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3月1日(日)
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「・・・なんとなく思ってた。叶未が今までの叶未じゃないんじゃないかって。でもそんなこと有り得ねーよなって思ってさ。」
風凛くんの家に帰り彼が作ってくれた『背徳の炊飯器ロールキャベツ』を食べ終えた後に、私が別の世界から来たことを話す。信じてくれるはずない、と思ったのに話は驚くほどあっさりと進んだ。
「俺、わかってた。叶未が・・・数日前までここにいた叶未が演技してたこと、俺で満足できてなかったこと・・・だから実はプロポーズはしてねえ。嘘ついて悪かった。」
「そうだったんだ・・・。」
「そのことさえなければ、俺達は仲良くやってた。話し合わなくちゃいけないと思ってたけど、気まずくなるのが嫌で避けてた。」
「・・・。」
「ホテルから帰って30日に日付変わった深夜、ベッドでいつもの叶未じゃねえ、と思った。演技してねえって。でもその時は別人とは思わず、一緒に旅行を楽しんだことで上手く行ったのかと思った。これで俺達の問題は解決されたって嬉しかった。でもその後、色々なこと聞いてきたり驚いたりしてるの見て、もしかしたらって・・・マジなんだな。」
「うん・・・ありがとう信じてくれて。」
「悪かった!」
風凛くんは勢いよく腰を折った。
風凛くんの家に帰り彼が作ってくれた『背徳の炊飯器ロールキャベツ』を食べ終えた後に、私が別の世界から来たことを話す。信じてくれるはずない、と思ったのに話は驚くほどあっさりと進んだ。
「俺、わかってた。叶未が・・・数日前までここにいた叶未が演技してたこと、俺で満足できてなかったこと・・・だから実はプロポーズはしてねえ。嘘ついて悪かった。」
「そうだったんだ・・・。」
「そのことさえなければ、俺達は仲良くやってた。話し合わなくちゃいけないと思ってたけど、気まずくなるのが嫌で避けてた。」
「・・・。」
「ホテルから帰って30日に日付変わった深夜、ベッドでいつもの叶未じゃねえ、と思った。演技してねえって。でもその時は別人とは思わず、一緒に旅行を楽しんだことで上手く行ったのかと思った。これで俺達の問題は解決されたって嬉しかった。でもその後、色々なこと聞いてきたり驚いたりしてるの見て、もしかしたらって・・・マジなんだな。」
「うん・・・ありがとう信じてくれて。」
「悪かった!」
風凛くんは勢いよく腰を折った。
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