魔力回路を手にした俺は努力を惜しまず突き進む!【なろうで一万PV突破!】

ピョンきち

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学校長との出会い

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 俺はザックとセレーネと別れた後、一人で中央区にある王立カルティエ学院を目指し、街ゆく人に場所を聞いてようやくたどり着いた。

 門の前で一度立ち止まる。

「ここか……想像より大きいな」

 街ゆく人にここの場所を尋ねると、共通して言う事があった。

『学校全体が綺麗』

『敷地が広い』

『生徒のレベルが高い』

と。

 『学校が綺麗』、『敷地が広い』の2つは、まあ見たらわかる。『生徒のレベルが高い』は実際に体験してみないと分からないが、Sランク校に受かってる時点で常人とはかけ離れた剣や魔法の使い手がいるのは明白。

「よしっ、早速入るか」

 そう言って気持ちを固め、俺は学院の門をくぐった。

 門から校舎まで続く道が長く、敷地の大きさを改めて実感した。道の横には桜の木が植えられており、満開に咲いている。

 まるで新入生を歓迎しているかのように。

 アイリーンさんにもらった資料には、学院に来たらすぐに学院長室にくるようにと書いてあった。

 しかし俺はアイリーンさんからもらった校舎案内図を見ていたが、学院長室がどこにあるのか分からず困っていた。

 そんな時、前から声がかかる。

「あなた、その服装からして新入生ね?」

 俺は斜め下を向いていた顔をすぐさま上げ、声の主を見る。

 俺の双眸に映ったのは、ペールイエローの髪を肩下まで伸ばし、ゴールデンイエローの瞳をこちらに向けた身長およそ160センチくらいの女の子だった。俺の身長が180センチくらいだから、よほど下を向いていたのだろう。

「は、はいそうです」

「迷っているように見えたけど、どうなの?」

「ま、迷ってます!」

「ふふっ、そんなに硬くならなくていいわ。私はこの学院の生徒会長、シャルロッテ=カルノメアよ。気軽にシャルと呼んでもらって構わないわ。」

 俺は肩に入っていた力を抜き、落ち着きを取り戻す。

「では遠慮なく。シャルさん。僕の名前はノルン=ヘルリッヒです。気軽にノルンと呼んでください」

「そう、ではノルン君。どこに行きたいの?」

「えっと、学院長室に行きたいんですけど、案内してもらえますか?」

「学院長室……あ、思い出したわ。もしかしてノルン君が推薦で入学してきた子?」

「ええ、そうなんです。学院にきたら学院長室に来いと、書いてあったので」

「分かったわ。案内してあげる。ついてきて」

「ありがとうございます!」

 この学院にきて初めて会話するのが、まさか生徒会長だなんて俺ついてるのかな?

 そんな事を考えながら俺は会長こと、シャルさんについて行った。










 数分後、俺とシャルさんは校舎の中に入り、しばらく階段を上りまた少し歩いてようやく学院長室までたどり着いた。意外と歩いたので疲れてしまった。

「ノルン君、着いたわ。ここが学院長室よ」

「ありがとうございます。めんどくさいお願いを聞いてもらって」

「気にしないで。これも生徒会長としての務めだから。それじゃ、私はこれで」

「ありがとうございました」

 そうして俺とシャルさんは別れた。

 しばらくしてから俺は学院長室のドアをノックする。

「ノルン=ヘルリッヒです。アイリーンさんから貰った資料を見てここへ来ました」

 中から返事が返ってきた。

「す、少し待ってくれたまえ」

 そう聞こえた後、中からすごい音がし始めた。

 ガッシャン、ドゴゴゴッ

 そうして待つこと数分後、部屋の中から声が聞こえた。

「入りたまえ」

「失礼します!」

 そう言って、ドアを開けて部屋に入っていく。

 部屋の中に入ると、学院長と見られる人物が執務机の椅子に座っていた。およそ50代の黒髪黒目の人物は少し汗をかいているように見える。さっきのすごい音と関係があるのだろうか?

 横目で部屋の周りを見ると、部屋の隅っこに靴下の片方が落ちていた。

 もしかして、ここで暮らしてるのかな?

 でもなんか触れてはいけない気がしたので、自分から話し始めた。

「アイリーンさんに渡された書類に、学院に来たらすぐに学院長室に来て下さいと書いてあったので来ました」

「君がノルン君だね。よくこの学院の推薦を受けてくれた。感謝する。儂の名前はルドルフ=モーガン。君がこの学院の推薦を受けてくれて、儂にも新たな目標ができた」

「目標、とはいったい?」

「君を最高の魔法使いにすること。もちろん剣術使いにもね」

「最高の魔法使い、ですか」

「うん。アイリーンから聞いていると思うけど、儂は君の魔力量に目をつけた。君のその魔力量を活かせば、もっともっと上の存在と渡り合えるようになると思う」

 俺は村に帰ってからおよそ1ヶ月間、1日も休まず魔法と剣術の特訓をした。特に試験で不発だった魔法はかなり特訓した。魔力量があるとか言ってたけど、魔力がなくなる寸前まで出し切ったりもした。そうすることで魔力の最大量が増えるからだ。
そんな特訓をしているといつも倒れてしまう。魔力を使いすぎると代償として、酔ったり、意識を失ったり、最悪の場合、死に至る。そんな危険を顧みず俺は特訓をしまくった。

 全ては応援してくれる両親のため。期待に応えられるように一生懸命頑張った。まあそのおかげで魔法はかなり上達したと思っている。もちろん剣術も、同様。
 他の理由としては、あの喋る石像が言ってた、『来るべき日』に備えるため。

「そんなにですか」

「ああ、だから頑張りたまえ」

「期待に応えられるよう、精一杯頑張りたいと思います」

「そのいきだ」

 そうして学院長は少し間を置いてから俺に言った。

「君は確か寮生活だったね?」

「はい、そうです」

「今日から寮を使いなさい。明日は入学式だ。しっかりと時間通りに集合するようにしなさい」

「分かりました」

 その時だった。

 コンコンコンと音がした。俺は後ろを向いた。、

「アイリーンです」

 そう聞こえた途端、返事を待たずに入ってきた。

 俺と目が合う。

「あら、久しぶりね。ノルン君」

「は、はい。お久しぶりです。アイリーンさん!」

 後ろから学院長の声が聞こえた。

「アイリーン、君はまた儂のお金を使ったようだね? 秘書辞めさせるよ?」

さっきの温和な声ではなく、ワントーン低い声だった。

「そう言っていつも許してくれるではありませんか。ルドルフ学院長」

「それは君の親からの圧力があるからだよ! 君のせいで儂は自分の家を売らなければならなくなった。今はこの部屋が儂の家なんじゃ!」

「ふふっ、それは残念ですね。何か償いをしなければなりませんね」

 それを聞いた途端、学院長は考えだした。熟考の末の答えがこれ。

「ノルン君を寮まで案内しなさい」

「「へ?」」

 俺とアイリーンさんの声が重なった。

 え? 今の流れ的にどう考えてもお金返せっていう場面でしょ!? 

「どうせお金を返してもらったところで、何も使わんしの」

いや、なら別に追求しなくてもよくね? まあ、この部屋で暮らしてるのは、何も言えないけど。

「は、はあ、分かりました、学院長」

 拍子抜けした声で返事をした後、俺とアイリーンさんは学院長室を出ていった。
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