幸せな人生を目指して

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第3章 魔法の世界

10 女王陛下からの招待状

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翌朝、私の元に二つの手紙が届いた。

一つは屋敷に居るルカからの手紙。

実は昨日の内にルカに手紙を出していて、そして今日その返事の手紙が届いたと言う訳。

思っていたよりも早く届いて驚いているけどね。

手紙には私のことを心配する文章と、ルカ本人がこちらに向かうと言うことが書いてあった。

ちなみに私が送った手紙はルカだけでなく、父様や母様も見ていると思うからこちらの状況を把握してくれたはず。

それに父様のことだから、既に昨日の女の子について調べてくれていると思うから帰ったらお礼を言わないと。


そしてもう一つは正式には手紙ではなく、招待状だった。それも女王陛下からの。

本日の夕暮れ時、太陽が沈み暗くなり始めた頃に迎えに行く。という内容と我が城へ貴殿を招待すると言う内容の文も書かれていた。


窓から外を眺めると日が昇り始めているのが見え、太陽の光が差し込んでくる。朝日なのにそれは夕日と間違えるほど赤い、昨日会った女王様の紅い髪を思い出させる景色だった。

日が昇り新しい一日が始まる。

いつも変わらない朝のはずなのに、胸騒ぎ、嫌な予感が拭えないのはどうして?

……何もなければいいけど。


手紙をくれたルカはもう屋敷を出ているかな?こちらに着くのは夕方頃だと思うから迎えの時間には間に合うかもしれない。ルカも居てくれれば更に心強いんだけど。

「エルちゃん……?」

鈴のような心地の良い声が囁いた。不安が顔に出てしまっていたのか、心配そうに眉を下げたウルが私の顔色を窺っていた。

「何でもないですよ。大丈夫です」

色々考えていたから顔も強張っていたのかも。私は表情を緩めるといつもの笑みをウルに向けた。



制服に着替え食堂へ行き朝食を取り、全員集まったところで先生が本日の授業内容を説明し始める。

そしてそれが終わると準備のため生徒達は一旦各部屋に戻って行き、私もユキと部屋へ戻り授業の準備を始めた。

よし、準備完了。

元から荷物は整理しているし、多くないから時間かからないけどね。


準備が終わりユキに声を掛けようと振り返ると、何か考え事をしているみたいで難しい顔をしている。

「ユキ、どうかしましたか?」

そう聞くと気づいて顔を上げる。

「ええ、少し考え事をね。それより用意は出来た?」

「はい、大丈夫です」

「そう、じゃあ行きましょう」

「はい」

話を早々に切り上げ用意した必要な荷物だけをを持って私達は部屋を後にした。



夕方。部屋に戻ってきた私達は荷物を片付け、そして新たに出かける支度をする。授業を終えた生徒達は宿で休んでいる時間だけど、私にとってはこの後の用事が重要なわけで。時間が迫ってくると緊張も増してくる。

「エル、大丈夫?」

私の様子に気付いたらしいユキが気を利かせてくれて話し掛けてくれた。

「はい、大丈夫です。ありがとうございます、ユキ。一緒に行くって言ってくれて」

「エル一人じゃ心配だからよ。それに私も隣国の女王陛下に会ってみたかったから」

お安い御用ととでも言うように堂々とそう言い放つユキ。

招待状には一人でと言う指定は無かったし、それにウルが傍に居ると言ってもお城に行くのは不安がある。

そう思い悩んでいたところ、ユキが「私も一緒に行くわ」と言ってくれて、二人、正しくは三人で向かうことになったのです。本当に良かったっ、一人ではないけど人はいる方が良い。それでルカも一緒に来てくれれば助かるんだけど……。

まだ着いたと連絡はないし……。


そして時間は経ち、ルカから連絡がないまま約束の時。


宿から少し離れたところに招待状に書かれていたように馬車でのお迎えが来て、近づいて行くと待っていた青年が私達に気づき頭を下げた。

「エルシア様ですね。どうぞご乗車下さい」

「はい」

青年は私にそう言うと次にユキを見て首を傾げた。

「そちらの方はお連れ様ですか?」

「ええ」

「ではどうぞ」

怪しむ様子もなくすぐに乗車を勧められたユキは私の後に続いて馬車に乗り込んだ。

ウルもいつの間にか乗っていて、私の隣にちょこんと座り外の景色を眺めていた。

何も言われなかったけどウルの事、青年には見えていると思うんだけど、良いのかな……?



私達が座るのを待ってから馬車は城へ向かって動き出した。

それからしばらくすると馬車がゆっくりと止まり、扉が外から開けられる。降りるともう目の前には階段が城へと続いていてお伽話に出て来るお城のようだった。


「ご案内致します」

見惚れていた私は青年の声で我に返って、先を行く青年の後を追って階段を上って行くと、目の先に見える大きな扉がゆっくりと開かれていく。

いよいよですよ!失礼のないように気を付けないと。

改めて気を引き締める。緊張するけどここまで来たらもう覚悟を決めないとね。決意を胸に開かれた扉の先に足を踏み入れた。
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