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6日目/岡崎優輝【双子の妹】
しおりを挟む朝だ!
昨日は頑張ったね!息子よ。
それでも今日も早起きで、元気なんだね。お父ちゃんはちょっと痛いよ?
おっ!何か閃いた。「今日も 元気で 息子が痛い!」
なんか絶妙に良い、イントネーションだ。
って馬鹿してないで、起きるか。
俺はいつものように、トイレに入り用を足した。
前の世界なら、この後煙草とコーヒーなんだけどな~
そんな風に思いながら、時計を見ると7:22
昨日はこのぐらいに、ノックが……
「コン、コン」
え?今、音聞こえた気が……
「コン、コン」
いや間違いなく聞こえた。まさか……2日連続?
俺は恐る恐る
「どちら様ですか?」
「おはようございます、朝早くすいません。柿崎友則です。」
「友則君?」
俺はすぐに扉を開けた。
そこには、困った感じで泣きそうな友則君が立っていた。
「おはよう、友則君。朝早くからどうした?」
「すいません!優輝さん、今日10時頃時間空いてますか?」
「う~ん!多分空いてると思うよ。」
「あ、あのお願い聞いてもらえませんか?」
「とりあえず落ち着いて、な!まず中に入ろうか。」
俺は友則君を病室に入れソファーに座らせた。
「ごめんな!お茶とか出せなくて。それでお願いって何かな?」
「あ、あの、き、今日、妹が面会に来るんです。そ、それで……付き添って貰えませんか?」
「え?」
「お願いします!」
え?え?意味がわからないんだけど?妹と会うのに、俺いる?
そう言えば妹が怖いって言ってけど……
「え~と、どうしてかな?怖いから?」
「ち、違うんです……そ、その……怖いとは思ってます。け、けど、その、か、会話が出来なくて……」
会話が出来ない?よくわからん
「い、妹の言ってる事が、本当なのか嘘ついてるのかわからなくて……」
「え~と、俺に聴いて貰って判断して欲しいって事かな?」
「はい!」
「う~~ん、俺でわかるかな?普段の話し方とか聞いていれば違いとかわかるかもしれないけど……」
「ハッキリとじゃなくてもいいので!お願いします。」
「うん、ま~何かわかるかも知れないから、聴いてみてもいいけど。んで妹さん何歳なの?」
「僕と同じで11歳です。」
「同じ?」
「あっ!双子なんです。僕と妹。」
双子か~、じゃ友則君を女の子にしたような感じかな?
まっ!友則君からして、女の子みたいな感じなんだけどね。
「そっか、じゃ面会に行く時声掛けてよ。一緒に行くからさ。」
「ありがとうございます。」
友則君は丁寧に頭を下げてから、帰って行った。
さてさて、どんな妹さんやら。甘えん坊タイプかな?高飛車風かな?
ふと、時計を見ると朝食の時間になる所だった。
暫くすると武ちゃんが、朝食を持って来てくれた。
「優輝君、おはよう。」
「武ちゃん、おはよう……そう言えば昨日の夜採取したの保存庫に入れて置いたよ。」
「了解~、すんなり提出出来るなんて凄いわね。みんな女性のような性欲とか無いから、なかなか立たないし出せないのよね~」
「そ、そうなんだ。」
ヤバ、昨日久しぶりで、3本も保存庫に入れてきたけど……
あ~後で何て言われるんだろ……やっちまったな~
「た、武ちゃん!鈴鳴先生に絶対に驚いたり何かわかったとしても秘密にしてって言っておいてくれない?絶対に秘密って!」
「ん?なんだかよくわからないけど、驚くなと検査結果は秘密にって伝えればいいのね?」
「そう、そう、検査結果が秘密で、保存庫みても驚かないでって!」
「本当によくわからないわね~……………もしかして少ししか出なかったの?」
いやいや、逆です。出し過ぎたんです。
「も~そんな事気にしなくてもいいのに、ちょっとしか出なかったとか結構あるのよ。大丈夫!鈴鳴先生ならわかってくれるわ。」
あ~~~もういいや。
それから武ちゃんに今日の予定を聞いた、特に何もないからゆっくりしてって。
友則君との約束は大丈夫そうだ。
武ちゃんは、今日夜勤明けらしく8:30には帰るそうだ。食べ終わったら食器を廊下のワゴンに乗せて置いてと言って武ちゃんは帰って行った。
それから友則君の約束の時間まで、TVを見たり検索したりと時間を潰した。
今、時計は9:55
あれ?来ない!
どうしたんだろうと思い、病室を出てみると俺の病室に歩いてくる友則君が見えた。
どんだけ行きたくないんだろ?足が重そうに歩いて来る。
あっ!俺を見つけたみたいだ。
あっ!走りだした。
俺の前まで走ってきた友則君の台詞は
「今日会うのやめませんか?」
え?マジで?いやいや朝早く約束したよね?
もう、妹さん多分来てるよ?
「いや、来てるでしょ?妹さん。」
「……はい、来てると思います。」
「じゃ~、ちゃんと約束は守ろうね。俺とも約束したでしょ?友則君は約束破るような悪い子なのかな?」
「え?あっ!すいませんでした。」
「うん、わかってくれたみたいで良かったよ。それに俺5日後に退院決まったから、また今度とかは無理だったからね。」
「え?いなくなっちゃうんですか?」
「うん、検査も無事に終わって問題なかったからね。いいかい友則君!君もいつまでも、ここにいられないのは、わかっているんだろ?ちょっとずつでいいから、前に進まないと状況は変わらないよ。だから今、妹さんと会う事からちょっとずつ変えて行こう。いいね?今ならまだ俺もいることだしね。」
「わ、わかりました。行きます。」
「ん!ごめんね、説教みたくて。」
友則君は覚悟を決めたのか、先程の足取りとは違い面会室に向かった。
面会室はナースステーションの隣だった。
友則君が扉の前で小さい声で「よし!」と気合をいれて扉を開いて中に入っていった。俺も友則君の後に部屋に入ったが………
一歩中に入って俺は驚いた。
こ、これって、刑務所とかの面会室じゃ……
透明な板が部屋をまん中から仕切っていて、イスの前には会話をする為なのか小さい穴が沢山集まっていた。
その向こうには、長い髪の少女が座って待っていた。
優しい目で、ずっと友則君を見ている。
こんな少女が、友則君を怖がらせた?
そんな事をするようには、俺には見えなかった。
この時、まだ俺は知らない。
まさか、あんな話を聴く事になるとは……
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