術を用いた兵器だと推察されます」
「……あー。そっち行っちゃったかぁ」
僕はアチャアとヘルメットを押さえた。
便利な技術なのにうまくいかないからって、そういうことしちゃダメだと思う。
しかし制御できない技術を制御できないままに兵器転用しちゃうのはよくある話でもあった。
「僕らが知ってるだけで、行方不明者相当出てるしなぁ。……めげても仕方がないと言えば仕方がないんだろうけど」
そしてワープ実験に関わっているのはここにいる全員同じことで、特にフーさんはお茶を飲みながら苦い表情を浮かべていた。
「わ、私のせいかな!? そんなことはないよね?」
「流石にそこまで短絡的じゃないと思うけど。いやでも……月だからなぁ」
「ひどい! そんなに月は好戦的じゃ……ないとは言えないかー……余裕ないしなぁ」
「急に自信なくなるじゃん」
友人のように穏やかに語り合う白熊さんとフーさんに、記録から情報を引き出して疑問を持ったオペ子さんは、尋ねた。
「あなた方は友好的なのですね。月と地球は現在敵対しているはずですが?」
オペ子さんの問いに、キョトンとした表情のフーさんと白熊さんは顔を見合わせていた。
「そうだけど、別に白熊さんがキライなわけじゃないし?」
「任務でもないのに、片っ端から喧嘩を売る趣味はないよ」
「カノー様もそのような方針なのでしょうか?」
最終確認として、僕に戻ってくるのは一応コロニー人だからだろうか?
方針というと僕が語るには少し弱いけれど、現状維持が最優先である。
「僕? そうだね。仲よくしたいね。難しいところはあるかもしれないけれど、一応非常時だし」
「非常時ですか? ここはどこかのスペースコロニーではないのですか?」
「あー……うん。ここは非公認のコロニーだ。これを作ったのは彼だよ」
なんだか質問することはあってもAIにこうまで質問されるというのは逆に新鮮な経験だった。
だけど僕は今の状況をオペ子さんに説明しようとして、ふとそれってできるのかなと不安がよぎる。
でもまずは試してみなければ何も始まらないと、ピカピカ光って自己主張するシュウマツさんを手のひらの上にのせて、オペ子さんに紹介した。
「シュウマツさんだ。実質このコロニーの管理者なんだ」
「よろしく頼むよ。私はシュウマツさんと呼ばれている。ここはニライカナイコロニーという名でね。私が作り出したものだ」
オペ子さんはしばしフリーズした。
しかしすぐに再起動して、笑みを浮かべると僕に言う。
「……了解しました。ジョークですね? なるほど分かります。面白いCGですね」
「ジョークじゃないよ? あとシュウマツさんはCGじゃないから仲よくしてね」
僕がそう言うと、シュウマツさんが魔法を使ってバラを一本咲かしてくれる。
僕はこれまた作り出された花瓶にバラをさして、オペ子さんに差し出した。
「……いけません、今は緊急事態なのでしょう? 限りある資源を奇術に使うべきではありません。奇跡に頼りたいのはわかりますが、一歩一歩生還に向けて堅実に進んでいくべきです」
「ふむ……私が使っているのは正真正銘魔法の力だよ。目で見たものを信じられないとは、このAIというのは大丈夫なのかね?」
「……このLEDもAIの類でしょう? 自らの仕事を魔法と称するなんて、少々テーマパーク向けが過ぎるのでは?」
「「……」」
二人は感情豊かには見えないけれど、どうにも不愉快そうなことだけは僕にも分かった。
「なんで君達そんないきなり険悪になってるの? ほんと仲良くしてよ?」
オペ子さんの応用力はとても高い……はずだ。
でもちょっと感情が露骨すぎる気がした。
「事故の影響がまだあるのかもしれない?」
それか……魔法の概念は少々情報過多だったか……どっちでもおかしくはないなと僕はため息を吐いた。
「よしオッケー」
僕もホッと一息。
最近収穫できるようになったお茶を全員で楽しみつつ、パーフェクトオペ子さんは誕生―――
「残念ながら、データはほとんど壊れていましたが、かろうじて最後の戦闘データだけはサルベージに成功しました」
……とはならなかったらしい。
いや、しかしどういう経緯でここに来たのか、そこだけでもはっきりさせておくことは無駄なことではないはずである。
