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その夜
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またまた眠れなくなったぼくは、またヤマドリの鳴き声を聞いて、アラビア王子の顔を眺めていた。
すると、窓の下から「おーい」と声がする。
テツやな。と思ったぼくは窓から下を見る。2階の窓からキョロキョロと下を見ていたら案の定、テツが手を振っていた。
親に気づかれないように階段をおり、玄関から外に出た。
「もうすぐ2時やな?」
テツはワクワクした表情で聞いてきた。
「見に行くん?」
「それは怖いやろ。五寸釘の音がするかどうかだけ聞きにきただけや」
「ふーん。おまえにも怖いもんあるんやな」
と、ぼくは言った。
テツは「しーっ」とくちびるを人差し指で押さえて合図してきた。
「ほーほー」と山鳥の鳴き声が聞こえてくるだけだ。
しばらく二人でじっとしていると、突然、山鳥が鳴くのをやめた。
しばらくすると、昨夜のように釘を打つような音がこだました。
「コーン、コーン」
テツはぼくの方を振り返り、マジやんけ!
と叫んだ。
そらマジだろう。
藁人形まで確認したのだから。
「誰がやってるのか気になるな」
と、ぼくが言うとテツは大きくうなづく。
「今いく?」
と、さらにぼくは聞いた。
「あほ!呪いの最中にみつかったら殺されるで」
恐怖本に書いてあった知識だ。
さらに、山鳥が
「ゲー!」
と、大きく鳴いた。
それにビビったぼくたちはまた昼間に確認しに行こうという話になった。
夏休みの冒険の一つだな。
と、ぼんやりとぼくは思った。
テツは「ほな、ラジオ体操で作戦立てよ」
と言って、自宅の方へと帰っていった。
ぼくは、そのまま釘の音を聞いていた。ふと横を見るとシカがいる。
シカはぼくをじっとみている。
なんだか怖くなってきたぼくも、家に帰りタオルケットにくるまった。
しばらくすると、誰かがぼくを呼んでいる。
「おい坊主、聞こえるか?」
お爺さんみたいな声だ。怖くなったぼくはタオルケットの中にさらに潜りこむ。
「聞こえてるんじゃろ?」
ぼくは返事をしなかった。
「まあまあ、そんなに怖がらなくて良い。ワシは坊主の家の西の山の神様じゃ。坊主に頼みたい事がある。」
聞こえないフリをしてさらに身体を縮こませた。
「東の山からの音、聞こえてるじゃろ?あれは呪いじゃ。このままでは中途半端な呪術で呪いを撒き散らす事になる。そこでじゃ、お前とテツとかいう小僧がいるじゃろ?その二人であの呪術を止めてもらいたい。」
ぼくはタオルケットにくるまったまま黙って聞いていた。
「なあに、止めると言っても特別なことはしなくて良い。お主ら二人であの呪術を見るだけで良い。他人に見られたらそれで呪いは成立しない。ただやってるところを見てきてくれれば良い」
神様と名乗るお爺さんはさらに続ける。
「ワシはお主ら二人の悪事が大事にならんように今まで見守ってきた。その礼、いやそこまで大層に思わんで良い。ただ、あの呪術を見てくれるだけで良いのだ。それだけで呪いは無効になる。頼んだぞ」
その一言を残してお爺さん、いや、神様は消えてしまった。
すると、窓の下から「おーい」と声がする。
テツやな。と思ったぼくは窓から下を見る。2階の窓からキョロキョロと下を見ていたら案の定、テツが手を振っていた。
親に気づかれないように階段をおり、玄関から外に出た。
「もうすぐ2時やな?」
テツはワクワクした表情で聞いてきた。
「見に行くん?」
「それは怖いやろ。五寸釘の音がするかどうかだけ聞きにきただけや」
「ふーん。おまえにも怖いもんあるんやな」
と、ぼくは言った。
テツは「しーっ」とくちびるを人差し指で押さえて合図してきた。
「ほーほー」と山鳥の鳴き声が聞こえてくるだけだ。
しばらく二人でじっとしていると、突然、山鳥が鳴くのをやめた。
しばらくすると、昨夜のように釘を打つような音がこだました。
「コーン、コーン」
テツはぼくの方を振り返り、マジやんけ!
と叫んだ。
そらマジだろう。
藁人形まで確認したのだから。
「誰がやってるのか気になるな」
と、ぼくが言うとテツは大きくうなづく。
「今いく?」
と、さらにぼくは聞いた。
「あほ!呪いの最中にみつかったら殺されるで」
恐怖本に書いてあった知識だ。
さらに、山鳥が
「ゲー!」
と、大きく鳴いた。
それにビビったぼくたちはまた昼間に確認しに行こうという話になった。
夏休みの冒険の一つだな。
と、ぼんやりとぼくは思った。
テツは「ほな、ラジオ体操で作戦立てよ」
と言って、自宅の方へと帰っていった。
ぼくは、そのまま釘の音を聞いていた。ふと横を見るとシカがいる。
シカはぼくをじっとみている。
なんだか怖くなってきたぼくも、家に帰りタオルケットにくるまった。
しばらくすると、誰かがぼくを呼んでいる。
「おい坊主、聞こえるか?」
お爺さんみたいな声だ。怖くなったぼくはタオルケットの中にさらに潜りこむ。
「聞こえてるんじゃろ?」
ぼくは返事をしなかった。
「まあまあ、そんなに怖がらなくて良い。ワシは坊主の家の西の山の神様じゃ。坊主に頼みたい事がある。」
聞こえないフリをしてさらに身体を縮こませた。
「東の山からの音、聞こえてるじゃろ?あれは呪いじゃ。このままでは中途半端な呪術で呪いを撒き散らす事になる。そこでじゃ、お前とテツとかいう小僧がいるじゃろ?その二人であの呪術を止めてもらいたい。」
ぼくはタオルケットにくるまったまま黙って聞いていた。
「なあに、止めると言っても特別なことはしなくて良い。お主ら二人であの呪術を見るだけで良い。他人に見られたらそれで呪いは成立しない。ただやってるところを見てきてくれれば良い」
神様と名乗るお爺さんはさらに続ける。
「ワシはお主ら二人の悪事が大事にならんように今まで見守ってきた。その礼、いやそこまで大層に思わんで良い。ただ、あの呪術を見てくれるだけで良いのだ。それだけで呪いは無効になる。頼んだぞ」
その一言を残してお爺さん、いや、神様は消えてしまった。
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