前世が官僚の俺は貴族の四男に転生する〜内政は飽きたので自由に生きたいと思います〜

ピョンきち

文字の大きさ
25 / 52

第24話謁見②

しおりを挟む
 
何故10歳になったらなのかよく分からなかったが後で教えてもらうこともできるだろう。俺が質問して機嫌損ねられたら嫌だしね。

国王陛下こと、エドワードは少し間を置いてから口を開いた。

「すまない、本題を忘れるところだった。改めて言おう。ハワード領魔物掃討作戦、本当によくやってくれた。感謝する」

ようやく本題に入ってくれたか。

「いえ、我ら親子は陛下に預かっている領地を守ったまででございます。褒められるようなことではございません」

「父上の言うとうりでございます」

「ははっ! そう言ってくれるとこちらも気が楽だ」

そう言ってからエドワードは俺に向かって言ってきた。

「アルバート、単刀直入に聞くが、君は本当に魔物達を倒したのか? ジャックが嘘を言っているようには見えないけどやっぱり5歳の子供が魔物を討伐するなんて前例が無いからね」

やっとこの質問か……。正直に答えた方がいいだろう。父上も現場を見たしね。

「はっ! 僕が魔物を倒しました。陛下、少し部屋が光りますがよろしいでしょうか?」

エドワードとその横に侍る宰相は目を合わせた後俺に向かってうなづいた。

「構わん。許可する」

「ありがとうございます。陛下。少し眩しくなりますのでご注意下さい」

そうして俺は大精霊ウンディーネこと、アクアを召喚するべく立ち上がり唱えた。

『召喚!』

すると、俺は見慣れた光景である虹色の光を目にした。謁見の間のステンドグラスを通して差し込む光との調和はえも言われぬ光景だった。

エドワードや大臣は眩しい光に目を腕で覆い隠す。

数十秒後、光が止む。

「陛下、もう大丈夫ですよ?」

「ああ、そうか。分かった」

そうして陛下と宰相は手を下ろす。

エドワードと宰相が目にしたものは別格の存在だった。

「この子は僕の契約精霊です。水の大精霊ウンディーネ、名はアクア」

そうしてアクアは陛下に向かって礼をする。

「や、やはりジャックの言っていたことは本当だったのだな。まさか書物でしか見たことがない水の大精霊ウンディーネ様と契約するとは……は、ははっ、もう何も言えまい」

そうしてエドワードは間を置いてから俺に尋ねた。

「アルバート、君は反乱とか起こしたりしないよね?」

ん?ああ、水の大精霊ウンディーネを従える俺を怖がっているのか?でもこの王国は俺の生まれた国だし別に悪いことなんてしようとも思わない。

「そんなことしませんよ。するとしたら僕が王国の貴族の一員である限り、国を守ったりすることだけです」

「そ、そうか。なら安心した」

そうしてエドワードは胸を撫で下ろした。

話がひと段落したところで俺は思っていたことを言ってみることにした。
やっぱり聞きたいしね。


「……あの陛下、話は戻りますが、なぜ10歳になったらなのでしょうか?」

エドワードは少し間を開けてから言った。

「ああ、そんなことを話してたな。実は王国ではあまり祭りというものがない。ほとんどの子供達が10歳になると学校へ入る。そこでだ。王国民全員で子供達の成長を祝おうという祭りを来年から企画しているのだが、アルバートお前は王立フォルトナンセ学園を受験する予定だな?」

「はい、その予定です」

「王立フォルトナンセ学園の生徒は祭りが始まってから職業体験をやってもらう。これは生徒達にたくさんの経験を積ませたいからだ」

そう言った後、さらに声のトーンを低くして俺に向かって言った。

「アルバート、お前には我の相手をしてもらわねばならん。我も鍛錬を怠るつもりはない。お主の力量は先ほど見て分かった。先生になって欲しい」

俺は最初、陛下が何を言っているのかがわからなかったが徐々に頭の中で理解が追いついた。

そしてこれが俺の答え。

「えええええええええええええっっっっ!!!!!」



しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...