クズの異世界転生

第３章

第２４話 お祖父様からの呼び出し

事情聴取を受けてから５日、天使が来てから４日たった。

しかし相変わらず、お祖父様からはいつになったら教会に加護の有無の検査を受けに行くのかの通達をされていなかった。


もしかしたらそこまで急ぐ必要があまりないのかもしれないが万が一にもアテナ殿が反乱に加担したと公的に認めざるを得なくなったら国側にせよ領側にせよどこかしらがなにかしらの罰をアテナ殿に与えなければならなくなる、僕が神の加護を持っているという話が広まってからアテナ殿の罪状の話が広まりその前後で、アテナ殿を僕の従者にすると発表し、その後、アテナ殿に対して公的な裁きをくださないと判断するのと、アテナ殿の罪状の話が広まりその後、僕が神の加護を持っているという話が広まり、その後に、アテナ殿を僕の従者にすると発表し、その後、アテナ殿に対して公的な裁きをくださないと判断するのとでは受ける印象がまったく変わってくる。

何がどう前者と後者で受ける印象が変わってくるのかといえば。


まず前者のパターンであれば、最初に僕の加護の事が世間に広まりその後、アテナ殿を僕の従者にする件が世間に広まり、そしてアテナ殿の罪状がまことしやかに世間で囁かれ、その後にアテナ殿の無罪が公的に発表されれば、アテナ殿を含め周囲の大人たちは僕という力だけはある世間知らずなガキのわがままに振り回されて無理難題を押し付けられた哀れな大人たちってのが世間の思う、上記の場合のある程度、大雑把なシナリオだろう。


対して後者のパターンだったらどうだろう？

まずアテナ殿が悪逆非道な行いをしたと世間でまことしやかに囁かれ、その後、僕の加護の話が世間に広まり、悪逆非道なアテナ殿が名誉ある力を手に入れたまだまだ幼いくいたいけな僕の従者になりその後、あきらかに神の加護持ちの子供の従者だという理由で無罪放免とする、さて、これを聞いて皆はどう思うだろう？アレスという少年はなんてかわいそうな子供だ！とか、まだまだ幼い子供を利用するアテナ殿や伯爵家、侯爵家は悪だ！とか、それに乗っかる王国はなにを考えている！とか、そんな感じに多くの人は思うだろう。

ゆえにこそ世間のイメージを前者にするためにもできるだけ早く動かなければならない。だってのに遅々として自体は進まない……早くしなければならないのに！


「クソが！」


ついついそう声を出してしまった。


「どうしたんですか？アレス様？」


そう、後ろに控えていた天使が聞いてきた。


「いや、なんでもない……」






コン　コン　コン　コン





ガチャ




「アレスいる？おじいちゃんがアレスを呼んでるから一緒に執務室に行くわよ？あら？頭を掻きむしってるようだけどどうしたの？大丈夫？」


「はい、あ…どうもしません、大丈夫です」


「そう……それじゃあ、一緒に執務室に行くわよ？」


「はい」


そんな感じで執務室へ向かった。










コンコンコンコン




部屋の前についてすぐ母上は執務室の扉をノックした。

「入れ」


母上が執務室の扉をノックした後、お祖父様が執務室に入室するよう促した。


「はい、失礼します」





キーーーーー





お祖父様の言葉に母上はそう言って執務室の扉を開けた。


「アレス？おじいちゃんから執務室に入るように言われたから一緒に執務室に入りましょう？」


母上は執務室の扉を開けた後、僕に執務室に入るように促してきた。


「それでアレスを呼び出した用事とは何でしょう？」


そう、母上がお祖父様に聞いた。


「あぁ、神殿に加護の有無を確認しに行く日が決まったからそれを教えるためにアレスを呼び出した」


母上の質問に対して、そう、お祖父様が答えた。
そうか……やっと検査に行く日程が決まったのか……。


「いつに神殿に検査に行くんですか？」


答えを早く聞きたかったから母上とお祖父様の会話に割って入ってしまった。


「え？あ…あぁ……３日後に神殿に神の加護、有無の検査に行く予定だ。儂も同行するつもりだがデメテル殿も神殿に同行してくれるか？」


なんで急に話に割って入って来たんだ？みたいな顔をした後にお祖父様は母上にそう話しかけた。


「はい、わかりました、私もアレスに同行します」


お祖父様の言葉に対して母上がそう答えた。


「デメテル殿、感謝する、それはそうとそんなに早く検査を受けたかったのか？アレス」


そう、お祖父様が聞いてきた。


「はい、早く検査を受けたいです」


僕は、そう、率直に答えた。


「？、そうか、アレスとデメテル殿、もう部屋に戻っていいぞ」


「はい、失礼します」


そう、母上が答え。


「失礼します」


僕もそんな感じに答えた。

そんな感じで話が終わった。