オペ子さんの瞳が発光し、彼女は語り出した。
「戦闘記録では月の機体と交戦したようです。そこで記録にない新兵器が使用され、ワタクシの所属した小隊は巻き込まれました。おそらくはワープ技術を用いた兵器だと推察されます」
「……あー。そっち行っちゃったかぁ」
僕はアチャアとヘルメットを押さえた。
便利な技術なのにうまくいかないからって、そういうことしちゃダメだと思う。
しかし制御できない技術を制御できないままに兵器転用しちゃうのはよくある話でもあった。
「僕らが知ってるだけで、行方不明者相当出てるしなぁ。……めげても仕方がないと言えば仕方がないんだろうけど」
そしてワープ実験に関わっているのはここにいる全員同じことで、特にフーさんはお茶を飲みながら苦い表情を浮かべていた。
「わ、私のせいかな!? そんなことはないよね?」
「流石にそこまで短絡的じゃないと思うけど。いやでも……月だからなぁ」
「ひどい! そんなに月は好戦的じゃ……ないとは言えないかー……余裕ないしなぁ」
「急に自信なくなるじゃん」
友人のように穏やかに語り合う白熊さんとフーさんに、記録から情報を引き出して疑問を持ったオペ子さんは、尋ねた。
「あなた方は友好的なのですね。月と地球は現在敵対しているはずですが?」
オペ子さんの問いに、キョトンとした表情のフーさんと白熊さんは顔を見合わせていた。
「そうだけど、別に白熊さんがキライなわけじゃないし?」
「任務でもないのに、片っ端から喧嘩を売る趣味はないよ」
「カノー様もそのような方針なのでしょうか?」
最終確認として、僕に戻ってくるのは一応コロニー人だからだろうか?
方針というと僕が語るには少し弱いけれど、現状維持が最優先である。
「僕? そうだね。仲よくしたいね。難しいところはあるかもしれないけれど、一応非常時だし」
「非常時ですか? ここはどこかのスペースコロニーではないのですか?」
「あー……うん。ここは非公認のコロニーだ。これを作ったのは彼だよ」
なんだか質問することはあってもAIにこうまで質問されるというのは逆に新鮮な経験だった。
だけど僕は今の状況をオペ子さんに説明しようとして、ふとそれってできるのかなと不安がよぎる。
でもまずは試してみなければ何も始まらないと、ピカピカ光って自己主張するシュウマツさんを手のひらの上にのせて、オペ子さんに紹介した。
「シュウマツさんだ。実質このコロニーの管理者なんだ」
「よろしく頼むよ。私はシュウマツさんと呼ばれている。ここはニライカナイコロニーという名でね。私が作り出したものだ」
オペ子さんはしばしフリーズした。
しかしすぐに再起動して、笑みを浮かべると僕に言う。
「……了解しました。ジョークですね? なるほど分かります。面白いCGですね」
「ジョークじゃないよ? あとシュウマツさんはCGじゃないから仲よくしてね」
僕がそう言うと、シュウマツさんが魔法を使ってバラを一本咲かしてくれる。
僕はこれまた作り出された花瓶にバラをさして、オペ子さんに差し出した。
「……いけません、今は緊急事態なのでしょう? 限りある資源を奇術に使うべきではありません。奇跡に頼りたいのはわかりますが、一歩一歩生還に向けて堅実に進んでいくべきです」
「ふむ……私が使っているのは正真正銘魔法の力だよ。目で見たものを信じられないとは、このAIというのは大丈夫なのかね?」
「……このLEDもAIの類でしょう? 自らの仕事を魔法と称するなんて、少々テーマパーク向けが過ぎるのでは?」
「「……」」
二人は感情豊かには見えないけれど、どうにも不愉快そうなことだけは僕にも分かった。
「なんで君達そんないきなり険悪になってるの? ほんと仲良くしてよ?」
オペ子さんの応用力はとても高い……はずだ。
でもちょっと感情が露骨すぎる気がした。
「事故の影響がまだあるのかもしれない?」
それか……魔法の概念は少々情報過多だったか……どっちでもおかしくはないなと僕はため息を吐いた。
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