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寮母との出会い
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アイリーンさんに鍵をもらった後、俺は寮へ入っていった。入り口を入ってまっすぐいったところにエレベーターが見えた。
「あら、あなたがノルン君?」
俺は横から聞こえた声に少しびっくりしてしまったが、顔に出ないようにして、声の聞こえた方向に向けた。
そこには、茶色の髪を一つに括り、清潔感のある茶色の目の女性がいた。
「は、はい。ノルン=ヘルリッヒです。あのあなたは……」
俺の返事に、にっこりと笑ったその女性は俺に言った。
「私はここの寮母のティーラ=モルトンよ。学院長とアイリーンから話は聞いてるわ。鍵持ってるわよね?」
「はい、さっきアイリーンさんに渡されました」
「それはスペアキーよ。本物はこっち」
そうしてティーラさんは人差し指を鍵のストラップの穴に通し、グルングルンと回しながら続けた。
「そのスペアキーはノルン君が持ってて。絶対に無くさないようにね。なくしたら自己責任。分かった?」
「はいっ! 分かりました」
「ならよし! それじゃ、部屋の使い方を説明したいから私についてきて」
そうして俺はティーラさんについていった。
エレベーターに乗って五階まで移動したあと、ティーラさん何持っていた鍵を使い、部屋に入った。
中は外観とは違う質素な作りで木を基調としている。ほんのりと香る木の匂いが俺の家に似た匂いだった。
父さん、母さん、元気にしてるかな。
「どうしたの? 悲しそうだけど……」
「い、いえ、何も……」
「もしかしてご両親とつい最近まで一緒に暮らしてたのに離れて寂しくなった?」
「ま、そんな感じです。父さんは大丈夫だと思うんですけど、母さんが心配症でね。多分もうじき手紙が届くと思います」
「それだけ愛されてるってことよ。ご両親が遠くから見守ってくれてると思って学院生活を送りなさい。そうしたら頑張れるでしょ?」
「ええ、そうですね」
そう言って俺は続ける。
「あ、なんだかすみません。案内してもらってるのに……」
「構わないわ。そういう子はあなたの他にもたくさんいると思うわ」
そうしてティーラさんは切り替えようと手を叩く。
「さっ、気を取り直していくわよ。部屋の配置は殆どがトレーニングルームね。魔法も使えるように『魔法衝撃吸収』の付与魔法がトレーニングルーム全体にかけられてるわ。リビングもあるけど、一階の食堂でご飯は食べられるからほとんど使わないと思うわ。一応キッチンもあるわ。寝室は説明は省くわ。寝るだけだしね」
そうして俺はティーラさんと部屋を回ったが、想像以上だった。
「部屋というかもう家ですね」
「ははっ、確かにそうね。学院長が張り切って作ったの。学院長の財布から出したってアイリーンが言ってたわ」
もしかしてこれも勝手に使われたんじゃ……。学院長ってかわいそう。まあ、せめて学院長の期待に応えられるようにもっともっと頑張らないといけないな。
「そ、そうですか。期待に応えられるよう、活用してみます」
「うんうん、その調子で頑張りなさい。私は寮母として精一杯応援するわ。っと、もうすぐ夕食の準備をしないといけないからこれで! そこにある呼び出しアラームが鳴ったら一階に降りてきてね!」
「わ、分かりました!」
そうしてティーラさんは颯爽と去っていった。
「あら、あなたがノルン君?」
俺は横から聞こえた声に少しびっくりしてしまったが、顔に出ないようにして、声の聞こえた方向に向けた。
そこには、茶色の髪を一つに括り、清潔感のある茶色の目の女性がいた。
「は、はい。ノルン=ヘルリッヒです。あのあなたは……」
俺の返事に、にっこりと笑ったその女性は俺に言った。
「私はここの寮母のティーラ=モルトンよ。学院長とアイリーンから話は聞いてるわ。鍵持ってるわよね?」
「はい、さっきアイリーンさんに渡されました」
「それはスペアキーよ。本物はこっち」
そうしてティーラさんは人差し指を鍵のストラップの穴に通し、グルングルンと回しながら続けた。
「そのスペアキーはノルン君が持ってて。絶対に無くさないようにね。なくしたら自己責任。分かった?」
「はいっ! 分かりました」
「ならよし! それじゃ、部屋の使い方を説明したいから私についてきて」
そうして俺はティーラさんについていった。
エレベーターに乗って五階まで移動したあと、ティーラさん何持っていた鍵を使い、部屋に入った。
中は外観とは違う質素な作りで木を基調としている。ほんのりと香る木の匂いが俺の家に似た匂いだった。
父さん、母さん、元気にしてるかな。
「どうしたの? 悲しそうだけど……」
「い、いえ、何も……」
「もしかしてご両親とつい最近まで一緒に暮らしてたのに離れて寂しくなった?」
「ま、そんな感じです。父さんは大丈夫だと思うんですけど、母さんが心配症でね。多分もうじき手紙が届くと思います」
「それだけ愛されてるってことよ。ご両親が遠くから見守ってくれてると思って学院生活を送りなさい。そうしたら頑張れるでしょ?」
「ええ、そうですね」
そう言って俺は続ける。
「あ、なんだかすみません。案内してもらってるのに……」
「構わないわ。そういう子はあなたの他にもたくさんいると思うわ」
そうしてティーラさんは切り替えようと手を叩く。
「さっ、気を取り直していくわよ。部屋の配置は殆どがトレーニングルームね。魔法も使えるように『魔法衝撃吸収』の付与魔法がトレーニングルーム全体にかけられてるわ。リビングもあるけど、一階の食堂でご飯は食べられるからほとんど使わないと思うわ。一応キッチンもあるわ。寝室は説明は省くわ。寝るだけだしね」
そうして俺はティーラさんと部屋を回ったが、想像以上だった。
「部屋というかもう家ですね」
「ははっ、確かにそうね。学院長が張り切って作ったの。学院長の財布から出したってアイリーンが言ってたわ」
もしかしてこれも勝手に使われたんじゃ……。学院長ってかわいそう。まあ、せめて学院長の期待に応えられるようにもっともっと頑張らないといけないな。
「そ、そうですか。期待に応えられるよう、活用してみます」
「うんうん、その調子で頑張りなさい。私は寮母として精一杯応援するわ。っと、もうすぐ夕食の準備をしないといけないからこれで! そこにある呼び出しアラームが鳴ったら一階に降りてきてね!」
「わ、分かりました!」
そうしてティーラさんは颯爽と去っていった。
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