夜想曲は奈落の底で

詩方夢那

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意外なバンドの曲を聴きながら

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 作品の執筆に際し、此処まででかなりの回数聴いたのがHIMのライブ音源だと思います。
 作品を問わずAlcestは好んでBGMにするのですが、今回はHIMが多かったです。

 ……HIMって何だと思われた事でしょうね。
 このバンドはフィンランドのゴシックロック、あるいはゴシックメタルバンドで、複数枚のアルバムが本国のチャートの上位に入り、アメリカでもゴールドディスクを得たバンドです。
 日本ではあまり知られていないですし、メタラー向けに売り出したところで、アルバムはメロウな雰囲気も強く、メタルとしては物足りないように思いますが、曲単位でみればいい曲は多く、独特な魅力が有ります。

 私がこのバンドを知ったのは、洋楽メタル沼に沈み始めた頃の事だったでしょうか……おそらくラジオでKiss of downを聴いたのが初めてでしょう。印象的で忘れられず、YouTubeで探しました。
 しかし、メタルというにはちょっと物足りないというのもあってか、その当時に聴いたのはKiss of downとVenus doomくらいでした。
 それから何年過ぎたやら、執筆に際し、ふとロマンチックな物が聞きたいなと思い、HIMの曲を探したわけです。
 ……新しい沼に嵌りましたね。

 何曲か聴いていて、おそらくHeartkillerとKilling lonlinessは聴いてたなぁと思い出す一方、ライブ映像が出てきたのを見つけたのが運のつき。
 アルバム単位で聞くとメロウな雰囲気でしたが、ライブとなるとアレンジも相まって非常に熱量の高い雰囲気になっていましてね……Venus DoomのツアーはDVDになっていますが、この時のセットリストとアレンジは本当に素晴らしく、狂ったようにリピートし続けた結果、中古ディスクに大枚叩きました。
 しかし、CDとDVDのセットだからって、中古で四千円は高かったですね。とはいえ、英米のAmazonも相場は近いものでして、円安が過ぎるとはいえ輸送費の上乗せも考えれば結果は同じく……日本国内から確実に届くならそれでいいやと購入しました。
 ところが、CDの方の挙動がおかしい。CDFS形式が悪かったのか、再生すれば音飛びしまくりの地獄みたいな再生状態になり、リッピングを試みればCDドライブは開店と停止を繰り返す不審な挙動を見せ、読み込みペースは他のディスクの十分の一レベル……盤面劣化してて無理なのかと戦慄しましたが、シークバーが進まないわけではないため、リッピングは行けると踏んで放置しました。
 結果的にデータ化には成功しましたが、CDドライブが壊れるかと思いました……書き込み中でももう少しましな挙動をします……。

 しかし、購入した事に後悔はありません。CDドライブが壊れるかと思った方が震えました。
 DVDの方は再生出来そうなのでそのまま置いていますが、映像の方もなかなか素晴らしいです。この頃のフロントマン、ヴィレ・ヴァロは吸血鬼の様な怪しげな魅力が有り、派手なパフォーマンスをしなくとも存在感は十分です。

 HIMは既に解散していますが、ヴィレ・ヴァロはソロでも活動をしており、センスの良さは健在。Venus Doomの制作中にアルコール依存をこじらせて病院にぶち込まれたりと危なっかしい人物なのですが、無事におっさんになるまで生きてて本当によかったです……。流石にヴォーカルの勢いは落ちていますが、吸血鬼が夢魔になった様な雰囲気で、ファンショットで見たソロツアーのライブも魅力的でした。どうか長生きしてください……。
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