日本神話の紹介

桜小径

文字の大きさ
10 / 16

四国と味耜高彦根神

しおりを挟む
四国島の古代における名は「伊予の二名島」である。これは後に中央政府へと発展する勢力と四国在住の勢力の中心地つまりは両者の公的な設置点が伊予であったのではないかと思わせる。つまりは伊予は最初の四国島の玄関口である。

地理的にみると、大和や河内より九州からの方が近い。古墳時代に入ると愛媛から徳島にかけて古墳群が造られる。瀬戸内沿い中心である。この方面では3世紀からの古墳が発見されており、早い段階で中央政府との関わりが推察される一方、陸の孤島とされる土佐で大きめの古墳が確認されているのは6世紀あたりからもなる。

二つの名というのは、太平洋側と瀬戸内側という意味ではなかろうか?なかでも土佐は建依別と勇ましい名で呼ばれている。四国山脈の岳によって仕切られた国で海賊的な武力をもち、他の3国に比べると恐ろしげな印象を感じさせていたのではなかろうか?

土佐日記にも、海賊を恐れる描写があるそうだ。もちろん、土佐に限らず海には少なからず存在したであろうが。

土佐には薩摩と同じく荒々しいイメージがある。

反面、物部や蘇我、秦、賀茂など古代有数の有力者たちの部民もはやくから土佐に入っていて地名や地域の伝承などにその痕跡がある。それらに伴い、高鴨神つまり味耜高彦根神が受け入れられたのかもしれない。

土佐神社の祭神の一柱、味耜高彦根神というと大国主の御子神の一柱である。 
味耜高彦根神は出雲で成長したらしく、出雲国風土記にも登場する。あまりにも大きな声で泣くので泣き止むまで八十島を巡ったなどという伝承もある。

味耜高彦根神は賀茂武角身神と同一視されている。どちらも賀茂族の祖神を表す名で、迦毛之大御神の事とされる。大御神とは天照大御神にも使われる神号であり、その子孫が有力者として多く存在したことを意味するのではないか?

出雲国風土記の八十島を日本列島の事と考えると、味耜高彦根神は幼い頃から出雲を拠点としつつ列島を巡っていた、もしくは味耜高彦根神を奉じる人々が列島各地に散らばっていたとも考えられる。

地味ながらも悩ましい神である。

鴨というと鳥であり、あちこちを飛び回る。八咫烏も鳥であり、ニギハヤヒも天の鳥船に乗って降臨している。あちこちにいける鳥というのは舟という乗り物とも被るのだ。

安彦良和氏の古代史漫画「ジンム」には味耜高彦根神の活躍が描かれている。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...