卒業証書は受け取れない!?

1話 卒業旅行のはずが…(1)

「ここはどこだ？」
 何故か草原に寝転ばされていた僕こと能崎 優太は昨日から、通っていた私立高校の卒業旅行にきているはずだった。
 混乱している頭を使って、考えていると後ろから僕を呼ぶ声がした。
「よお、気がついたか。」
彼は、東郷 浅賀。僕とは仲の良い友達で、3年間クラスが一緒だったりする。僕は、先に起きていた浅賀に今の状況を聞いてみようと思ったが、むこうから話し始めてくれた。
「優太、俺もよくわかってないんだが、どうやら俺達は、このよくわからない場所に飛ばされたらしい。」
「飛ばされたってなんで?!」
「さあな、詳しいことは分からん。ただ一つ言えることは、少なくともクラス全員は、転移させられたというこったな。」
僕は周りを見回した。確かにこの草原のあちらこちらにクラスメイトを発見することが出来た。
「浅賀、これからどうするの？」
「そんなの当たり前だろう。ここがどこであるかはともかく、人が住んでいる所へ移動するのが最優先だろう。もしここが外国であれ、人が住んでいる所にいけば、助けてもらえるだろうしな。」
「そうか、おめえ頭良いな。」
「当然だろう浅賀君…。」
ここで、学年一位の委員長さんが会話に入ってきた。
若干一名阿保がいるが、みんなを起こして、人里まで行くのが決定となった。

 この先僕らはどうなってしまうのだろうか…。